Image Processing Toolbox

主な機能

  • 画像の強調、フィルタリング、およびボケの修正
  • 区分け画像分割、モルフォロジー、特性抽出、測定などの画像解析
  • 幾何学的変換、強度に基づく画像のレジストレーション方法
  • FFT、DCT、ラドン、ファンビーム投影法などの画像変換
  • 任意の大きい画像を処理、表示、およびナビゲーションするためのワークフロー
  • 画像ビューアー アプリおよび映像ビューアー アプリ
  • DICOM ファイルのインポートおよびエクスポート

Image Processing Toolbox 入門 4:44
車線のラインを検出する例を使用した、画像処理の概要です。

画像のインポートとエクスポート

Image Processing Toolbox は、デジタル カメラ、衛星用センサー、空中センサー、医療用画像機器、顕微鏡、望遠鏡など、幅広い科学機器によって生成された画像をサポートしています。これらの画像は、単精度または倍精度浮動小数点や、符号付きまたは符号なしの 8 ビット、16 ビット、32 ビット整数など、さまざまなデータ型で可視化、解析、処理を行うことが可能です。

画像を MATLAB® 環境にインポート、または MATLAB 環境からエクスポートして処理する方法もいくつか用意されています。Image Acquisition Toolbox™ を使用して、Web カメラ、フレーム グラバー、DCAM 対応カメラ、GigE Vision カメラなどの機器からライブ画像を取り込むことができます。また、Database Toolbox™ を使用すると、ODBC や JDBC に準拠したデータベースに格納された画像にアクセスできます。

サポートされている標準的な形式と特殊な形式

MATLAB は、JPEG、JPEG-2000、TIFF、PNG、HDF、HDF-EOS、FITS、Microsoft® Excel®、ASCII、バイナリ ファイルなどの標準的なデータ形式および画像形式をサポートしています。また、LANDSAT で使用されているマルチバンド画像形式 (BIP と BIL) もサポートしています。低水準 I/O 関数とメモリ マッピング関数を使用すれば、任意のデータ形式で作業するためのカスタム ルーチンを開発できます。

Image Processing Toolbox には多くの特殊な画像ファイル形式がサポートされています。医療用画像では、DICOM ファイル形式 (関連するメタデータを含む) と、Analyze7.5 および Interfile 形式をサポートしています。また、NITF ファイルの地形画像や、HDR ファイルの高ダイナミック レンジ画像も読み込めます。

例:3 次元 MRI データ セットからスライスの切り出し

3 次元 MRI データ セットからスライスの切り出し
3 次元 MRI データ セットの内挿と再スライス。

画像の表示と調査

Image Processing Toolbox は、高度にカスタマイズ可能な画像表示機能を提供します。単一のウィンドウに複数の画像を表示したり、テキストやグラフィックで注釈を付けたり、ヒストグラム、断面図、コンター プロットなどの特殊な表示を作成することができます。

このツールボックスには、映像とシーケンスを表示するためのアプリが含まれています。MATLAB のボリューム可視化関数により、多次元画像データセットの等値面表示を作成することも可能です。

動画シーケンスの特定のフレームで一時停止したビデオ ビューアー。

動画シーケンスの特定のフレームで一時停止したビデオ ビューアー。

画像の調査

表示関数に加え、このツールボックスには画像の調査のための関数セットも用意されています。これにより、画像情報の表示、画像のズームとパン、ピクセル領域の精密な調査を行うことができます。また、点、線、矩形、ポリゴン、楕円形、自由曲線などの関心領域 (ROI) を、対話的に配置して操作できます。さらに、切り抜き、コントラストの調整、距離の測定を対話的に行うこともできます。これらのツール セットは、Image Tool の内部から使用できるほか、カスタム インターフェイスの作成に使用する個々の関数からも使用できます。

例:複数のスペクトルのカラー合成イメージの強調

複数のスペクトルのカラー合成イメージの強調
衛星画像で植生領域を強調表示して区分けするための、カラー合成の作成。

交通量のビデオ内の車の検出
ビデオおよび画像シーケンスの可視化と解析。

画像の前処理と後処理

Image Processing Toolbox は、ノイズ、低ダイナミック レンジ、焦点のずれた光、入出力機器での色彩表現の違いなど、一般的なシステムでの問題を解決する前処理/後処理のための参照標準アルゴリズムを提供します。

画像の強調

Image Processing Toolbox の画像強調手法では、SN 比を高め、色彩や強度を変更することで画像の特徴を強調することができます。以下を行うことができます。

  • ヒストグラム平坦化の実行
  • 無相関ストレッチの実行
  • ダイナミックレンジの再配置
  • ガンマ値の調整
  • 線形フィルター、メディアン フィルター、適応フィルターの実行

