Image Processing Toolbox

主な機能

  • 画像分割、モルフォロジー、統計、測定などの画像解析
  • 画像の強調、フィルター処理およびブレ除去
  • 幾何学的変換、強度に基づく画像のレジストレーション方法
  • FFT、DCT、ラドン、ファンビーム投影法などの画像変換
  • ブロック処理、タイリング、多解像度表示などの大きい画像のワークフロー
  • 画像ビューアーや映像ビューアーなどの視覚化アプリ
  • マルチコアおよび GPU 対応の関数と C コード生成のサポート

Image Processing Toolbox 入門
車線のラインを検出する例を使用した、画像処理の概要です。

参照と検出

Image Processing Toolbox は、Web カメラ、デジタル カメラ、衛星用センサー、空中センサー、医療用画像機器、顕微鏡、望遠鏡など、幅広い科学機器によって生成された画像および映像をサポートしています。関数とアプリを使用して、さまざまなデータ型のこれらの画像の可視化、解析および処理を行うことができます。

Image Acquisition Toolbox™ を使用して、フレーム グラバー、GigE Vision カメラ、DCAM 対応カメラなどの機器からライブ画像および映像を取り込むことができます。

標準的なファイル形式と特殊なファイル形式

MATLAB® がサポートする標準的なデータと画像の形式には次が含まれます。

  • AVI
  • JPEG
  • JPEG-2000
  • FITS
  • HDF
  • HDF-EOS
  • M4V
  • MOV
  • MP4
  • PNG
  • TIFF
  • ASCII
  • バイナリ ファイル
  • Microsoft® Excel®

また、LANDSAT で使用されているマルチバンド画像形式 (BIP と BIL) もサポートしています。低水準 I/O 関数とメモリ マッピング関数を使用すれば、任意のデータ形式で作業するためのカスタム ルーチンを開発できます。

Image Processing Toolbox には多くの特殊な画像ファイル形式がサポートされています。医療用画像では、DICOM ファイル形式 (関連するメタデータを含む) と、Analyze7.5 および Interfile 形式をサポートしています。また、NITF ファイルの地形画像や、HDR ファイルのハイ ダイナミック レンジ イメージも読み込めます。

参照と探索のためのアプリ

このツールボックスには、一連の画像処理アプリが用意されており、さまざまなアルゴリズムによるアプローチの参照および探索ができます。Color Thresholder アプリでは、さまざまな色空間に基づいて画像の分割ができます。Image Viewer アプリでは、点、線、矩形、ポリゴン、楕円形、自由曲線などの関心領域 (ROI) を、対話的に配置して操作できます。ピクセル情報の表示、パンとズーム、コントラストの調整、距離の測定を行うこともできます。また、これらの作業をプログラムで行ったり、個々の機能を使用してカスタム インターフェイスを作成したりできます。

画像の強調

Image Processing Toolbox の画像強調手法では、S/N 比を高めたり、画像の色彩や強度を変更して画像の特徴を強調したりできます。

Image Processing Toolbox には専用のフィルタリング ルーチンや汎用的な多次元フィルタリング関数が用意されています。多次元フィルタリング関数では、整数型の画像を処理できるほか、複数の境界パディング オプションが提供されており、たたみ込みや相関を実行することもできます。

事前定義されたフィルターと関数を使用して次を行うことができます。

マルチスペクトルのカラー合成イメージの強調 (例)
衛星画像の植生領域を強調表示して区分けするための、カラー合成の作成。

モルフォロジー演算

モルフォロジー演算では、コントラストの強調、ノイズの除去、領域の細分化、領域での細線化を実行できます。Image Processing Toolbox のモルフォロジー関数は以下の通りです。

  • 膨張と収縮
  • オープニング (opening) およびクロージング (closing)

テクスチャ フィルターを使用したテクスチャ分割 (例)
エントロピー測定とモルフォロジー演算を使用した、テクスチャの異なる領域の識別。

画像のボケ修正

Image Processing Toolbox には、ブラインド、Lucy-Richardson 法、Wiener 法、正則化フィルターによるデコンボリューションなどの画像ブレ除去アルゴリズムと、点像分布関数および光学伝達関数間の変換機能が含まれています。これらの関数により、焦点のずれた光、撮影時のカメラや対象物のブレ、大気条件、露光時間の短さなどによって生じたボケを修正できます。画像のボケ修正関数はすべて、多次元画像に対応しています。

ブラインド デコンボリューション アルゴリズムを使った画像のブレ除去 (例)
歪みに関する情報がないときの画像の復元。

画像解析

画像解析とは、形状の検出、オブジェクト数のカウント、色の特定、オブジェクト プロパティの測定のような有用な情報を画像から取り出すプロセスのことです。

Image Processing Toolbox は統計解析、特性抽出、特性測定などの画像解析のための包括的な参照標準アルゴリズムや可視化関数を提供します。

画像の変換

画像変換は、画像の強調、解析、復元、圧縮などの多くの画像処理において重要な役割を果たします。Image Processing Toolbox は、ハフ変換、ラドン変換、FFT、DCT、ファンビーム投影法などの画像変換手法を提供します。平行ビームやファンビームの投影データ (断層撮影アプリケーションで一般的なデータ) から画像を復元できます。

