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vartest2

等分散性に関する 2 標本 F 検定

説明

h = vartest2(x,y) は、2 標本 F 検定を使用して、ベクトル xy のデータの派生元は、同じ分散の正規分布であるという帰無仮説の検定の判定を返します。対立仮説は、それらのデータが異なる分散の正規分布から派生しているとします。検定で帰無仮説が有意水準 5% で棄却された場合、結果 h1、それ以外の場合は 0 になります。

h = vartest2(x,y,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値のペア引数で指定された追加オプションを使用して、 2 標本 F 検定の検定の判定を返します。たとえば、有意水準を変更したり、片側検定を実行することができます。

[h,p] = vartest2(___) は、前の構文の入力引数のいずれかを使用して、検定の p 値である p も返します。

[h,p,ci,stats] = vartest2(___) は、真の分散比の信頼区間 ci と、検定統計量に関する情報を含む stats 構造体も返します。

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標本データを読み込みます。2 つの試験における学生の採点データを表すデータ行列の 1 列目と 2 列目が含まれているベクトルを作成します。

load examgrades;
x = grades(:,1);
y = grades(:,2);

xy のデータが同じ分散をもつ分布から派生しているという帰無仮説を検定します。

[h,p,ci,stats] = vartest2(x,y)
h = 1
p = 0.0019
ci = 2×1

    1.2383
    2.5494

stats = struct with fields:
    fstat: 1.7768
      df1: 119
      df2: 119

返された結果の h = 1 は、vartest2 が既定の有意水準 5% で帰無仮説を棄却することを示します。ci には、真の分散比に対する 95% 信頼区間の下限と上限が格納されます。stats には、F 検定の検定統計量の値と、分子および分母の自由度が格納されます。

標本データを読み込みます。2 つの試験における学生の採点データを表すデータ行列の 1 列目と 2 列目が含まれているベクトルを作成します。

load examgrades;
x = grades(:,1);
y = grades(:,2);

xy のデータが同じ分散をもつ分布から派生しているという帰無仮説を、x の母集団分散が y の母集団分散より大きいという対立仮説に対して検定します。

vartest2(x,y,'Tail','right')
ans = 1

戻り値 h = 1 は、vartest2 が、x の母集団分散が y の母集団分散より大きいという対立仮説を優先して、既定の有意水準 5% で帰無仮説を棄却したことを示します。

入力引数

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標本データ。ベクトル、行列または多次元配列として指定します。

  • xy がベクトルの場合、同じ長さにする必要はありません。

  • xy が行列である場合は、列数を同じにしなければなりませんが、行数は同じにする必要はありません。vartest2 は、各列に検定を別個に実行し、結果のベクトルを返します。

  • xy が多次元配列である場合、それらの次元数は同じでなければならず、大きさが 1 でない最初の次元を除くすべてに対して同じサイズでなければなりません。

データ型: single | double

標本データ。ベクトル、行列または多次元配列として指定します。

  • xy がベクトルの場合、同じ長さにする必要はありません。

  • xy が行列である場合は、列数を同じにしなければなりませんが、行数は同じにする必要はありません。vartest2 は、各列に検定を別個に実行し、結果のベクトルを返します。

  • xy が多次元配列である場合、それらの次元数は同じでなければならず、大きさが 1 でない最初の次元を除くすべてに対して同じサイズでなければなりません。

データ型: single | double

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで Name は引数名、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。

R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'Tail','right','Alpha',0.01 では、有意水準 1% で右裾仮説検定を指定します。

仮説検定の有意水準。'Alpha' と、(0,1) の範囲内のスカラー値で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

例: 'Alpha',0.01

データ型: single | double

検定する入力行列の次元。'Dim' と正の整数値で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。たとえば、'Dim',1 を指定すると、各列のデータについて分散が等しいかどうか検定されますが、'Dim',2 では各行のデータについて検定されます。

例: 'Dim',2

データ型: single | double

F 検定を使用して評価する対立仮説のタイプ。'Tail' と、以下のいずれかで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

'both'母集団分散は等しくないという対立仮説を検定します。
'right'x の母集団分散は y の母集団分散よりも大きいという対立仮説を検定します。
'left'x の母集団分散は y の母集団分散よりも小さいという対立仮説を検定します。

例: 'Tail','right'

出力引数

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1 または 0 として返される仮説検定の結果。

  • h = 1 の場合、有意水準 Alpha で帰無仮説が棄却されることを示します。

  • h = 0 の場合、有意水準 Alpha で帰無仮説が棄却できなかったことを示します。

検定の p 値。[0,1] の範囲のスカラー値として返されます。p は、帰無仮説に基づく観測値と同様に、極端な検定統計量、またはより極端な検定統計量が観測される確率です。p の値が小さい場合、帰無仮説の妥当性に問題がある可能性があります。

母集団分散の真の比率の信頼区間。100 × (1 – Alpha)% の信頼区間の下限と上限を含む 2 要素ベクトルとして返されます。

仮説検定の検定統計量。以下を含む構造体として返されます。

  • fstat — 検定統計量の値。

  • df1 — 検定の分子の自由度。

  • df2 — 検定の分母の自由度。

詳細

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2 標本 F 検定

2 標本 F 検定は、2 つの母集団の分散が等しいかどうかを検定するために使用します。

検定統計量は次のようになります。

F=s12s22,

ここで、s1 と s2 は標本の標準偏差です。検定統計量は、2 標本分散の比です。この比率が 1 から逸脱していくにつれて、帰無仮説を棄却する可能性が高くなります。帰無仮説の場合、検定統計量 F には、分子の自由度が N1 – 1 で分母の自由度が N2 – 1 の F 分布があります。ここで、N1 と N2 は 2 つのデータ セットの標本サイズです。

多次元配列

多次元配列は、3 つ以上の次元をもつ配列です。たとえば、x が 1 x 3 x 4 の配列の場合、x は 3 次元配列です。

大きさが 1 でない最初の次元

大きさが 1 でない最初の次元とは、配列の次元のうちサイズが 1 ではない最初の次元です。たとえば x が 1 x 2 x 3 x 4 の配列の場合、x の大きさが 1 でない最初の次元は 2 番目の次元です。

拡張機能

バージョン履歴

R2006a より前に導入