Image Processing Toolbox には専用のフィルタリング ルーチンや汎用的な多次元フィルタリング関数が用意されています。多次元フィルタリング関数では、整数型の画像を処理できるほか、複数の境界パディング オプションが提供されており、たたみ込みや相関を実行することもできます。また、ユーザ定義の線形フィルターを設計および実装するために、事前定義されたフィルターや関数も提供されています。

例:コントラスト強調テクニック

コントラスト強調テクニック
適応ヒストグラム均等化を使用した、グレースケール画像とトゥルーカラー画像の強調。

画像のボケ修正

Image Processing Toolbox のボケ修正アルゴリズムには、ブラインド、Lucy-Richardson 法、Wiener 法、正則化フィルターによるデコンボリューションに加え、点像分布関数と光学伝達関数間の変換機能が含まれています。これらの関数により、焦点のずれた光、撮影時のカメラや対象物のブレ、大気条件、露光時間の短さなどによって生じたボケを修正できます。画像のボケ修正関数はすべて、多次元画像に対応しています。

例:正則化フィルターを用いたイメージのブレ除去

正則化フィルターを用いたイメージのブレ除去
制約付き最小二乗復元アルゴリズムを使用した、ブレおよびノイズの多い画像の復元。

デバイスに依存しないカラー マネージメント

Image Processing Toolbox のデバイス非依存カラー マネージメントでは、入出力機器の種類を問わず、色を正確に表現することが可能になります。この機能は、ある特定の機器の特性を解析する場合や、色精度を定量的に測定する場合、あるいは複数の異なる機器に対するアルゴリズムを開発する場合に有効です。ツールボックスの専用の関数では、sRGB、XYZ、xyY、L*a*b*、uvL、L*ch といった機器依存のない色空間へ画像を変換することが可能です。

例:L*a*b* 色空間を用いた色ベースの区分

L*a*b* 色空間を用いた色ベースの区分
画像を別の色空間で解析して、異なる色を識別。

柔軟性と制御を向上するために、このツールボックスでは ICC バージョン 4 をベースとしたカラー マネージメント システムを使用した、プロファイルベースの色空間変換がサポートされています。例えば、N 次元の ICC カラー プロファイルをインポートし、特定の入出力機器に対する既存の ICC カラー プロファイルを編集したり、表現に対する仕様や対象機器が準拠するすべてのプロファイルを見つめるために、新規にプロファイルを作成することが可能です。

画像の変換

FFT や DCT などの画像変換は、画像の強調、解析、復元、圧縮などの多くの画像処理において重要な役割を果たします。Image Processing Toolbox には、ラドン変換やファンビーム投影法などの、いくつかの画像変換手法が用意されています。平行ビームやファンビームの投影データ (断層撮影アプリケーションで一般的なデータ) から画像を復元できます。画像の変換は、MATLABWavelet Toolbox™ でも使用できます。

投影データからイメージの復元
平行 (ラドン) ビームとファン ビームの形状を使用した画像の再構成の比較。

画像の置換

画像処理アプリケーションでは多くの場合、データ クラス間および画像タイプ間の画像置換が必要となります。Image Processing Toolbox には、単精度および倍精度浮動小数点、符号付きもしくは符号なし 8 ビット、16 ビット、32-ビット整数を含む、データクラスの変換のためのさまざまなユーティリティが用意されています。また、バイナリ、グレースケール、インデックス付きカラー、およびトゥルーカラーなどの画像タイプの変更のためのアルゴリズムも用意されています。特にカラー画像では、さまざまな色空間 (YIQ、HSV、YCrCb など) が使用可能で、ベイヤー パターン符号化画像やハイ ダイナミック レンジ画像もサポートされています。

画像の解析

Image Processing Toolbox は包括的な参照標準アルゴリズムや、統計解析、特性抽出、特性計測などの画像解析のための可視化関数を提供します。

統計関数

統計関数では、以下の機能を用いて画像の全般的な特徴を解析します。

  • 平均、標準偏差の計算
  • 線分に沿った強度値の測定
  • 画像ヒストグラムの表示
  • 強度値の特徴のプロッティング
例:不均一な照明の補正

不均一な照明の補正
画像の強調と、REGIONPROPSを使用した区分けされたオブジェクトの統計計算。

例:丸いオブジェクトの認識

丸いオブジェクトの認識
画像のしきい値処理と、オブジェクトの測定計算

エッジ検出アルゴリズム

エッジ検出アルゴリズムでは、画像内のオブジェクトの境界線を識別できます。Sobel、Prewitt、Roberts、Canny、ガウスの Laplacian 法が用意されています。強力な Canny 手法はノイズの影響を抑え、正確に弱いエッジを検出します。

