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normcdf

説明

p = normcdf(x) は、x の各値で評価した標準正規分布の累積分布関数 (cdf) を返します。

p = normcdf(x,mu) は、x の各値で評価した、平均 mu および単位標準偏差をもつ正規分布の cdf を返します。

p = normcdf(x,mu,sigma) は、x の各値で評価した、平均 mu および標準偏差 sigma をもつ正規分布の cdf を返します。

[p,pLo,pUp] = normcdf(x,mu,sigma,pCov) は、musigma が推定値である場合の p の 95% 信頼限界 [pLo,pUp] も返します。pCov は、推定されたパラメーターの共分散行列です。

[p,pLo,pUp] = normcdf(x,mu,sigma,pCov,alpha) は、信頼区間 [pLo,pUp] の信頼水準が 100(1–alpha)% であることを指定します。

___ = normcdf(___,'upper') は、極端に上裾にある確率をより正確に計算するアルゴリズムを使用して、x 内の値で評価した cdf の補数を返します。'upper' は、前の構文の任意の入力引数の後に続けることができます。

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標準正規分布に従う観測値が区間 [–1 1] に含まれる確率を計算します。

p = normcdf([-1 1]);
p(2)-p(1)
ans = 0.6827

正規分布に従う観測値の約 68% は、平均 0 から 1 標準偏差以内に収まります。

平均 mu および標準偏差 sigma をもつ正規分布について、x の各値で評価した cdf の値を計算します。

x = [-2,-1,0,1,2];
mu = 2;
sigma = 1;
p = normcdf(x,mu,sigma)
p = 1×5

    0.0000    0.0013    0.0228    0.1587    0.5000

異なる平均パラメーターをもつさまざまな正規分布について、ゼロで評価した cdf の値を計算します。

mu = [-2,-1,0,1,2];
sigma = 1;
p = normcdf(0,mu,sigma)
p = 1×5

    0.9772    0.8413    0.5000    0.1587    0.0228

正規分布パラメーターの最尤推定量 (MLE) を求めてから、対応する cdf 値の信頼区間を求めます。

平均 5 および標準偏差 2 をもつ正規分布から 1000 個の正規乱数を生成します。

rng('default') % For reproducibility
n = 1000; % Number of samples
x = normrnd(5,2,n,1);

mleを使用して、分布パラメーター (平均と標準偏差) の MLE を求めます。

phat = mle(x)
phat = 1×2

    4.9347    1.9969

muHat = phat(1);
sigmaHat = phat(2);

normlike を使用して、分布パラメーターの共分散を推定します。関数 normlike は、MLE がその MLE の推定に使用された標本と共に渡された場合、漸近共分散行列に対する近似を返します。

[~,pCov] = normlike([muHat,sigmaHat],x)
pCov = 2×2

    0.0040   -0.0000
   -0.0000    0.0020

ゼロにおける cdf の値およびその 95% 信頼区間を求めます。

[p,pLo,pUp] = normcdf(0,muHat,sigmaHat,pCov)
p = 0.0067
pLo = 0.0047
pUp = 0.0095

p は、パラメーター muHat および sigmaHat をもつ正規分布を使用した cdf の値です。区間 [pLo,pUp] は、0 で評価した cdf の 95% 信頼区間であり、pCov を使用した場合の muHat および sigmaHat の不確実性を考慮しています。95% 信頼区間は、真の cdf 値が [pLo,pUp] に含まれる確率が 0.95 であることを意味します。

標準正規分布に従う観測値が区間 [10,Inf] に含まれる確率を特定します。

p1 = 1 - normcdf(10)
p1 = 0

normcdf(10) はほぼ 1 なので、p1 は 0 になります。極端に上裾にある確率をより正確に normcdf に計算させるため、'upper' を指定します。

p2 = normcdf(10,'upper')
p2 = 7.6199e-24

'upper' を使用して右裾の p 値を計算することもできます。

確率分布関数 normcdf をカイ二乗適合度検定 (chi2gof) で関数ハンドルとして使用します。

入力ベクトル x に含まれている標本データが正規分布に由来しており、この正規分布ではパラメーター µ および σ がそれぞれ標本データの平均 (mean) および標準偏差 (std) に等しいという帰無仮説を検定します。

rng('default') % For reproducibility
x = normrnd(50,5,100,1);
h = chi2gof(x,'cdf',{@normcdf,mean(x),std(x)})
h = 0

h = 0 という結果は、5% という既定の有意水準で chi2gof が帰無仮説を棄却しなかったことを示しています。

入力引数

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cdf を評価する値。スカラー値またはスカラー値の配列を指定します。

信頼区間 [pLo,pUp] を計算するよう pCov に指定した場合、x はスカラー値でなければなりません。

複数の値で cdf を評価するには、配列を使用して x を指定します。複数の分布の cdf を評価するには、配列を使用して musigma を指定します。入力引数 xmu および sigma の 1 つ以上が配列である場合、配列のサイズは同じでなければなりません。この場合、normcdf は配列入力と同じサイズの定数配列に各スカラー入力を拡張します。p の各要素は、x 内の対応する要素で評価された、mu および sigma 内の対応する要素によって指定された分布の cdf の値です。

