manova
説明
manova
オブジェクトには、1 因子、2 因子、または多因子 MANOVA の結果が格納されます。一連の応答データの平均のベクトルが特定の因子や複数の因子の値 (水準) に関して異なるかどうかを判別するには、manova
オブジェクトのプロパティを使用します。オブジェクト プロパティには、係数推定値、応答データに当てはめる MANOVA モデル、解析の実行に使用される因子に関する情報が含まれています。MANOVA の詳細については、反復測定の多変量分散分析を参照してください。
作成
構文
説明
は、maov
= manova(tbl
,ResponseVarNames
)tbl
の変数を因子および応答変数として使用します。引数 ResponseVarNames
で、応答データが格納された変数を指定します。
は、ウィルキンソンの表記法で MANOVA モデルを指定します。maov
= manova(tbl
,formula
)formula
の項では、tbl
の変数名のみを使用します。
では、前の構文におけるいずれかの入力引数の組み合わせに加えて、1 つ以上の名前と値の引数を使用してオプションを指定します。たとえば、計算する検定統計量、カテゴリカルにする因子、MANOVA モデルのタイプを指定できます。 maov
= manova(___,Name=Value
)
入力引数
Y
— 応答データ
数値行列 | 数値ベクトル
応答データ。数値行列または数値ベクトルとして指定します。Y
の各列は個々の応答変数に対応します。manova
に入力引数 factors
または tbl
を渡して因子の値も指定する必要があります。manova
は因子の値を応答データに行インデックスで割り当てるため、Y
は因子の値を格納する入力引数と同じ行数でなければなりません。
次の例は、1 因子 MANOVA について、manova
が因子の値を応答データにどのように割り当てるかを示しています。
この例では、g に因子の値、y に応答データが格納されており、 は i 番目の観測値についての応答データの行ベクトルです。R は応答変数の数です。
次の例は、3 因子 MANOVA について、manova
が因子の値を応答データにどのように割り当てるかを示しています。
この例では、g1、g2、g3 に 3 つの因子の値が格納されています。
メモ
関数 manova
は、Y
の NaN
値、<undefined>
値、空の文字、空の string を無視します。factors
または tbl
に NaN
値、<undefined>
値、空の文字、空の string が格納されている場合、関数は Y
の対応する観測値を無視します。
データ型: single
| double
factors
— 因子と因子の値
数値ベクトル | logical ベクトル | categorical ベクトル | string ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列 | 数値行列
MANOVA の因子と因子の値。数値ベクトル、logical ベクトル、categorical ベクトル、string ベクトル、文字ベクトルの cell 配列、または数値行列として指定します。因子と因子の値は、それぞれグループ化変数およびグループ名と呼ばれることもあります。
1 因子 MANOVA の場合、factors
は、各要素が Y
の同じ行にある応答データの因子の値を表す列ベクトルまたはベクトルの cell 配列です。2 因子 MANOVA または多因子 MANOVA の場合、factors
は、各列が異なる因子に対応する数値行列です。factors
の各行に Y
の同じ行にある観測値についての因子の値が格納されます。factors
と Y
の行数は同じでなければなりません。
次の例は、1 因子 MANOVA について、manova
が因子の値を応答データにどのように割り当てるかを示しています。
この例では、g は因子の値を格納するベクトル、y は応答データの行列、 は i 番目の観測値についての応答データの行ベクトルです。R は応答変数の数です。
次の例は、3 因子 MANOVA について、manova
が因子の値を応答データにどのように割り当てるかを示しています。
この例では、g1、g2、g3 は 3 つの因子の値を格納する数値行列の列です。
メモ
factors
または tbl
に NaN
値、<undefined>
値、空の文字、空の string が格納されている場合、関数 manova
は Y
の対応する観測値を無視します。
例: [1,2,1,3,1,...,3,1]
例: ["white","red","white",...,"black","red"]
例: stats=[height,age]; manova(stats,Y)
;
データ型: single
| double
| logical
| categorical
| string
| cell
tbl
— 因子、因子の値、および応答データ
テーブル
因子、因子の値、および応答データ。table として指定します。tbl
の変数には、数値ベクトル、logical ベクトル、categorical ベクトル、string 要素、または文字の cell 配列を格納できます。tbl
を指定する場合、応答データ Y
、ResponseVarNames
、または formula
も指定しなければなりません。
Y
で応答データを指定する場合、table 変数は MANOVA の因子のみを表します。tbl
の変数の因子の値は、同じ行インデックスにある応答データY
に対応します。tbl
の行数はY
の長さと同じでなければなりません。Y
を指定しない場合は、入力引数ResponseVarNames
またはformula
を使用して、tbl
のどの変数に応答データが格納されているかを示さなければなりません。名前と値の引数FactorNames
を設定して、MANOVA で使用するtbl
の因子のサブセットを選択することもできます。関数manova