画像区分けアルゴリズム

画像区分けアルゴリズムでは、画像内の領域の境界を決定します。自動しきい値処理、エッジベース手法、および通常つながったオブジェクト区分けに使用される watershed 変換などのモルフォロジーに基づく手法など、様々な画像区分け方法が用意されています。

ライブの画像取得における色別の区分け 5:11
カメラから画像を取得して処理し、同様の色をもつオブジェクトをカウントします。

例:マーカーコントロール付き Watershed セグメント化

マーカーコントロール付き Watershed セグメント化
重なっているオブジェクトを集水域と流域の稜線に分離。

例:イメージの区分化を使用したセルの検出

イメージの区分化を使用したセルの検出
エッジ検出とモルフォロジーを使用した区分化。

モルフォロジー演算

モルフォロジー演算では、エッジの検出、コントラストの強調、ノイズの除去、画像の領域への区分け、領域の細分化、領域での細線化の実行を行うことができます。Image Processing Toolbox のモルフォロジー関数は以下の通りです。

  • 縮退 (Erosion )および膨張 (dilation)
  • オープニング (opening) およびクロージング (closing)
  • 連結要素 (Connected Component) のラベリング
  • watershed セグメント化
  • 再構成
  • 距離変換
例:テクスチャ フィルターを使用したテクスチャ分割

テクスチャ フィルターを使用したテクスチャ分割
エントロピー計測とモルフォロジー演算を使用した、テクスチャの異なる領域の識別。

高度な画像解析

また、Image Processing Toolbox には高度な画像解析アルゴリズムも用意されています。以下の機能を含みます。

  • 面積、重心、境界などの特定の画像領域の特性の測定
  • 線の検出と、ハフ変換を使用した画像からの線分の抽出
  • テクスチャ解析関数を使用した、表面粗度や色彩変化などの特性の測定

幾何学的変換、画像のレジストレーション

幾何学的変換は、画像の回転、解像度の低減、幾何学的歪みの修正、画像のレジストレーションの実行などに便利です。Image Processing Toolbox には、サイズ変更、回転、切り抜きなどの簡単な演算のほか、アフィン変換や射影などのより複雑な 2 次元の幾何学的変換も用意されています。また、カスタマイズした幾何学的変換や、N 次元配列のための内挿法を作成および適用するための、柔軟で総合的なフレームワークが提供されています。

画像のレジストレーションは、リモート センシングや医療用画像処理をはじめ、定量分析や定性的比較のために画像の位置合わせを必要とするアプリケーションにおいて重要な役割を果たします。Image Processing Toolbox では強度に基づく画像のレジストレーションがサポートされており、相対的な強度のパターンを使用して画像の位置を自動的に合わせることができます。また、制御点による画像のレジストレーションもサポートされています。この方法では、各画像で手作業によって一連の制御点を指定して、2 つの画像の位置を合わせます。また Computer Vision System Toolbox™ では特性に基づく画像のレジストレーションがサポートされており、特性の検出、抽出、一致の後、幾何学的変換の推定を行って、自動的に画像の位置を合わせます。

航空写真の正射写真へのレジストレーション
制御点の選択を使用した 2 つの画像の位置合わせ。

マルチモーダル MRI 画像のレジストレーション
強度に基づく画像のレジストレーションを使用した 2 つの MRI 画像の位置合わせ。

大きい画像の操作

サイズの大きい画像は、標準的な方法で処理や表示を行うことは困難です。Image Processing Toolbox は、大きい画像を操作するための専用のワークフローを提供します。大きい画像全体をメモリに読み込まずに、画像を空間タイルに分割して異なる解像度レベルでリサンプルする低解像度のデータ セット (R セット) を作成することができます。このワークフローにより、画像の表示とナビゲーションのパフォーマンスが向上します。また、ブロック処理ワークフローを使用して、大きい画像の各ブロックに関数を適用することも可能で、メモリ使用量を大幅に軽減できます。このワークフローでは、Parallel Computing Toolbox™ を利用して、さらにパフォーマンスを向上することもできます。

例:大きい画像のブロック処理

大きい画像のブロック処理
読み込み、処理、ディスクへの結果の書き込みをインクリメンタルに行うことで、大きい画像の処理に使用するメモリを削減。

大きい画像の統計の計算
大きい画像の処理時に BLOCKPROC を使用してグローバル統計を計算および適用。

製品評価版の入手
または製品の購入

評価版Image Processing Toolbox

評価版ソフトウェアを入手する

いまからはじめるMATLAB画像処理ワークフロー

Web セミナーを表示する