t 位置-スケール分布
概要
t 位置-スケール分布は、正規分布よりも厚い裾 (外れ値によりなりやすい) をもつデータの分布のモデリングに有効です。これは、ν が無限大に近づくにつれて、正規分布に近づき、ν の値が小さいほど裾が厚くなります。
パラメーター
t 位置-スケール分布は、次のパラメーターを使用します。
パラメーター | 説明 | サポート |
---|---|---|
μ | 位置パラメーター | –∞ < μ < ∞ |
σ | スケール パラメーター | σ > 0 |
ν | 形状パラメーター | ν > 0 |
分布パラメーターを推定するには、mle
を使用します。あるいは、fitdist
または分布フィッター アプリを使用して tLocationScaleDistribution
オブジェクトをデータに当てはめます。
確率密度関数
t 位置-スケール分布の確率密度関数 (pdf) は以下のようになります。
ここで、Γ( • ) はガンマ関数、μ は位置パラメーター、σ はスケール パラメーター、ν は形状パラメーターです。
確率密度関数を計算するには、pdf
を使用して 'tLocationScale'
を指定します。あるいは、fitdist
または makedist
を使用して tLocationScaleDistribution
オブジェクトを作成し、このオブジェクトと連携する pdf
を使用できます。
累積分布関数
確率密度関数を計算するには、cdf
を使用して 'tLocationScale'
を指定します。あるいは、fitdist
または makedist
を使用して tLocationScaleDistribution
オブジェクトを作成し、このオブジェクトと連携する cdf
を使用できます。
記述統計
t 位置-スケール分布の平均は以下のようになります。
ここで、μ は位置パラメーターです。平均は、形状パラメーター値 ν > 1 の場合のみ定義されます。ν が他の値の場合、平均は定義されません。
t 位置-スケール分布の分散は以下のようになります。
ここで、μ は位置パラメーターで、ν は形状パラメーターです。分散は、値 ν > 2 の場合のみ定義されます。ν が他の値の場合、分散は定義されません。
平均と分散を計算するには、fitdist
または makedist
を使用する tLocationScaleDistribution
オブジェクトを作成します。分布フィッター アプリを使用することもできます。
他の分布との関係
x がパラメーター µ、σ、および ν をもつ、t 位置-スケール分布に従う場合、
は、自由度 ν をもつスチューデントの t 分布に従います。