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DC3 - 2 象限三相整流器 200 HP DC ドライブ

この例では、トルク制御時における DC3 2 象限三相整流器 DC ドライブを示します。

C.Semaille, Louis-A. Dessaint (Ecole de technologie superieure, Montreal)

説明

この回路では Specialized Power Systems の DC3 ブロックを使用します。これは、200 HP DC モーターの 2 象限三相整流器ドライブをモデル化したものです。

200 HP DC モーターは、一定の 310 V DC 界磁電圧源で個別に励起されます。電機子電圧は 2 つの PI 制御器で制御されている三相整流器より供給されます。整流器には 460 V AC 60 Hz 電圧源から電力が供給されます。

制御器は、サイリスタ整流器の点弧角をコントロールします。最初の制御器は速度調整器で、その次は電流制御器です。現在はトルク制御モードなので速度調整器は無効になっており、電流制御器だけが使用されます。電流制御器はサイリスタの適切な点弧角を計算して電機子電流を制御します。これにより、目的の電機子電流の取得に必要な整流器出力電圧が生成され、目的の電磁トルクが生成されます。

電流コントローラーでは 2 つの入力が使用されます。1 つは電流指令値 (p.u. 単位) です。この電流指令値はユーザーが指定したトルク指令値から計算されます。2 番目の入力は、マシン内を流れる電機子電流です。

電機子電流の振動を抑えるため、15 mH の平滑化インダクタンスが電機子回路と直列に接続されています。

シミュレーション

シミュレーションを開始します。モーター電機子の電圧と電流、整流器の点弧角、電磁トルクおよびモーター回転数をスコープで観察できます。電流とトルクの指令値も表示されます。

モーターは線形負荷と連動しています。つまり、負荷の機械的なトルクは速度に比例します。

初期のトルク指令値は 0 N.m に設定され、電機子電流はゼロになります。電磁トルクは生成されず、モーターは止まったままです。

t = 0.05 秒で、トルク指令値は 800 N.m に急上昇します。これにより、電機子電流は約 305 A に上昇します。電機子電流は指令値に非常に正確に追従します。応答時間は短く、オーバーシュートも小さくなっています。15 mH の平滑化インダクタンスにより、電流の振動はかなり小さく抑えられます。また、点弧角の平均値は 90°未満に留まり、コンバーターは整流器モードとなります。

電機子電流により生成された電磁トルクにより、モーターは加速します。回転数は上昇し、およそ t = 5 秒において約 1450 rpm で安定します。負荷および粘性摩擦トルクの合計が電磁トルクと釣り合い始めるためです。

t = 5 秒で、トルク指令値は 400 N.m に設定され、電機子電流は約 155 A に急降下します。この結果、負荷トルクによりモーターが減速します。

t = 10 秒で、回転数は約 850 rpm で安定し始めます。

メモ:

1) 電力システムは 20 us のタイム ステップで離散化されています。マイクロコントローラーの制御デバイスのシミュレーションを実行するために、制御システム (制御器) は 100 us のタイム ステップを使用しています。

2) スコープ メモリに格納される点数を減らすため、間引き係数に 20 を使用します。

3) 平均値整流器を使用した簡略版のモデルは、グラフィカル ユーザー インターフェイスの [Model detail level] メニューで [平均値] を選択すると使用できます。その後、タイム ステップを制御システムのサンプル時間値まで増加することができます。これを実行するには、この例の場合であれば、ワークスペースで「Ts = 100e-6」と入力します。dc3_example_simplified モデルも参照してください。