Simscape

主な機能

  • 機械、電気、油圧、熱、その他のマルチドメイン物理システムのモデル化とシミュレーションを行うための単一の環境
  • カスタム コンポーネントの開発のための、物理モデリング ブロックと数学的要素のライブラリ
  • MATLAB ベースの Simscape 言語により、物理モデルのコンポーネント、ドメイン、およびライブラリのテキストによる構築が可能に
  • パラメーターと変数の物理ユニット (すべてのユニットは自動変換)
  • 製品を購入しなくても、関連する物理モデリング製品のブロックを含むモデルのシミュレーションが可能
  • C コードの生成をサポート

DC モーターのモデル化 5:01
このモデルは、電気および機構物理モデリング コンポーネントを使用して作成されます。

Simscape を使用して、システムレベルの性能を最適化し、制御設計のプラント モデルを作成します。作成したモデルは、ハードウェアインザループ シミュレーションを含む開発プロセス全体をサポートします。

Simscape - servo-valve
黄色で強調表示されたノズルフラッパ式増幅器を使用した電磁油圧サーボバルブの断面図(上)。関連する Simscape モデル(左)内で色付けされたブロックは、典型的な油圧の流路を表す色付けされた矢印(上)に対応。

マルチドメイン物理システムのモデリング

Simscape を使用することにより、物理システムを組み立てるようにシステムのモデルを作成することができます。Simscape は、モデル作成にフィジカルネットワークアプローチを採用しています。これは非因果モデリングとも呼ばれ、ポンプ、モータ、オペアンプといった物理要素に相当するコンポーネント(ブロック)が、パワーを伝達する物理接続に相当する線によって結ばれます。この方法では、ベースとなる数式よりむしろシステムの物理構造を記述することになります。Simscape は、図のように表されたモデルからシステムの挙動を特徴付ける微分代数方程式(DAE)を自動的に構築します。これらの方程式は Simulink モデルの他の部分と統合され、DAE が直接解かれます。異なる物理ドメインにあるコンポーネントの変数は同時に解が導かれるため、代数ループに関する問題は生じません。

カスタムコンポーネントの作成

Simscape では、その基本ライブラリに含まれる基本要素を使用してカスタムコンポーネントのモデルを作成することができます。

機構コンポーネントのモデリング

Simscape は 1 次元の並進運動や回転運動を表現する機構系の構築用ブロックを提供します。これには、質量、バネ、ダンパなどの基本的な要素に加えて、バックラッシュや摩擦のような非線形効果も含まれます。SimMechanics™ および SimDriveline™ で提供されるインターフェイスブロックを使用することにより、これらのツールを使用して作成されたモデルに Simscape モデルを接続させることができます。

電気コンポーネントのモデリング

Simscape は電気的なコンポーネントや回路を表現する電気系の構築用ブロックを提供します。これには、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの基本的な要素に加えて、オペアンプやトランスのような複雑な要素も含まれます。より詳細な電子コンポーネントや電気機械コンポーネントは、SimElectronics™ で利用することができます。

DC モーターのモデル化 5:01
このモデルは、電気および機構物理モデリング コンポーネントを使用して作成されます。

 

油圧コンポーネントのモデリング

Simscape は基本的な油圧の影響をモデリングするための油圧系の構築用ブロックを提供し、これらを組み合わせてより複雑な油圧コンポーネントを作成することができます。これらのブロックにより、流体圧縮性、流体慣性、機械摩擦、エネルギー変換、および基本的な固定/可変オリフィスを通過する流量といった基本的な物理的影響に対する圧力/流量の関係を定義することができます。流体特性を入力することにより流体を定義することもできます。より詳細な油圧コンポーネントは、SimHydraulics® で利用することができます。

方向油圧弁と油圧シリンダーのモデル化 3:41
このモデルは、油圧および機構物理モデリング ビルディング ブロックを使用して作成されます。

熱的効果のモデリング

Simscape はシステムの熱的効果をモデリング、シミュレーションするための熱系の構築用ブロックを提供します。要素の蓄熱や伝導、対流および放射といった熱伝達をモデリングすることができます。サーマルソースブロックを使用することにより、温度や熱伝達を定義することができ、サーマルセンサブロックを使用することにより、熱伝達量や温度変化量を測定することができます。

プロジェクターの熱伝導のモデル化 8:00
このモデルは、熱物理モデリング コンポーネントを使用して作成されます。

フィジカル信号の使用

Simscape を使用して、関連する物理単位を持つフィジカル信号をモデルに含めることができます。ブロックのダイアログボックスで単位およびパラメータ値を定義することができ、Simscape はフィジカルネットワークの解を導く際に必要な単位変換操作を自動で行います。Physical Signals ブロックライブラリを使用して、フィジカル信号の数式演算を行い、フィジカルネットワーク内に方程式をグラフィカルに記述することができます。フィジカル信号ポートは Simscape ブロックダイアグラムで使用され、物理システムにフィジカル信号を統合し、計算速度を向上させます。

これらの基本ライブラリに含まれる要素を使用して、異なる物理ドメインにまたがるより複雑なコンポーネントを作成することができます。また Simulink を使用して、このブロックの集合体をサブシステムとしてグループ化し、これらのコンポーネントを再利用および共有するためにパラメータ化することができます。

Simscape のセンサブロックを使用して、機械的(力/トルク、速度)、油圧的(圧力、流量)もしくは電気的(電圧、電流)変数のような異なる物理量の値を測定し、これらの信号を標準の Simulink ブロックに渡すことができます。また、ソースブロックを使用して、これらのあらゆる変数に Simulink 信号を割り当てることができます。センサブロックとソースブロックにより、Simulink で開発した制御アルゴリズムを Simscape のネットワークに接続可能です。

