MathWorks、流体システムのモデル化とシミュレーション向けにSimscapeを拡張

MathWorks は本日、Simscape 製品ファミリで流体システムのモデル化を可能にする新機能を発表しました。Release 2016a に含まれる Simscape Fluids では、熱流体システムのモデル化およびシミュレーションのためのコンポーネントライブラリが提供されるようになりました。新しいライブラリおよび例には、熱交換器、パイプ、バルブ、およびその他のコンポーネントが含まれます。これによりエンジニアはバックホー作動装置、エンジン冷却システム、配水網など流体動力、加熱冷却、および流体輸送システムのアプリケーションを開発できるようになります。

エンジニアは Simscape Fluids を活用して Simulink のブロック図に Stateflow のステートマシン、および MATLAB 関数を直接統合する流体システムの非因果的モデルを作成できます。単一の環境でシステム全体をシミュレーションできるため、制御システムの設計やシステム全体のパフォーマンスの最適化などの作業効率が高まります。これはまたシステム統合に関する問題を開発プロセスの早い段階で検出し、対処するためのコストと時間を抑えるのにも役立ちます。

Simscape Fluids モデルは C コードに変換して、プロセッサインザループおよびハードウェアインザループ構成で組み込みソフトウェアのテストを行うこともできます。この方法はハードウェアプロトタイプでテストするよりもはるかに安全で効率的です。

「Simscape Fluids は Simscape の価値ある追加機能で、エンジンの液体冷却システムや建物の給湯システムなど複雑な流体システムの問題の解決にシミュレーションを活用できる」とSherpa Engineering の副 CEO、ジャン・ブリュネは言います。「Simscape Fluids は Simulink と連携し、制御アルゴリズムおよび物理システムの開発のための統合環境の一部となることでさらに便利になる。より実用的で洗練された実行可能な仕様書を実現し、モデルベースデザインの価値を高めることができる」。

「物理システムをモデル化する Simscape プラットフォームやライブラリに当社が投資を続ける上で、Simscape Fluids は次なる一歩となる」と MathWorks のマーケティング・ディレクター、ポール・バーナードは言います。「Simscape Fluids は当社ソリューションのなかで、クローズドループ作動システムを調整し、加熱冷却システムのシステムレベルパフォーマンスを評価するエンジニアにとって重要なコンポーネントである。今では自動車、航空宇宙、および産業機械分野で働くエンジニアは容易にシミュレーション技術を活用し、ハードウェアプロトタイプに頼ることなくシステム動作を検証できるようになっている」。

Simscape Fluids の詳細については、mathworks.com/products/simhydraulics をご覧ください。