は、tbl
の因子変数の値を同じ行の応答データに関連付けます。
メモ
factors
または tbl
に NaN
値、<undefined>
値、空の文字、空の string が格納されている場合、関数 manova
は Y
の対応する観測値を無視します。
例: mountain=table(altitude,temperature,soilpH,iron); manova(mountain,["soilpH" "iron"])
データ型: table
ResponseVarNames
— 応答変数の名前
string ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列
応答変数の名前。string ベクトルまたは文字ベクトルの cell 配列として指定します。ResponseVarNames
は、tbl
のどの変数に応答データが格納されているかを示します。ResponseVarNames
を指定する場合、入力引数 tbl
も指定しなければなりません。ResponseVarNames
の変数の名前は、tbl
に含まれる変数の名前でなければなりません。
例: "r"
データ型: char
| string
| cell
formula
— MANOVA モデル
string スカラー | 文字ベクトル
MANOVA モデル。ウィルキンソンの表記法による string スカラーまたは文字ベクトルとして指定します。formula
を指定する場合、tbl
も指定しなければなりません。formula
の項は、tbl
に含まれる変数の名前でなければなりません。
例: "r1-r3 ~ f1 + f1:f2:f3"
データ型: char
| string
オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。ここで Name
は引数名、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。
例: manova(factors,Y,CategoricalFactors=[1 2],FactorNames=["school" "major" "age"],ResponseNames=["GPA" "StartYear" "GraduationYear"])
は、factors
の最初の 2 つの因子をカテゴリカルとして指定し、因子の名前を "school"
、"major"
、および "age"
と指定し、応答変数の名前を "GPA"
、"StartYear"
、および "GraduationYear"
と指定します。
CategoricalFactors
— カテゴリカルとして扱う因子
"all"
(既定値) | 数値ベクトル | logical ベクトル | string ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列
カテゴリカルとして扱う因子。数値ベクトル、logical ベクトル、string ベクトル、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。CategoricalFactors
が既定値の "all"
に設定されている場合、関数 manova
はすべての因子をカテゴリカルとして扱います。
CategoricalFactors
は次のいずれかとして指定します。
1 から N までのインデックスを使用する数値ベクトル。ここで、N は因子変数の数です。関数
manova
は、CategoricalFactors
のインデックスをもつ因子をカテゴリカルとして扱います。因子のインデックスは、tbl
の列における順序です。長さ N の logical ベクトル。
true
というエントリは、対応する因子がカテゴリカルであることを意味します。tbl
またはFactorNames
に含まれる名前と一致する因子の名前の string ベクトル。
例: CategoricalFactors=["Location" "Smoker"]
例: CategoricalFactors=[1 3 4]
データ型: single
| double
| logical
| char
| string
| cell
FactorNames
— 因子の名前
string ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列
因子の名前。string ベクトルまたは文字ベクトルの cell 配列として指定します。
manova
の呼び出しでtbl
を指定する場合、FactorNames
はtbl
の table 変数のサブセットでなければなりません。manova
は、FactorNames
で指定された因子のみを使用します。この場合、FactorNames
の既定値はtbl
の因子変数の名前のコレクションです。manova
の呼び出しでfactors
を指定する場合、FactorNames
に任意の名前を指定できます。この場合、FactorNames
の既定値は["Factor1","Factor2",…,"FactorN"]
です。ここで、N は因子の数です。
formula
を指定した場合、manova
は FactorNames
を無視します。
例: FactorNames=["time","latitude"]
データ型: char
| string
| cell
ModelSpecification
— 当てはめる MANOVA モデルのタイプ
"linear"
(既定値) | "interactions"
| "purequadratic"
| "quadratic"
| "polyIJK"
| "full"
| 整数 | string スカラー | 文字ベクトル | 項の行列
当てはめる MANOVA モデルのタイプ。次の表のいずれかのオプションか、整数、string スカラー、文字ベクトル、または項の行列として指定します。ModelSpecification