Simscape - libraries
電気、機械、油圧、熱ビルディングブロックを含む Simscape ライブラリにより、カスタマイズされたコンポーネントモデルを作成することができます。画像をクリックすると拡大します。

Simscape 言語の使用

Simscape 言語を使用して、新しい物理ドメインを追加し、独自の物理モデリングコンポーネントとライブラリを作成することができます。Simscape 言語は、エンジニアになじみ深い MATLAB プログラミング言語をベースとしています。このオブジェクト指向モデリング言語を使用することにより、パラメータ化、フィジカル接続、および非因果の陰的 DAE として表現される方程式を備えたカスタムコンポーネントを定義できます。また、MATLAB を使用して、パラメータの値の解析、予備計算の実行、およびシステム変数の初期化を行うこともできます。カスタムコンポーネントの Simulink ブロックとダイアログボックスは、Simscape ファイルから自動で生成されます。

Simscape 言語を使用したカスタム機構コンポーネントのモデル化 3:42
この MATLAB® ベースの物理モデリング言語を使用して、非線形回転ばねのモデルを作成します。

Simscape が提供する定義された物理ドメインはカスタムコンポーネントで再利用できるため、カスタムコンポーネントと標準の Simscape コンポーネントとの互換性を維持することができます。また、独自の物理ドメインを追加することも可能です。独自の Simscape コンポーネントとドメインの Simulink ライブラリを自動で作成および管理でき、これらのモデルを組織全体で共有することが可能です。また、カスタムコンポーネントを含む Simulink モデルから C コードを生成することもできます。

Simscape 言語を使用したカスタムの油圧コンポーネントのモデル化 3:38
この MATLAB®ベースの物理モデリング言語を使用して、油圧固定オリフィスのモデルを作成します。

Simscape 言語を使用すると、物理コンポーネントのモデルでどの効果を取り込むかを正確に制御できます。この手法によって、モデルの精度とシミュレーション速度とのトレードオフをバランスさせることが可能です。

Simscape - ultracapacitor
Simscape 言語を使用して、損失のあるウルトラキャパシタのモデルを作成した例。この方程式(下)は Simscape 言語で実装されています(左)。Simulink ブロック(右上)とダイアログボックス(中央)は、Simscape ファイルから自動で生成されます。画像をクリックすると拡大します。

Simscape 編集モードを使用したモデルの共有

Simscape Editing Modes により、Simscape、およびそのアドオン製品の SimDriveline、SimElectronics、SimHydraulics、SimMechanics、SimPowerSystems を使用した物理モデリング、シミュレーションを行うことができます。アドオン製品がインストールされている場合、Simscape ライセンスのみでアドオン製品のブロックを含むモデルを、開く、シミュレーション、パラメータ調整および保存することができます。これにより、追加ライセンスを購入することなく組織全体でモデルを共有することができます。

Simscape の制限付きモードでの作業に関する詳細をご覧ください。

Simscape モデルから C コードへの変換

Simulink のアクセラレータモードを使用して、Simscape モデルを C コードに変換することでシミュレーション時間を短縮することができます。また、Simulink Coder を使用して Simscape モデルを C コードに変換することも可能です。これにより以下のことが可能となります。

  • リアルタイムでモデルを実行し、HIL テストを実施
  • モデルを他のシミュレーション環境に統合
  • Simscape モデルをスタンドアロンシミュレーション用にコンパイルし、パラメータ検討やモンテカルロシミュレーションといった解析を高速化

Simscape モデルの C コードへの変換 4:38
モデルからスタンドアロン実行ファイルを作成することで、パラメーター値が変更される一連のシミュレーションを高速化します。

モデルをリアルタイムで実行するように構成すると、高価なプロトタイプの代わりにハードウェアインザループ テストを使用してシステムをテストできます。開発プロセスの早期の段階で誤りを発見できるので、コストを削減し、設計サイクルを短縮できます。

ハードウェア プロトタイプの代わりに HIL テストを使用した、制御アルゴリズムのテスト 5:21
MathWorks 物理モデリング製品のブロックを組み込んだ Simulink® モデルを C コードに変換し、Bachmann electronic 社の M1 ハードウェア コントローラーにダウンロードします。

MATLAB/Simulink でのマルチドメイン物理モデリング

Simscape は、物理システムをモデリングするための拡張機能を提供します。フィジカル接続により物理プラントモデルを作成でき、Simulink のシグナルフローを使用して作られたコントローラモデルに、直接そのプラントモデルを接続することができます。Simscape モデルは、MathWorks 製の他の用途固有/ドメイン固有の物理モデリングツールに接続することにより、マルチドメイン物理システムでの複雑な相互作用をモデリングすることが可能です。

機械システム、油圧システム、電気システム、制御システムの完全なシステム モデルへの統合 5:49
この手法を使用すると、各システムの個別テストとシステム全体のパフォーマンスのテストを行うことができます。

また、MATLAB を使用して、モデルのパラメータ化、シミュレーションテストの自動化、出力データの解析、およびシステム性能の最適化を行うこともできます。その結果、システム全体(マルチドメイン物理プラントとコントローラ)を MATLAB/Simulink 環境でテストすることが可能となります。

Simscape - rectifier
AC 120 V を DC 12 V に変換する全波整流回路を表す Simscape モデル(上)。特定の負荷に対するキャパシタを評価するために使用することができます。グラフ(左)は直流電圧のリップルを示します。画像をクリックすると拡大します。

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