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thselect

ノイズ除去用のしきい値選択

説明

THR = thselect(X,TPTR) は、TPTR で指定された選択ルールを使用して、1 次元信号 X に適応させたしきい値を返します。利用可能な選択ルールは次のとおりです。

  • 'rigrsure' — Stein の不偏リスク推定 (SURE) の原理を使用した適応しきい値選択。

  • 'sqtwolog'sqrt(2*log(length(X))) の固定型のしきい値。

  • 'heursure''rigrsure' および 'sqtwolog' のヒューリスティックなバリアント。

  • 'minimaxi' — ミニマックスしきい値処理。

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ガウス ホワイト ノイズ信号を生成します。再現性を高めるために、乱数シードを既定値に設定します。

rng default
x = randn(1,1000);

各選択ルールのしきい値を求めます。

thrRig = thselect(x,'rigrsure');
disp(['SURE (''rigrsure'') threshold: ',num2str(thrRig)]);
SURE ('rigrsure') threshold: 2.0518
thrSqt = thselect(x,'sqtwolog');
disp(['Universal (''sqtwolog'') threshold: ',num2str(thrSqt)]);
Universal ('sqtwolog') threshold: 3.7169
thrHeu = thselect(x,'heursure');
disp(['Heuristic variant (''heursure'') threshold: ',num2str(thrHeu)]);
Heuristic variant ('heursure') threshold: 3.7169
thrMin = thselect(x,'minimaxi');
disp(['Minimax (''minimaxi'') threshold: ',num2str(thrMin)]);
Minimax ('minimaxi') threshold: 2.2163

ミニマックスと SURE のしきい値選択ルールはより保守的であり、信号の小さな Detail がノイズ範囲の付近にある場合に便利です。

入力引数

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入力データ。実数値のベクトルとして指定します。

データ型: double

しきい値選択ルール。以下を指定します。

  • 'rigrsure' — ソフトしきい値推定器の SURE (二次損失関数) に基づくしきい値選択ルール。特定のしきい値 t のリスクの推定から始めて、アルゴリズムでは t のリスクが最小になるようなしきい値が取得されます。

  • 'heursure''rigrsure''sqtwolog' の混合。S/N 比が小さい場合、SURE 推定値はノイズを含みます。その場合、固定型のしきい値が使用されます。

  • 'sqtwolog'log(length(X)) に比例する小さな係数を乗算したミニマックス性能が得られる固定型の (ユニバーサルな) しきい値。

  • 'minimaxi' — 理想的な手順について平均二乗誤差のミニマックス性能が得られるよう選択された固定しきい値。統計でミニマックスの原理を使用して推定器が設計されます。ノイズ除去後の信号は、未知の回帰関数の推定器に取り込むことができます。したがって、ミニマックス推定器では、最大平均二乗誤差の最小値を得るものが、与えられたセットでの最悪の関数となります。

しきい値の選択ルールは、基となるモデル y = f(t) + e に基づいています。ここで、e は N(0,1) のホワイト ノイズです。スケーリングされていないノイズまたは非ホワイト ノイズには、レベル依存のノイズ推定値を使用します (詳細については、wdenoiseNoiseEstimate パラメーターを参照)。

出力引数

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X に適応させたしきい値。正の実数として返されます。

参照

[1] Donoho, D. L. “Progress in Wavelet Analysis and WVD: A Ten Minute Tour.” Progress in Wavelet Analysis and Applications (Y. Meyer, and S. Roques, eds.). Gif-sur-Yvette: Editions Frontières, 1993.

[2] Donoho, D. L., and Johnstone, I. M. “Ideal Spatial Adaptation by Wavelet Shrinkage.” Biometrika, Vol. 81, pp. 425–455, 1994.

[3] Donoho, D. L. “De-noising by Soft-Thresholding.” IEEE Transactions on Information Theory, Vol. 42, Number 3, pp. 613–627, 1995.

拡張機能

C/C++ コード生成
MATLAB® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入