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IGBT 熱損失の定量化

この例では、スイッチング損失と伝導損失に基づき、絶縁ゲート バイポーラ トランジスタ (IGBT) 上の温度プロファイルの生成を示します。降圧コンバーターが 2 つあります。1 つのコンバーターでは、IGBT が Foster 熱モデルに連結されます。もう 1 つのコンバーターでは、IGBT が Cauer 熱モデルに連結されます。それぞれの熱モデルのパラメーターは、結果がほぼ同等になるように調整されます。シミュレーション時間 50 ms で、駆動周波数が 40 kHz から 20 kHz に変化し、伝導損失が増大してスイッチング損失が減少します。損失が変化すると、それに対応して IGBT の温度も変化します。

モデル

Foster および Cauer の両方の熱ネットワークが、ヒート シンク温度を表す固定の温源に接続しています。意味のある結果を得るには、Foster 熱ネットワークを固定温源に接続する必要があります。ヒート シンクの熱質量と環境への対流をモデル化するために、Cauer モデルをその他の熱ネットワークに接続できます。この例の Cauer モデルは、3 番目の 1 次熱ネットワークに接続しており、最初の 2 つの熱的状態は、IGBT ブロックの内部熱モデルに含まれています。実装されている 3 次 Foster モデルに合わせて 3 次モデルが必要となります。通常、データシートには、Cauer モデルの 2 次接合部とケースのダイナミクスのみが記載されています。

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、Foster 熱モデルと Cauer 熱モデルの両方について、IGBT の温度とエネルギー損失を時間の関数として示しています。電力損失は、エネルギー損失曲線の勾配です。

損失概要の生成

ユーティリティ関数 ee_getPowerLossSummary は、ログ記録されたシミュレーション データから、回路コンポーネントで発生した損失をレポートします。Power 列は伝導損失をレポートし、SwitchingLosses 列は半導体のスイッチング損失をレポートします。

ans =

  12x3 table

                  LoggingNode                   Power     SwitchingLosses
    ________________________________________    ______    _______________

    {'IGBTThermal.Buck_circuit_1.Load'     }    7453.8             0     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_2.Load'     }    7453.8             0     
    {'IGBTThermal.IGBT_C'                  }    15.704        109.64     
    {'IGBTThermal.IGBT_F'                  }    15.703        109.68     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_1.Diode'    }    12.147             0     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_2.Diode'    }    12.147             0     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_1.Capacitor'}         0             0     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_1.Inductor' }         0             0     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_2.Capacitor'}         0             0     
    {'IGBTThermal.Buck_circuit_2.Inductor' }         0             0     
    {'IGBTThermal.Rgate_C'                 }         0             0     
    {'IGBTThermal.Rgate_F'                 }         0             0