Main Content

PMSM Torque Estimator

永久磁石同期機のトルクを推定する

  • PMSM Torque Estimator block

ライブラリ:
Simscape / Electrical / Control / PMSM Control

説明

PMSM Torque Estimator ブロックは、永久磁石同期機 (PMSM) のトルク推定器を実装します。

このブロックを使用して、モーターの機械トルクが直接測定可能でない場合にその機械トルクを推定します。このブロックは、既知のマシン パラメーターおよび dq0 基準座標系での測定された相電流ベクトルを使用してトルクを推定します。

Park Transform ブロックを使用して、abc 基準座標系での測定された相電流ベクトルを dq0 基準座標系に変換します。

方程式

このブロックは、d-q 回転子基準座標系で次のトルク方程式を使用して PMSM の機械トルク Te を推定します。

Te=3p2(ψmiq+(LdLq)idiq),

ここで、

  • p は PMSM の極対数です。

  • ψm は永久磁石の鎖交磁束です。

  • Ld および Lq は、PMSM の d 軸および q 軸のインダクタンスです。

  • id および iq は、PMSM の d 軸および q 軸の電流です。

実際には、マシン パラメーターは定数ではなく、物理的な現象に左右されます。これらのパラメーターは単に定数として定義するか、現実に即して、ルックアップ テーブルを使用して電流の関数として定義できます。

仮定

マシン パラメーターは既知です。

48 V 始動発電機のエネルギー バランス

48 V 始動発電機のエネルギー バランス

この例では、単純化された 48 V の車載システムにおいて始動機/発電機として使用される埋込永久磁石同期機 (IPMSM) を説明します。このシステムには、48 V の電気回路網と 12 V の電気回路網が含まれています。内燃エンジン (ICE) は、基本的な機械ブロックで表されます。IPMSM は、ICE がアイドリング速度に達するまでモーターとして動作し、その後は発電機として動作します。IPMSM は、R3 の電力消費源を含む 48 V 回路網に電力を供給します。48 V 回路網は次の 2 つの消費源を含む 12 V 回路網に電力を供給します。R1 および R2。合計シミュレーション時間 (t) は 0.5 秒です。t = 0.05 秒で ICE が始動します。t = 0.1 秒で R3 がオンになります。t = 0.3 秒で R2 がオンになり、12 V 電気回路網の負荷が増加します。EM Controller サブシステムには、外側の電圧制御ループと内側の 2 つの電流制御ループをもつ、マルチレートの PI ベース カスケード制御構造が含まれています。Control サブシステムのタスク スケジューリングは、Stateflow® のステート マシンとして実装されます。DCDC Controller サブシステムは、12 V 回路網に電力を供給する DC-DC 降圧コンバーター用の単純な PI コントローラーを実装します。Scopes サブシステムには、シミュレーション結果を確認できるスコープが含まれています。

端子

入力

すべて展開する

PMSM の固定子の直流電流および無効電流 (A)。

データ型: single | double

出力

すべて展開する

PMSM の推定機械トルク値 (N*m)。

データ型: single | double

パラメーター

すべて展開する

マシン パラメーターのタイプを指定します。これは、定数値または表形式データのいずれかの形式にすることができます。

回転子の永久磁石の極対数。

パラメーターを特定するためにルックアップ テーブルで使用する直軸電流ベクトル。

パラメーターを特定するためにルックアップ テーブルで使用する横軸電流ベクトル。

ルックアップ テーブル データとして使用する Ld 行列。

ルックアップ テーブル データとして使用する Lq 行列。

ルックアップ テーブルで使用する永久磁石の鎖交磁束の行列。

直軸インダクタンス。

横軸インダクタンス。

永久磁石のピーク鎖交磁束。

ブロックのサンプル時間 (継承は -1)。Triggered Subsystem 内でこのブロックを使用する場合は、サンプル時間を -1 に設定します。このブロックを連続可変ステップ モデル内で使用する場合は、サンプル時間を明示的に設定します。

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2017b で導入