MATLAB および Simulink をクラウドで使用すると、エンジニアや科学者は、強化された計算リソース、ソフトウェアツール、信頼性の高いデータストレージにオンデマンドでアクセスできるため、開発プロセスを高速化できます。また、以下を行うことができます。

  • MATLAB Online および Simulink Online を使用して、MATLAB および Simulink を Web ブラウザーで開く
  • Amazon Web Services® (AWS®)、Microsoft Azure® などから、クラウドデータやその他のサービスに接続
  • 長時間実行する計算やシミュレーションを、クラウド上の CPU、GPU、または計算クラスターに拡張
  • MATLAB とクラウドベースの継続的インテグレーション (CI) システムを統合して、コードテストを自動化し、コード品質を向上
  • 他の言語による再コード化なしで、MATLAB および Simulink モデルをデプロイし、カスタムの MATLAB および Simulink 解析をクラウドベースのアプリケーションに組み込む

IT 管理者は、パブリック、プライベート、またはハイブリッドクラウド環境に MATLAB と Simulink をデプロイできます。さらに、MATLAB は、JupyterHub、Domino Data Lab、Databricks などのオンライン プラットフォームとの統合により、既存のインフラストラクチャと連携します。

クラウドでの MATLAB のさまざまな使用方法については、クラウドのリソースページをご覧ください。

クラウドワークフローでの MATLAB および Simulink の使用

MATLAB および Simulink を使用した対話形式の設計および開発

MathWorks がホストする MATLAB OnlineSimulink Online を使用すると、Web ブラウザー上で MATLAB、Simulink、およびその他の製品の最新バージョンをすぐに利用できます。MATLAB Online と Simulink Online は、MATLAB と Simulink を便利かつ軽快に使用したい場合に最適です。ソフトウェアのインストールや構成は必要ありません。

共有と共同作業を促進するため、MATLAB Drive には、MATLAB ファイルのクラウドベースのストレージが用意されています。また、AmazonS3AzureData Lake、および Google Cloud Storage など、広く利用されているデータサービスに対応した MATLAB インターフェイスを使用して、必要なデータに接続できます。MATLAB をクラウドホストデータと同じ場所で実行することで、時間の節約、データ転送コストの削減、より多くの計算リソースへの拡張が可能になります。

MathWorks が管理するインフラストラクチャで利用できるほか、AWS や Azure など、任意のクラウド事業者が提供するインフラストラクチャで直接 MATLAB を利用できます。

IT 管理者向け: お使いのインフラストラクチャで MATLAB Online をホストする場合、システム管理者は MATLAB Online Server を使用できます。MATLAB Online Server では、認証プロトコルやファイルシステムとの統合、GPU などの専用のハードウェアリソースへのアクセスなど、組織のニーズに合わせて MATLAB Online を構成および制御できます。

MATLAB は複数のオンライン環境との統合が可能なため、エンジニアや科学者は、自身の使いやすいツールで共有モデルやデータに対する共同作業を行えます。Databricks および Domino Data Lab などの管理型プラットフォーム、または JupyterHub などのセルフホスト型プラットフォームでは、参照アーキテクチャや事前構築済みの統合を使用して MATLAB を統合できます。

Web ブラウザーから MATLAB にアクセス
MATLAB コードをクラウドサービスに接続

MATLAB および Simulink を使用した大規模なシミュレーションと設計探索

Amazon® Web Services (AWS) や Microsoft Azure などのパブリック クラウド プラットフォームで MATLAB を使用すると、マルチ CPU、マルチ GPU、クラスターなどのハイエンドのクラウド計算リソースを使用して MATLAB アルゴリズムや Simulink シミュレーションを開発および拡張できます。Cloud Center では、AWS の認証情報を使用して、MATLAB および MATLAB Parallel Server 用のパブリック クラウド リソースを作成および管理し、そのリソースにアクセスすることができます。また、AWS や Azure の Marketplace を利用している組織であれば、MathWorks が提供する各種のオファリングを活用できるメリットがあります。

IT 管理者向け: はじめに、GitHub® で公開されている多くの参照アーキテクチャのいずれかを使用して、組織独自のニーズに合わせてクラウドリソースをカスタマイズおよびプロビジョニングできます。これらの参照アーキテクチャは、MATLAB、Simulink、MATLAB Parallel Server、MATLAB Production Server、およびその他のアドオン製品をパブリッククラウド環境にデプロイするプロセスを自動化します。

MATLAB コードをクラウドサービスに接続

MATLAB および Simulink の CI と自動テストシステムへの統合

コードテストを自動化し、コード品質を向上させるため、MATLAB を自動テスト環境や CI システムに統合できます。

クラウドホスト型 CI サービス: CI を使用して、MATLAB コードと Simulink モデルの検証と自動テスト、MEX ファイルの作成、コードの生成、デプロイ用のツールボックスまたはライブラリのパッケージ化を行うことができます。GitHub のプロジェクトでは、Azure DevOpsCircle CI®GitHub ActionsTravis CI などのクラウドホスト型 CI サービスで MATLAB を実行できます。

コンテナー: クラウドベースの CI/CD システムとカスタム統合するためコンテナーで MATLAB を使用し、必要なソフトウェア パッケージの再現性と可用性を確保できます。GitHub で公開されている MATLAB Dockerfile の参照アーキテクチャを使用して、ゼロから MATLAB コンテナーを構築するか、DockerHub で事前構築済みの MATLAB コンテナーを使用して、短時間で設定できます。また、ディープラーニングのワークフロー向けには、DockerHub 上に、NVIDIA® GPU を最大限に活用できるよう設計された事前構築済みのコンテナーも用意されています。

MATLAB コードおよび Simulink モデルの運用環境へのデプロイおよび運用可能化

オンデマンドのクラウド計算リソースを使用して、MATLAB の解析およびアルゴリズムを運用環境の IT システムにデプロイし、運用可能にすることができます。また、ブラウザーベースの Web アプリケーションを共有したり、カスタム解析、機械学習モデル、ディープラーニング モデル、Simulink シミュレーションを運用環境のエンタープライズ アプリケーションに組み込んだりすることもできます。その後、AWS や Azure のようなパブリッククラウド上でそれらを実行します。

IT 管理者向け: はじめに、MATLAB Production Server および MATLAB Web App Server 用の GitHub で公開されている参照アーキテクチャを使用して、エンタープライズ アプリケーションに MATLAB 解析を統合し、AWS または Azure でサーバーインスタンスを拡張できます。

クラウドの運用環境へのデプロイおよび運用可能化