の既定値は "linear"
です。
オプション | MANOVA モデルに含まれる項 |
---|---|
"linear" (既定の設定) | 主効果 (線形) 項 |
"interactions" | 主効果とペア単位の交互作用項 |
"purequadratic" | 主効果と 2 次主効果。このオプションを使用するには、すべての因子が連続でなければなりません。すべての因子を連続として指定するには CategoricalFactors = [] を設定します。 |
"quadratic" | 主効果、2 次主効果、およびペア単位の交互作用項。このオプションを使用するには、すべての因子が連続でなければなりません。 |
"polyIJK" | 1 番目の因子は次数 I まで、2 番目の因子は次数 J までの多項式の項。それ以降も同様です。交互作用項の次数が主要項の最大指数を超えることはありません。各因子の次数を指定する必要があります。 |
"full" | 主効果とすべての交互作用項 |
k 水準までのすべての主効果と交互作用項を含めるには、ModelSpecification
を k
と等しく設定します。ModelSpecification
が整数の場合、MANOVA モデルにおける交互作用項の最大水準は ModelSpecification
と因子数のうちの小さい方になります。
formula
を指定した場合、manova
は ModelSpecification
を無視します。
また、次のいずれかを使用して MANOVA モデルの項を指定できます。
因子ごとに 1 つの列をもつ二項行列または単項行列 T。MANOVA モデルの各項は T の行に対応する積です。行要素は対応する因子の指数です。たとえば、
T(i,:) = [1 2 1]
は、項i
が であることを意味します。関数manova
では、MANOVA モデルの定数項は自動的に含まれるため、項の行列にゼロの行を含める必要はありません。1 つ以上の項を表す、ウィルキンソンの表記法による文字ベクトルまたは string スカラー式。式で使用する名前は、
FactorNames
またはResponseNames
に格納されている名前か、table 変数名 (tbl
を指定した場合) でなければなりません。
例: ModelSpecification="poly3212"
例: ModelSpecification=3
例: ModelSpecification="r1-r3 ~ c1*c2"
例: ModelSpecification=[0 0 0;1 0 0;0 1 0;0 0 1]
データ型: single
| double
| char
| string
ResponseNames
— 応答変数の名前
1 行 R 列の string ベクトル | 1 行 R 列の文字ベクトルの cell 配列
応答変数の名前。1 行 R 列の string ベクトルまたは 1 行 R 列の文字ベクトルの cell 配列として指定します。ここで、R は応答変数の数です。ResponseVarNames
または formula
を指定した場合、manova
は ResponseNames
を無視します。
例: ResponseNames=["soilpH" "plantHeight"]
データ型: char
| string
| cell
TestStatistic
— MANOVA 検定統計量
"pillai"
(既定値) | "all"
| "hotelling"
| "wilks"
| "roy"
MANOVA 検定統計量。"all"
または次の 1 つ以上の値として指定します。
値 | 検定名 | 式 |
---|---|---|
"pillai" (既定の設定) | ピライのトレース | ここで、θi の値は特性方程式 Qh - θ(Qh + Qe) = 0 の解です。Qh と Qe は、それぞれ仮説と残差二乗和の積の行列です。 |
"hotelling" | ホテリング・ローリーのトレース | ここで、λi は特性方程式 |Qh - λQe| = 0 の解です。 |
"wilks" | ウィルクスのラムダ | |
"roy" | ロイの最大根統計量 | |
TestStatistic
を "all"
として指定すると、manova
は上記の表のすべての検定統計量を計算します。
例: TestStatistic=["pillai" "roy"]
データ型: char
| string
| cell
プロパティ
CategoricalFactors
— カテゴリカル因子のインデックス
数値ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
カテゴリカル因子のインデックス。数値ベクトルとして指定します。このプロパティは、名前と値の引数 CategoricalFactors
で設定されます。
データ型: double
Coefficients
— 当てはめられる MANOVA モデルの係数
数値行列
この プロパティ は読み取り専用です。
当てはめられる MANOVA モデルの係数。数値行列として指定します。行列の各列は異なる応答変数に対応し、各行は MANOVA モデルの異なる項に対応します。
maov
オブジェクトの各カテゴリカル因子について、manova
は 1 つの因子の値を参照値として予約します。その後、manova
は各カテゴリカル因子を F – 1 個のダミー変数に展開します。ここで、F は因子の値の数です。各ダミー変数が MANOVA の実行時に異なる係数を使用して当てはめられます。因子の値に対応するダミー変数は、観測値に同じ因子の値が割り当てられる場合は 1
、参照値の因子の値が割り当てられる場合は -1
、それ以外の場合は 0
になります。詳細については、エフェクト コーディングで作成されたダミー変数を参照してください。
連続する因子の係数は、すべての因子の値で一定になります。
データ型: single
| double
DFE
— 誤差に対する自由度
