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det

シンボリック行列の行列式

説明

B = det(A) は、シンボリック数、シンボリック スカラー変数、シンボリック関数の正方行列 A の行列式を返します。

B = det(A,'Algorithm','minor-expansion') は小行列式展開アルゴリズムを使用して、A の行列式を評価します。

B = det(M) は、シンボリック行列変数またはシンボリック行列関数 M の行列式を返します。

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シンボリック スカラー変数を含む行列の行列式を計算します。

syms a b c d
A = [a b; c d];
B = det(A)
B = ad-bc

シンボリック数を含む行列の行列式を計算します。

A = sym([2/3 1/3; 1 1]);
B = det(A)
B = 

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多項式エントリを含むシンボリック行列を作成します。

syms a x 
A = [1, a*x^2+x, x;
     0, a*x, 2;
     3*x+2, a*x^2-1, 0]
A = 

(1ax2+xx0ax23x+2ax2-10)

小行列式展開を使用して行列の行列式を計算します。

B = det(A,'Algorithm','minor-expansion')
B = 3ax3+6x2+4x+2

4 行 4 列のブロック行列の行列式を計算します。

M=[A02,2CB]

ここで、AB、および C は 2 行 2 列の部分行列です。02,2 という表記は、2 行 2 列のゼロの部分行列を表しています。

シンボリック行列変数を使用して、ブロック行列の部分行列を表します。

syms A B C [2 2] matrix
Z = symmatrix(zeros(2))
Z = 02,2
M = [A Z; C B]
M = 

(A02,2CB)

行列 M の行列式を求めます。

det(M)
ans = 

det(A02,2CB)

symmatrix2symを使用して、結果をシンボリック行列変数からシンボリック スカラー変数に変換します。

D1 = simplify(symmatrix2sym(det(M)))
D1 = A1,1A2,2-A1,2A2,1B1,1B2,2-B1,2B2,1

行列 M の行列式が、A の行列式と B の行列式を乗算したものと等しいかどうかを確認します。

D2 = symmatrix2sym(det(A)*det(B))
D2 = A1,1A2,2-A1,2A2,1B1,1B2,2-B1,2B2,1
isequal(D1,D2)
ans = logical
   1

行列多項式 a0 I2+A の行列式を計算します。ここで、A は 2 行 2 列の行列です。

行列 A をシンボリック行列変数として作成し、係数 a0 をシンボリック スカラー変数として作成します。a0 および A をパラメーターとして、行列多項式をシンボリック行列関数 f として作成します。

syms A [2 2] matrix
syms a0
syms f(a0,A) [2 2] matrix keepargs
f(a0,A) = a0*eye(2) + A
f(a0, A) = a0I2+A

det を使用して f の行列式を求めます。結果は、スカラー、ベクトル、行列を入力引数として受け入れる symfunmatrix 型のシンボリック行列関数になります。

fInv = det(f)
fInv(a0, A) = deta0I2+A

symfunmatrix2symfun を使用して、結果を symfunmatrix データ型から symfun データ型に変換します。結果は、スカラーを入力引数として受け入れるシンボリック関数になります。

gInv = symfunmatrix2symfun(fInv)
gInv(a0, A1_1, A1_2, A2_1, A2_2) = A1,1a0+A2,2a0+a02+A1,1A2,2-A1,2A2,1

入力引数

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入力行列。シンボリック数の正方行列、シンボリック スカラー変数の正方行列、またはシンボリック関数の正方行列として指定します。

データ型: single | double | sym | symfun

入力行列。シンボリック正方行列変数またはシンボリック正方行列関数として指定します。

データ型: symmatrix | symfunmatrix

ヒント

  • 多くのシンボリック変数が含まれる行列計算は低速になる可能性があります。計算速度を向上させるには、特定の値を変数に代入することでシンボリック変数の数を減らします。

  • 一般に、小行列式展開法は、多くのシンボリック スカラー変数が含まれる行列の行列式を評価するのに役立ちます。多くの場合、この手法は多変数係数を持つ多項式エントリが含まれる行列に適しています。

参照

[1] Khovanova, T. and Z. Scully. "Efficient Calculation of Determinants of Symbolic Matrices with Many Variables." arXiv preprint arXiv:1304.4691 (2013).

バージョン履歴

R2006a より前に導入

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参考

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