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PMSM Field-Oriented Control

永久磁石同期機のベクトル制御

  • PMSM Field-Oriented Control block

ライブラリ:
Simscape / Electrical / Control / PMSM Control

説明

PMSM Field-Oriented Control ブロックは、永久磁石同期機 (PMSM) のベクトル制御構造を実装します。ベクトル制御 (FOC) は、定常相電流を回転座標系に変換してトルクと磁束を分離する高パフォーマンスな AC モーターの制御手法です。FOC は、回転子の速度と位置が既知であり、用途で以下が必要な場合に使用します。

  • 起動時の高トルクと低電流。

  • 高効率。

方程式

PMSM FOC 構造は、回転子 d-q 基準座標系を使用してトルクと磁束を分離します。次のブロック線図は、ブロックの全体的なアーキテクチャを示しています。

このブロック線図では、以下のようになります。

  • ω と ωref はそれぞれ、測定角速度と基準角速度です。

  • Tref は基準電磁トルクです。

  • i と v は固定子の電流と電圧で、下付き文字 d および q は "d" 軸と "q" 軸を表し、下付き文字 a、b、および c は 3 本の固定子巻線を表します。

  • θe は回転子の電気角です。

  • G はゲート パルスで、下付き文字 H および L は高と低を表し、下付き文字 a、b、および c は 3 本の固定子巻線を表します。

[コントロール モード] パラメーターで速度制御またはトルク制御を実装するよう選択できます。ブロックは、ブロック線図に示すとおり正確に速度制御を実装します。ブロックは、Velocity Controller ブロックを削除して基準トルクを直接受け入れることでトルク制御を実装します。

仮定

マシン パラメーターは既知です。

制限

制御構造は単一のサンプル レートで実装されます。

端子

入力

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システム基準。選択したコントロール モードに応じてトルク基準 (N*m) または速度基準 (rad/s) として指定します。

データ型: single | double

測定された固定子相電流 (A)。

データ型: single | double

回転子の測定された機械角速度 (rad/s)。

データ型: single | double

回転子の測定された機械的角度 (rad)。

データ型: single | double

測定された DC リンク電圧 (V)。

データ型: single | double

出力

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接続された電力コンバーターでのスイッチング動作を決定する 6 パルス波形。

データ型: single | double

次のような可視化のための信号を含むバス:

  • Reference

  • wElectrical

  • iabc

  • theta

  • Vdc

  • PwmEnable

  • TqRef

  • TqLim

  • idqRef

  • idq

  • vdqRef

  • modWave

データ型: single | double

パラメーター

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一般

コントローラーの基準値について、Y 巻線またはデルタ巻線のパラメーター化を指定します。

トルク制御手法または速度制御手法を指定します。

電源のノミナル DC リンク電圧 (V)。

マシンの最大出力 (W)。

マシンの最大トルク (N*m)。

回転子の永久磁石の極対数。

電力インバーターを有効にするための電圧しきい値 (V)。

ブロックの基本サンプル時間 (s)。

制御システムのサンプル時間 (s)。

外部ループ

制御手法のタイプを指定します。

PI コントローラーの比例ゲイン。

PI コントローラーの積分ゲイン。

P コントローラーの比例ゲイン。

PI コントローラーのアンチワインドアップ ゲイン。

電流指令値手法を選択します。

電流指令値を特定するためにルックアップ テーブルで使用する速度ベクトル (rpm)。

電流指令値を特定するためにルックアップ テーブルで使用するトルク ベクトル (N*m)。

電流指令値を特定するためにルックアップ テーブルで使用する DC リンク電圧ベクトル (V)。

直軸電流指令値のルックアップ データ (A)。

横軸電流指令値のルックアップ データ (A)。

電流指令値を生成するための最大許容相電圧の計算に使用する係数を指定します。

依存関係

このパラメーターは、[電流指令値][自動生成されたルックアップ テーブル] に設定されている場合にのみ表示されます。

永久磁石のピーク鎖交磁束 (Wb)。

直軸インダクタンス (H)。

横軸インダクタンス (H)。

固定子の相あたりの抵抗 (Ohm)。

内部ループ

直軸電流制御に使用する PI コントローラーの比例ゲイン。

直軸電流制御に使用する PI コントローラーの積分ゲイン。

直軸電流制御に使用する PI コントローラーのアンチワインドアップ ゲイン。

横軸電流制御に使用する PI コントローラーの比例ゲイン。

横軸電流制御に使用する PI コントローラーの積分ゲイン。

横軸電流制御に使用する PI コントローラーのアンチワインドアップ ゲイン。

ブロックが電圧を制限する際に "d" 軸を優先するか、"q" 軸を優先するか、その比率を維持します。

フィードフォワード パスで零点相殺を有効または無効にします。

プリ制御電圧を有効または無効にします。

マシンをパラメーター化する方法を指定します。

  • 定数パラメーター — シミュレーション全体を通じて一定のマシン パラメーターを指定します。

  • ルックアップ テーブル ベースのパラメーター — マシン パラメーターを電流によって決まるルックアップ テーブルとして指定します。

フィードフォワード プリ制御の直軸インダクタンス (H)。

フィードフォワード プリ制御の横軸インダクタンス (H)。

フィードフォワード プリ制御の永久磁石の鎖交磁束 (H)。

パラメーターを特定するためにルックアップ テーブルで使用する直軸電流ベクトル (A)。定数マシン パラメーターの場合は、既定の設定を変更しないでください。

パラメーターを特定するためにルックアップ テーブルで使用する横軸電流ベクトル (A)。定数マシン パラメーターの場合は、既定の設定を変更しないでください。

ルックアップ テーブル データとして使用される Ld 行列 (H)。定数マシン パラメーターの場合は、定数係数のみを変更してください (例: Ld * ones(3, 3))。

ルックアップ テーブル データとして使用される Lq 行列 (H)。定数マシン パラメーターの場合は、定数係数のみを変更してください (例: Lq * ones(3, 3))。

ルックアップ テーブルで使用する永久磁石の鎖交磁束の行列 (Wb)。定数マシン パラメーターの場合は、定数係数のみを変更してください (例: psim * ones(3, 3))。

PWM

波形の手法を指定します。

波が交差したとき、搬送波が一方の境界条件に達したとき、搬送波が両方の境界条件に達したときのいずれの時点でブロックが変調波形をサンプリングするかを指定します。

電力コンバーター内のスイッチを切り替えるレートを指定します。

参照

[1] Bernardes, T., V. F. Montagner, H. A. Gründling, and H. Pinheiro. "Discrete-time sliding mode observer for sensorless vector control of permanent magnet synchronous machine." IEEE Transactions on Industrial Electronics. Vol. 61, Number 4, 2014, pp. 1679–1691.

[2] Carpiuc, S., and C. Lazar. "Fast real-time constrained predictive current control in permanent magnet synchronous machine-based automotive traction drives." IEEE Transactions on Transportation Electrification. Vol.1, Number 4, 2015, pp. 326–335.

[3] Haque, M. E., L. Zhong, and M. F. Rahman. "Improved trajectory control for an interior permanent magnet synchronous motor drive with extended operating limit." Journal of Electrical & Electronics Engineering. Vol. 22, Number 1, 2003, p. 49.

[4] Yang, N., G. Luo, W. Liu, and K. Wang. "Interior permanent magnet synchronous motor control for electric vehicle using look-up table." In 7th International Power Electronics and Motion Control Conference. Vol. 2, 2012, pp. 1015–1019.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2017b で導入