正の整数
この プロパティ は読み取り専用です。
誤差 (残差) の自由度。推定された係数の個数を観測値の個数から減算した値に等しくなります。正の整数を指定します。
データ型: double
ExpandedFactorNames
— 係数の名前
string ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
係数の名前。string ベクトルとして指定します。関数 manova
は、各カテゴリカル因子を F – 1 個のダミー変数に展開します。ここで、F は因子の値の数です。ベクトル ExpandedFactorNames
に各ダミー変数の名前が格納されます。詳細については、Coefficients を参照してください。
データ型: string
Factors
— 因子の名前と値
テーブル
この プロパティ は読み取り専用です。
MANOVA モデルの当てはめに使用される因子の名前と値。table として指定します。table 変数の名前が因子の名前で、それぞれの変数に対応する因子の値が格納されます。モデルの当てはめに使用される因子が table として与えられていない場合、manova
はそれらを因子ごとに 1 つの列をもつ table に変換します。
このプロパティは、入力引数 tbl
、または因子の入力引数と名前と値の引数 FactorNames
の組み合わせで設定されます。
データ型: table
FactorNames
— 因子の名前
string ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
MANOVA モデルの当てはめに使用される因子の名前。string ベクトルとして指定します。このプロパティは、入力引数 tbl
または名前と値の引数 FactorNames
で設定されます。
データ型: string
Formula
— MANOVA モデル
MultivariateLinearFormula
オブジェクト
この プロパティ は読み取り専用です。
MANOVA モデル。MultivariateLinearFormula
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、入力引数 formula
または名前と値の引数 ModelSpecification
で設定されます。
ResponseCovariance
— 推定共分散行列
double 行列 | single 行列
この プロパティ は読み取り専用です。
応答変数の推定共分散行列。double 行列または single 行列として指定します。共分散行列の詳細については、共分散を参照してください。
データ型: single
| double
ResponseNames
— 応答変数の名前
string ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
応答変数の名前。string ベクトルとして指定します。このプロパティは、入力引数 ResponseVarNames
または名前と値の引数 ResponseNames
で設定されます。
データ型: string
TestStatistic
— 検定統計量
string ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
MANOVA の実行に使用される検定統計量。string ベクトルとして指定します。このプロパティは、名前と値の引数 TestStatistic
で設定されます。
データ型: string
Y
— 応答データ
数値ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
MANOVA モデルの当てはめに使用される応答データ。数値ベクトルとして指定します。このプロパティは、入力引数 Y
、または入力引数 tbl
と入力引数 ResponseVarNames
の組み合わせで設定されます。
データ型: single
| double
オブジェクト関数
barttest | Bartlett's test for multivariate analysis of variance (MANOVA) |
boxchart | Box chart (box plot) for multivariate analysis of variance (MANOVA) |
canonvars | Canonical variables |
coeftest | Linear hypothesis test on MANOVA model coefficients |
groupmeans | Mean response estimates for multivariate analysis of variance (MANOVA) |
multcompare | Multiple comparison of marginal means for multiple analysis of variance (MANOVA) |
plotprofile | Plot MANOVA response variable means with grouping |
stats | Multivariate analysis of variance (MANOVA) table |
例
1 因子 MANOVA の実行
fisheriris
データ セットを読み込みます。
load fisheriris
列ベクトル species
には、3 種類のアヤメの種 (setosa、versicolor、virginica) が格納されています。行列 meas
には、花に関する 4 種類の測定値、がく片の長さと幅 (cm) と花弁の長さと幅 (cm) が格納されています。
1 因子 MANOVA を実行して、4 つの測定値の平均のベクトルが 3 つの花の種のいずれでも同じであるという帰無仮説を検定します。
maov = manova(species,meas)
