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DC6 - 2 象限チョッパー 200 HP DC ドライブ

この例では、速度制御時の DC6 2 象限チョッパー DC ドライブを示します。

C.Semaille, Louis-A. Dessaint (Ecole de technologie superieure, Montreal)

説明

200 HP DC モーターは、一定の 150 V DC 界磁電圧源で個別に励起されます。電機子電圧は 2 つの PI 制御器で制御される IGBT 昇降圧コンバーターにより供給されます。この昇降圧コンバーターには、460 V AC 60 Hz 電圧源の整流により得られた 630 V DC 母線により電力が供給されます。発電ブレーキ モードにおいて DC 母線の電圧を制限するため、ダイオード整流器と DC6 ブロックの間にブレーキ チョッパーが追加されています。

最初の制御器は速度調整器で、その次は電流制御器です。速度調整器は、目的の速度に達するのに必要な電磁トルクを取得するために、電流コントローラーで使用する電機子電流指令値を出力します (p.u. 単位)。速度指令の変化率は、急激な指令値の変化により電機子過電流が発生してシステムが不安定にならないように、加速および減速ランプに従います。電流制御器は、2 つの IGBT デバイスの 5 kHz パルスの適正なデューティ比を計算して電機子電流を制御します (パルス幅変調)。システムが正常に動作するように、2 つの IGBT デバイスには逆の瞬間パルス値が設定されています。これにより、目的の電機子電流を得るために必要な平均電機子電圧が生成されます。電流の振動の振幅を抑えるため、平滑化インダクタンスが電機子回路と直列に接続されます。

シミュレーション

シミュレーションを始める前に、GUI ブロック ([Initial States Setting] ボタンと変数 "Cbus") で母線電圧の初期値を 630 V に設定します。

シミュレーションを開始します。モーター電機子の電圧と電流、2 つの IGBT パルスおよびモーター回転数をスコープで観察できます。電流および速度の指令値も表示されます。

速度指令は t = 0 秒で 400 rpm に設定されています。負荷トルクの初期条件は 814 N.m です。

モーター回転数は指令値ランプ (+250 rpm/s) に正確に追従し、およそ t = 2 秒で定常状態に達します。電機子電流は電流指令値によく従い、応答時間は短くリップルも小さくなっています。電流のリップル周波数は 5 kHz です。

t = 2.1 秒で、負荷トルクは 814 N.m から 100 N.m に推移します。モーター回転数は速やかに回復し、t = 2.75 秒で 400 rpm に戻ります。電流指令値は約 40 A まで低下し、生成される電磁トルクは小さくなって負荷トルクも減少します。前述のとおり、電機子電流は指令値に完全に従います。

t = 2.75 秒で、回転数の指令値は 100 rpm に急下降します。モーターが負の速度ランプに従って減速するように、電機子電流は反転して -160 A まで低下し、ブレーキ電磁トルクが生成されます (発電ブレーキ モード)。これにより、DC 母線電圧が上昇します。ブレーキ チョッパーが電圧の値を制限します。

t = 3.4 秒で、モーター回転数は 100 rpm に達し、電流は 40 A に戻ります。

t = 4 秒で、回転数は指令値の周辺で安定します。

メモ:

1) 電力システムは 1 us のタイム ステップで離散化されています。マイクロコントローラーの制御デバイスのシミュレーションを実行するために、速度コントローラーと電流コントローラーはそれぞれ 100 us および 20 us のサンプリング時間を使用しています。

2) スコープ メモリに格納される点数を減らすため、間引き係数に 25 を使用します。このため、一部の遷移がスコープに表示されない場合があります。詳細なシミュレーション結果を表示するには、間引き係数を 1 に減らします。

3) 平均値コンバーターを使用した簡略版のモデルは、グラフィカル ユーザー インターフェイスの [Model detail level] メニューで [平均値] を選択すると使用できます。この場合、タイム ステップは制御システムのサンプル時間の最小値まで増加させることができます。これを実行するには、この例の場合であれば、ワークスペースで「Ts = 20e-6」と入力します。dc6_example_simplified モデルも参照してください。