SimBiology は、定量システム薬理学 (QSP) や生理学的薬物動態学 (PBPK)、薬物動態学/薬力学 (PK/PD) の用途に焦点を当てて、動的システムのモデル化、シミュレーション、解析を行うためのアプリやプログラムツールを提供します。モデルは、SimBiology ブロック線図エディターを使用して対話的に構築するか、MATLAB 言語を使用してプログラムで構築することができます。また、モデルは、ゼロから作成するか、SBML 形式のファイルとしてインポートするか、または SimBiology のモデル例を基にする方法で作成できます。
SimBiology は、複雑度やサイズが広範囲にわたる ODE ベースのモデルを解析するためのさまざまな技術を提供します。シミュレーションを実行することで、ターゲットの実現可能性の評価、薬効と薬の安全性の予測、薬の最適な投与スケジュールの特定が可能です。ローカルおよびグローバルの感度解析を使用して重要な経路やパラメーターを特定したり、パラメータースイープを実行して生物学的変動を評価したりできます。パラメーターを推定するには、非線形回帰や非線形混合効果の手法を使用してデータを適合させて、ノンコンパートメント解析 (NCA) を実施します。
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SimBiology コミュニティ
SimBiology と MATLAB を使った QSP、PBPK、PK/PD のモデル化に取り組む科学者が集う場所。
モデルの構築
SimBiology Model Builder を使用して、1 枚の紙に描くように 定量システム薬理学 (QSP)、生理学的薬物動態学 (PBPK)、薬物動態学/薬力学 (PK/PD) のモデルを構築します。
モデルダイナミクスの指定
ブロック線図エディターにドラッグ アンド ドロップするか、プログラムツールを使用して、QSP、PBPK、または PK/PD モデルを構築します。システム バイオロジー マークアップ言語 (SBML) ファイルから既存のモデルをインポートします。
モデルバリアントの作成
モデルバリアントを使用して、基本モデル構成とは異なるパラメーター値または初期条件のセットを保存します。モデルのコピーを複数作成することなく、仮想患者や薬剤候補、代替シナリオ、what-if 仮説のシミュレーションを簡単に行うことができます。
投与戦略の評価
投与戦略を定義し、評価します。異なるモデル種を対象とした投与スケジュールを組み合わせて、併用療法の利点を評価し、最適な投与戦略を判断します。
モデルのシミュレーション
SimBiology Model Analyzer またはプログラムツールから、さまざまな決定論的ソルバーや確率的ソルバーを使用して、モデルの動的挙動をシミュレーションします。
ソルバーの選択
MATLAB ODE ソルバー、SUNDIALS ソルバーなどの、利用可能な決定論的ソルバーから 1 つを選択するか、確率的シミュレーション アルゴリズム (SSA)、明示的なタウリーピング、暗黙的なタウリーピングなどの確率的ソルバーから 1 つを選択します。
シミュレーションの高速化
モデルをコンパイルした C コードに変換することにより、大規模モデルのシミュレーションまたはモンテカルロ シミュレーションを高速化します。性能をさらに改善するには、Parallel Computing Toolbox を使用して、複数のコアやクラスター、またはクラウド コンピューティング リソース間でシミュレーションを分散します。
ノンコンパートメント解析
コンパートメント モデルを仮定せずに、薬物濃度の経時的測定値から薬物の薬物動態パラメーターを計算します。スパースサンプリングまたは逐次サンプリングを使用して、単一投与または複数投与の実験データとシミュレーションデータの両方で NCA を実行します。
非線形回帰
ローカルまたはグローバルの推定メソッドによってパラメーターを推定し、パラメーターおよびモデル予測値の信頼区間を計算します。各グループを別々に適合させて、グループ固有の推定値を生成するか、すべてのグループを同時に適合させて 1 つの値のセットを推定します。
非線形混合効果法 (NLME)
NLME 法を使用して、確率的期待値近似最大化 (SAEM)、一次条件付き推定値 (FOCE)、一次推定値 (FO)、線形混合効果 (LME) 近似、または制限付き LME 近似を使用して、母集団データを適合します。
組み込みプログラムと対話型の探索ツール
SimBiology Model Analyzer アプリで組み込みの解析ステップを使用し、解析プログラムを作成します。スライダーを使用して、パラメーターや投与スケジュールの変化がモデルの結果に及ぼす影響を対話的に調べます。
グローバルおよびローカルの感度解析
ローカルまたはグローバルな感度解析を行うことで、モデル量の変動がモデル応答に及ぼす影響を調べます。グローバル感度解析を使用して、パラメーター空間でモデルの応答を促すモデル入力を理解し、パラメーター推定戦略に通知します。
カスタム解析
MATLAB スクリプトによりプログラムで SimBiology を使用し、解析の自動化とカスタム解析の作成を行います。また、コミュニティで提供されたツールをアドオンとして使用し、SimBiology モデルでカスタム解析 (仮想母集団シミュレーションなど) を行うこともできます。
Web アプリの構築と展開
App Designer でアプリを作成後 MATLAB Compiler でパッケージ化し、MATLAB Web App Server を使用してホストします。共同作業者はソフトウェアをインストールすることなく、ブラウザーで Web アプリにアクセスして実行することができます。