maov = 1-way manova Y1,Y2,Y3,Y4 ~ 1 + Factor1 Source DF TestStatistic Value F DFNumerator DFDenominator pValue _______ ___ _____________ ______ ______ ___________ _____________ __________ Factor1 2 pillai 1.1919 53.466 8 290 9.7422e-53 Error 147 Total 149 Properties, Methods
maov
は 1 因子 MANOVA の結果を格納する 1 因子 manova
オブジェクトです。MANOVA モデルの式と MANOVA 表が出力に表示されます。この式では、花の測定値が項 Y1
、Y2
、Y3
、Y4
で表されています。Factor1
は花の種を表します。MANOVA 表には、ピライのトレースの検定統計量についての "p" 値が含まれています。この "p" 値は、帰無仮説を 95% の信頼水準で棄却できるだけの十分な証拠があり、アヤメの種類が 4 つの測定値の少なくとも 1 つに影響することを示しています。
2 因子 MANOVA のバートレット検定の実行
carsmall
データ セットを読み込みます。
load carsmall
変数 Model_Year
には自動車が製造された年のデータが格納され、変数 Cylinders
には自動車のエンジンの気筒数のデータが格納されています。変数 Acceleration
および Displacement
には、自動車の加速度と排気量のデータが格納されています。
関数table
を使用して、Model_Year
と Cylinders
のデータから因子の値の table を作成します。
tbl = table(Model_Year,Cylinders,VariableNames=["Year" "Cylinders"]);
Acceleration
と Displacement
から応答変数の行列を作成します。
y = [Acceleration Displacement];
tbl
の因子の値と y
の応答変数を使用して 2 因子 MANOVA を実行します。
maov = manova(tbl,y)
maov = 2-way manova Y1,Y2 ~ 1 + Year + Cylinders Source DF TestStatistic Value F DFNumerator DFDenominator pValue _________ __ _____________ ________ ______ ___________ _____________ __________ Year 2 pillai 0.084893 2.1056 4 190 0.081708 Cylinders 2 pillai 0.94174 42.27 4 190 2.5049e-25 Error 95 Total 99 Properties, Methods
maov
は 2 因子 MANOVA の結果を格納する 2 因子 manova
オブジェクトです。MANOVA モデルの式と MANOVA 表が出力に表示されます。この式では、自動車の加速度と排気量が変数 Y1
と Y2
でそれぞれ表されています。MANOVA 表で、MANOVA モデルの Cylinders
の項に対応する "p" 値が小さくなっています。この小さい "p" 値は、95% の信頼水準で Cylinders
が平均応答ベクトルに統計的に有意な影響を与えると結論付けるだけの十分な証拠があることを示しています。Year
の "p" 値は 0.05 より大きく、95% の信頼水準で Year
が平均応答ベクトルに統計的に有意な影響を与えると結論付けるだけの十分な証拠がないことを示しています。
関数barttest
を使用して、因子 Year
に対応する平均応答ベクトルの範囲に含まれる空間の次元を調べます。
barttest(maov,"Year")
ans = 0
出力から Year
に対応する平均応答ベクトルの範囲は点になり、それぞれの間に統計的な差はないことがわかります。この結果は、Year
の "p" 値が大きいことと整合します。
2 因子 MANOVA の周辺平均の取得
patients
データ セットを読み込みます。
load patients
変数 Systolic
および Diastolic
には、患者の拡張期および収縮期の血圧のデータが格納されています。変数 Smoker
および SelfAssessedHealthStatus
には、患者の喫煙状況と健康状態の自己評価のデータが格納されています。
関数table
を使用して、Systolic
、Diastolic
、Smoker
、および SelfAssessedHealthStatus
のデータから因子の値の table を作成します。
tbl = table(Systolic,Diastolic,Smoker,SelfAssessedHealthStatus,VariableNames=["Systolic" "Diastolic" "Smoker" "SelfAssessed"]);
2 因子 MANOVA を実行して、喫煙状況は拡張期および収縮期の血圧に統計的に有意な影響を与えないという帰無仮説と、健康状態の自己評価は拡張期および収縮期の血圧に影響を与えないという帰無仮説を検定します。
maov = manova(tbl,["Systolic" "Diastolic"])
maov = 2-way manova Systolic,Diastolic ~ 1 + Smoker + SelfAssessed Source DF TestStatistic Value F DFNumerator DFDenominator pValue ____________ __ _____________ ________ _______ ___________ _____________ __________ Smoker 1 pillai 0.67917 99.494 2 94 6.2384e-24 SelfAssessed 3 pillai 0.053808 0.87552 6 190 0.51392 Error 95 Total 99 Properties, Methods