画像変換は MATLAB と Wavelet Toolbox™ でも使用できます。

投影データからイメージの復元 (例)
平行 (ラドン) ビームとファン ビームの形状を使用した画像の再構成の比較。

ハフ変換

ハフ変換は、画像内の直線と曲線の特定を目的としています。ハフ変換を使用して、次を行うことができます。

  • 直線のセグメントと端点の検出
  • 角度の測定
  • サイズに基づいた円の検出

統計関数

統計関数では、以下の機能を用いて画像の全般的な特徴を解析します。

デバイスに依存しないカラー マネージメント

デバイス非依存カラー マネージメントにより、入出力機器の種類を問わず、色を正確に表現することが可能になります。この機能は、ある特定の機器の特性を解析する場合や、色精度を定量的に測定する場合、あるいは複数の異なる機器に対するアルゴリズムを開発する場合に有効です。ツールボックスの専用の関数では、sRGB、XYZ、xyY、L*a*b*、uvL、L*ch といった機器依存のない色空間へ画像を変換することが可能です。

画像分割

画像分割アルゴリズムでは、画像内の領域の境界を決定します。プログレッシブ法、自動しきい値処理、エッジベース手法、通常つながったオブジェクトの区分けに使用される watershed 変換などのモルフォロジーに基づく手法など、さまざまな画像区分け方法が用意されています。

ライブの画像取得における色別の区分け
カメラから画像を取得して処理し、同様の色をもつオブジェクトをカウントします。

エッジ検出 (英語)

エッジ検出アルゴリズムでは、画像内のオブジェクトの境界線を識別できます。Sobel、Prewitt、Roberts、Canny、ガウスの Laplacian 法が用意されています。Canny 手法はノイズの影響を抑え、正確に弱いエッジを検出します。

モルフォロジー演算

モルフォロジー演算では、エッジの検出、画像の複数領域への区分け、領域での細線化を実行できます。Image Processing Toolbox のモルフォロジー関数は以下の通りです。

画像のレジストレーションと幾何学的変換

画像のレジストレーションは、リモート センシングや医療用画像処理をはじめ、定量分析や定性的比較のために画像の位置合わせを必要とするアプリケーションにおいて重要な役割を果たします。 Image Processing Toolbox では強度に基づく画像のレジストレーションがサポートされており、相対的な強度のパターンを使用して画像の位置を自動的に合わせることができます。

また、制御点による画像のレジストレーションもサポートされています。この方法では、各画像で手作業によって一連の制御点を指定して、2 つの画像の位置を合わせます。

また Computer Vision System Toolbox™ では特性に基づく画像のレジストレーションがサポートされており、特性の検出、抽出、照合の後、幾何学的変換の推定を行って、自動的に画像の位置を合わせます。

強度に基づく画像レジストレーション

強度に基づく画像レジストレーション は、相対的な強度に基づいて別の画像内の特定のピクセルをマップします。このレジストレーション手法は、大量の画像を自動化する必要がある医用画像処理に適しています。

制御点による画像レジストレーション

制御点による画像レジストレーションでは、画像の位置を合わせるために 2 つの画像内の制御点を手動で選択する必要があります。この方法は衛星画像などの特性が異なる画像に最適です。

幾何学的変換

幾何学的変換は、画像の回転、解像度の低減、幾何学的歪みの修正、画像のレジストレーションの実行などに便利です。Image Processing Toolbox には、サイズ変更、回転、切り抜きなどの簡単な演算のほか、アフィン変換や射影などのより複雑な 2 次元の幾何学的変換も用意されています。

また、カスタマイズした幾何学的変換や、N 次元配列のための内挿法を作成および適用するための、柔軟なフレームワークが提供されています。

大きい画像の処理と性能向上

Image Processing Toolbox は、標準的な方法では処理や表示が困難な大きい画像を操作するための専用のワークフローを提供します。大きい画像全体をメモリに読み込まずに、画像を空間タイルに分割して異なる解像度レベルでリサンプルする低解像度のデータ セット (R セット) を作成することができます。このワークフローにより、画像の表示とナビゲーションのパフォーマンスが向上します。また、ブロック処理ワークフローを使用して、大きい画像の各ブロックに関数を適用することも可能で、メモリ使用量を大幅に軽減できます。

GPU 高速化

GPU (グラフィックス プロセッシング ユニット) によって得られる性能のメリットを活用するために、多くの画像処理関数は GPU に対応しており、計算量の多いワークフローを高速化できます。Parallel Computing Toolbox™ を使用すれば、GPU およびマルチコア プロセッサでパフィーマンスを向上できます。

ターゲット ハードウェア

C、C++、HDL コード生成により、画像処理アプリケーションをターゲット ハードウェアに展開できます。Image Processing Toolbox を MATLAB Coder™Vision HDL Toolbox™ および HDL Coder™ と共に使用することにより、C、C++, および HDL のコードを直接 MATLAB から生成できます。多くの画像処理機能がコード生成をサポートしているため、画像処理アルゴリズムを PC ハードウェア、FPGA、ASIC で実行できます。これにより医療、航空宇宙、防衛分野の画像処理システムを開発できます。

製品評価版の入手
または製品の購入

画像処理・コンピュータービジョン R2015a 最新機能紹介 ~機械学習と3次元画像処理を中心として~

Web セミナーを表示する