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vartest

説明

h = vartest(x,v) は、カイ二乗分散検定を使用して、ベクトル x のデータが分散 v の正規分布から派生しているという帰無仮説の検定の判定を返します。対立仮説は、x は異なる分散の正規分布から派生しているとします。検定で帰無仮説が有意水準 5% で棄却された場合、結果 h1、それ以外の場合は 0 になります。

h = vartest(x,v,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値のペア引数で指定された追加オプションを使用して、カイ二乗分散検定を実行します。たとえば、有意水準を変更したり、片側検定を実行することができます。

[h,p] = vartest(___) は、前の構文の入力引数のいずれかを使用して、検定の p 値である p も返します。

[h,p,ci,stats] = vartest(___) は、真の分散の信頼区間 ci と、検定統計量に関する情報を含む stats 構造体も返します。

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標本データを読み込みます。学生の試験採点行列の 1 列目が含まれているベクトルを作成します。

load examgrades
x = grades(:,1);

データの派生元は、分散 25 の分布であるという帰無仮説を検定します。

[h,p,ci,stats] = vartest(x,25)
h = 1
p = 0
ci = 2×1

   59.8936
   99.7688

stats = struct with fields:
    chisqstat: 361.9597
           df: 119

戻り値 h = 1 は、vartest が既定の有意水準 5% で帰無仮説を棄却することを示します。ci は、真の分散に対する 95% の信頼区間の下限と上限を示し、真の分散が 25 より大きいことを示しています。

標本データを読み込みます。学生の試験採点行列の 1 列目が含まれているベクトルを作成します。

load examgrades
x = grades(:,1);

データが分散 25 の分布から派生しているという帰無仮説を、分散が 25 より大きいという対立仮説に対して検定します。

[h,p] = vartest(x,25,'Tail','right')
h = 1
p = 2.4269e-26

h = 1 の戻り値は、vartest が、分散が 25 より大きいという対立仮説を優先して、既定の有意水準 5% で帰無仮説を棄却したことを示します。

入力引数

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標本データ。ベクトル、行列または多次元配列として指定します。行列の場合、vartestx の各列に検定を別個に実行し、結果の行ベクトルを返します。多次元配列の場合、vartestx大きさが 1 でない最初の次元に沿って動作します。

データ型: single | double

仮定された分散。非負のスカラー値として指定します。

データ型: single | double

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで Name は引数名、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。

R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'Tail','right','Alpha',0.01 では、有意水準 1% で右裾仮説検定を指定します。

仮説検定の有意水準。'Alpha' と、(0,1) の範囲内のスカラー値で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

例: 'Alpha',0.01

データ型: single | double

検定する入力行列の次元。'Dim' と正の整数値で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。たとえば、'Dim',1 を指定すると、各列のデータについて仮定された分散が等しいかどうか検定されますが、'Dim',2 では各行のデータについて検定されます。

例: 'Dim',2

データ型: single | double

評価する対立仮説のタイプ。'Tail' と以下のいずれかで構成される、コンマ区切りのペアとして指定します。

'both'母集団分散は v ではないという対立仮説を検定します。
'right'母集団分散は v より大きいという対立仮説を検定します。
'left'母集団分散は v より小さいという対立仮説を検定します。

例: 'Tail','right'

出力引数

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1 または 0 として返される仮説検定の結果。

  • h = 1 の場合、有意水準 Alpha で帰無仮説が棄却されることを示します。

  • h = 0 の場合、有意水準 Alpha で帰無仮説が棄却できなかったことを示します。

検定の p 値。[0,1] の範囲のスカラー値として返されます。p は、帰無仮説に基づく観測値と同様に、極端な検定統計量、またはより極端な検定統計量が観測される確率です。p の値が小さい場合、帰無仮説の妥当性に問題がある可能性があります。

真の分散の信頼区間。100 × (1 – Alpha)% の信頼区間の下限と上限を含む 2 要素ベクトルとして返されます。

カイ二乗分散検定の検定統計量。以下を含む構造体として返されます。

  • chisqstat — 検定統計量の値。

  • df — 検定に対する自由度。

詳細

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カイ二乗分散検定

カイ二乗分散検定は、母集団の分散が仮定の値と等しいかどうかを検定するために使用されます。

検定統計量は次のようになります。

T=(n1)(sσ0)2,

ここで、n は標本のサイズ、s は標本の標準偏差、σ0 は仮定の標準偏差です。分母は、仮定された標準偏差に対する標本標準偏差の比率です。この比率が 1 から逸脱していくにつれて、帰無仮説を棄却する可能性が高くなります。帰無仮説では、検定統計量 T は自由度が n – 1 のカイ二乗分布になります。

多次元配列

多次元配列は、3 つ以上の次元をもつ配列です。たとえば、x が 1 x 3 x 4 の配列の場合、x は 3 次元配列です。

大きさが 1 でない最初の次元

大きさが 1 でない最初の次元とは、配列の次元のうちサイズが 1 ではない最初の次元です。たとえば x が 1 x 2 x 3 x 4 の配列の場合、x の大きさが 1 でない最初の次元は 2 番目の次元です。

ヒント

  • sampsizepwr を使用して以下を計算します。

    • 指定された検出力およびパラメーター値に対応する標本サイズ

    • 真のパラメーター値が与えられた場合に特定の標本サイズに対して達成される検出力

    • 指定された標本サイズおよび検出力で検出できるパラメーター値

拡張機能

バージョン履歴

R2006a より前に導入