maov
は 2 因子 MANOVA の結果を格納する manova
オブジェクトです。MANOVA モデルの Smoker
の項の "p" 値が小さく、Smoker
の因子の値によって平均応答ベクトルが統計的に異なると結論付けるだけの十分な証拠があることを示しています。一方、SelfAssessed
の項の "p" 値は大きく、SelfAssessed
のいずれの値でも平均応答ベクトルが統計的に同じであるという帰無仮説を棄却するだけの十分な証拠がないことを示しています。
因子 Smoker
の値の周辺平均を計算します。
groupmeans(maov,"Smoker")
ans=2×5 table
Smoker Mean SE Lower Upper
______ ______ _______ ______ ______
false 99.203 0.45685 98.296 100.11
true 109.45 0.62574 108.21 110.7
出力から、非喫煙者の周辺平均の方が喫煙者の周辺平均より低いことがわかります。
交互作用をもつ 3 因子 MANOVA の実行
patients
データ セットを読み込みます。
load patients
変数 Systolic
および Diastolic
には、患者の拡張期および収縮期の血圧のデータが格納されています。変数 Weight
、Height
、および Smoker
には、患者の体重、身長、および喫煙状況のデータが格納されています。
関数table
を使用して、Systolic
、Diastolic
、Weight
、Height
、および Smoker
のデータから因子の値の table を作成します。
tbl = table(Systolic,Diastolic,Smoker,Weight,Height,VariableNames=["Systolic" "Diastolic" "Smoker" "Weight" "Height"]);
3 因子 MANOVA を実行して、喫煙状況は拡張期および収縮期の血圧に統計的に有意な影響を与えないという帰無仮説と、体重と身長の間の交互作用は拡張期および収縮期の血圧に統計的に有意な影響を与えないという帰無仮説を検定します。
maov = manova(tbl,"Systolic,Diastolic ~ Smoker + Weight*Height",CategoricalFactors=["Smoker"])
maov = N-way manova Systolic,Diastolic ~ 1 + Smoker + Weight*Height Source DF TestStatistic Value F DFNumerator DFDenominator pValue _____________ __ _____________ ________ _______ ___________ _____________ __________ Smoker 1 pillai 0.66141 91.809 2 94 7.8511e-23 Weight 1 pillai 0.020516 0.98446 2 94 0.37746 Height 1 pillai 0.012788 0.6088 2 94 0.54613 Weight:Height 1 pillai 0.019438 0.93169 2 94 0.39749 Error 95 Total 99 Properties, Methods
maov
は 3 因子 MANOVA の結果を格納する manova
オブジェクトです。MANOVA モデルの Smoker
の項の "p" 値が小さく、Smoker
の因子の値によって平均応答ベクトルが統計的に異なると結論付けるだけの十分な証拠があることを示しています。一方、Weight:Height
の項の "p" 値は大きく、体重と身長の値のいずれの組み合わせでも平均応答ベクトルに統計的な差はないという帰無仮説を棄却するだけの十分な証拠がないことを示しています。
Smoker
の値の平均のプロファイル プロットを表示します。
plotprofile(maov,"Smoker")
legend
プロットから、非喫煙者よりも喫煙者の方が拡張期および収縮期の血圧の平均値が高いことがわかります。
詳細
共分散
共分散は、2 つの確率変数ベクトル A および B について次のように定義されます。
N は各列の長さ、μA および μB はそれぞれ A および B の平均値であり、*
は複素共役を表します。
2 つの確率変数の共分散行列は、次のような各変数間のペアワイズ共分散の計算値の行列です。
観測値から構成される確率変数が各列にある行列 X に対する共分散行列は、各列の組み合わせに対するペアワイズ共分散の計算値です。つまり、 です。
代替機能
関数 manova1
は、オブジェクト関数 barttest
の出力と manova
オブジェクトのプロパティのサブセットを返します。manova1
は 1 因子 MANOVA に制限されます。
参照
[1] Krzanowski, Wojtek. J. Principles of Multivariate Analysis: A User's Perspective. New York: Oxford University Press, 1988.
[2] Morrison, Donald F. Multivariate Statistical Methods. 2nd ed, McGraw-Hill, 1976.
バージョン履歴
R2023b で導入
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