例: [-1,0,3,4]

データ型: single | double

正規分布の平均。スカラー値、またはスカラー値の配列を指定します。

信頼区間 [pLo,pUp] を計算するよう pCov に指定した場合、mu はスカラー値でなければなりません。

複数の値で cdf を評価するには、配列を使用して x を指定します。複数の分布の cdf を評価するには、配列を使用して musigma を指定します。入力引数 xmu および sigma の 1 つ以上が配列である場合、配列のサイズは同じでなければなりません。この場合、normcdf は配列入力と同じサイズの定数配列に各スカラー入力を拡張します。p の各要素は、x 内の対応する要素で評価された、mu および sigma 内の対応する要素によって指定された分布の cdf の値です。

例: [0 1 2; 0 1 2]

データ型: single | double

正規分布の標準偏差。非負のスカラー値、または非負のスカラー値の配列を指定します。

sigma がゼロである場合、出力 p は 0 または 1 のいずれかになります。p は、xmu より小さい場合は 0、それ以外の場合は 1 になります。

信頼区間 [pLo,pUp] を計算するよう pCov に指定した場合、sigma はスカラー値でなければなりません。

複数の値で cdf を評価するには、配列を使用して x を指定します。複数の分布の cdf を評価するには、配列を使用して musigma を指定します。入力引数 xmu および sigma の 1 つ以上が配列である場合、配列のサイズは同じでなければなりません。この場合、normcdf は配列入力と同じサイズの定数配列に各スカラー入力を拡張します。p の各要素は、x 内の対応する要素で評価された、mu および sigma 内の対応する要素によって指定された分布の cdf の値です。

例: [1 1 1; 2 2 2]

データ型: single | double

推定値 mu および sigma の共分散。2 行 2 列の行列を指定します。

pCov を指定して信頼区間 [pLo,pUp] を計算する場合、xmu および sigma はスカラー値でなければなりません。

musigmamle を使用して、musigma の共分散は normlike を使用して推定できます。たとえば、正規分布の cdf 値の信頼区間を参照してください。

データ型: single | double

信頼区間の有意水準。範囲 (0,1) のスカラーを指定します。信頼水準は 100(1–alpha)% です。alpha は、真の値が信頼区間に含まれない確率です。

例: 0.01

データ型: single | double

出力引数

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x 内の値で評価した cdf の値。スカラー値、またはスカラー値の配列として返されます。p は、必要なスカラー拡張後の xmu および sigma と同じサイズになります。p の各要素は、x 内の対応する要素で評価された、mu および sigma 内の対応する要素によって指定された分布の cdf の値です。

p の信頼限界の下限。スカラー値、またはスカラー値の配列として返されます。pLop と同じサイズになります。

p の信頼限界の上限。スカラー値、またはスカラー値の配列として返されます。pUpp と同じサイズになります。

詳細

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正規分布

正規分布は、パラメーターを 2 つもつ曲線群です。1 つ目のパラメーター µ は平均です。2 番目のパラメーター σ は標準偏差です。

標準正規分布は、ゼロ平均と単位標準偏差をもちます。

正規累積分布関数 (cdf) は次のようになります。

p=F(x|μ,σ)=1σ2πxe(tμ)22σ2dt,forx.

p は、パラメーター μ および σ をもつ正規分布から派生した単一の観測値が区間 (-∞,x] に含まれる確率です。

アルゴリズム

  • 関数 normcdf は、相補誤差関数 erfc を使用します。normcdferfc の関係は次のようになります。

    normcdf(x)=12erfc(x2).

    相補誤差関数 erfc(x) は次のように定義されます。

    erfc(x)=1erf(x)=2πxet2dt.

  • 関数 normcdf は、デルタ法を使用して p の信頼限界を計算します。normcdf(x,mu,sigma)normcdf((x–mu)/sigma,0,1) と等価です。したがって、関数 normcdf はデルタ法により musigma の共分散行列を使用して (x–mu)/sigma の分散を推定し、この分散の推定値を使用して (x–mu)/sigma の信頼限界を求めます。その後、信頼限界を p のスケールに変換します。大規模な標本から musigma および pCov を推定する場合、計算された信頼限界は必要な信頼水準を近似的に提供します。

代替機能

  • normcdf は正規分布専用の関数です。Statistics and Machine Learning Toolbox™ には、さまざまな確率分布をサポートする汎用関数 cdf もあります。cdf を使用するには、NormalDistribution 確率分布オブジェクトを作成し入力引数として渡すか、確率分布名とそのパラメーターを指定します。分布専用の関数 normcdf は汎用関数 cdf より高速です。

  • 確率分布の累積分布関数 (cdf) または確率密度関数 (pdf) のプロットを対話的に作成するには、確率分布関数アプリを使用します。

参照

[1] Abramowitz, M., and I. A. Stegun. Handbook of Mathematical Functions. New York: Dover, 1964.

[2] Evans, M., N. Hastings, and B. Peacock. Statistical Distributions. 2nd ed., Hoboken, NJ: John Wiley & Sons, Inc., 1993.

拡張機能

C/C++ コード生成
MATLAB® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入