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AC5 - 詳細モデルと簡易モデルの比較

この例では、速度制御時の AC5 詳細モデルと AC5 平均モデルを示します。通常の条件とインバーター整流器飽和条件について比較を実行します。

O. Tremblay, L.-A. Dessaint (Ecole de technologie superieure, Montreal)

説明

この回路では、Specialized Power Systems Electric Drives ライブラリの AC5 ブロックを 2 つ使用します。AC5 ブロックは、200 HP モーター用の能動フロントエンド整流器を伴う自己制御同期モーター ドライブをモデル化したものです。

最初の AC5 ブロックは平均値モデルに設定され、2 番目の AC5 ブロックは詳細モデルに設定されます。

詳細モデルでは、同期モーターに、Universal Bridge ブロックを使用して作成された PWM 電圧源インバーターから電力が供給されます。平均値モデルでは、理想的な電圧源と電流源を使用して同期モーターに電力が供給されます。速度制御ループでは PI 制御器を使用して、ベクトル コントローラー ブロックの磁束と電流の基準を生成します。ベクトル コントローラーは、トルク基準に対応するモーターの 3 つの基準線電流を計算し、三相電流制御器を使用してこれらの電流をモーターに供給します。ベクトル コントローラーではまた磁束の推定値を計算し、界磁励磁電圧を生成するために目標値と比較します。

同期機の磁界磁束ダイナミクスは比較的ゆるやかなため、固定子に三相電流を供給する前に磁界磁束をまずノミナル値にすることが推奨されます。この例では、回転子の界磁を速やかに高めるために、シミュレーションの最初の 0.2 秒に 600 V の高い磁化電圧が回転子の界磁に加えられます。磁束がノミナル値の 1.0 ウェーバーに達すると、モーター固定子に関連付けられた三相電流制御器にスイッチが入ります。

モーターの電流、電圧、速度、トルクの信号は、ブロックの出力で使用できます。

シミュレーション

シミュレーションを開始します。モーターの固定子電流、回転子速度、電磁トルクおよび回転子磁束の大きさを、最初のスコープで観察できます。速度指令値およびトルク指令値も表示されます。2 番目のスコープには dq 電流および電圧が表示されます。最後に 3 番目のスコープには、DC 母線電圧、整流器電流およびインバーター電流が表示されます。すべての信号は 2 つのモデルを比較するために多重化されていることに注目してください。

t = 1.5 秒の時点で、速度指令値は 1750 rpm です。速度が加速ランプに正確に追従して増加し、固定子電流の振幅と周波数が徐々に増大することを観察します。

t = 3.0 秒で、モーター回転数がまだ上昇しているときに、-792 N.m の抵抗トルクがモーター シャフトに加えられます。3 番目のスコープで整流器の飽和を観察してください。

t = 3.5 秒で、インバーターは制限された DC 母線電圧のため飽和します。電流追従性の悪化によってモーター トルクが低下する様子が観察されます。

t = 5 秒では、速度指令値は -1750 rpm に変化します。

t = 6 秒で、減速ランプがモーター回転数に達します。インバーターと整流器はノーマル モードへと戻ります。

t = 6.5 秒で、機械的負荷が -792 Nm から 792 Nm に変化します。

t = 9.5 秒で、3 番目のスコープにおいて整流器の飽和が観察されます。

t = 10.5 秒で、インバーターは制限された DC 母線電圧のため飽和します。電流追従性の悪化によってモーター トルクが低下する様子が観察されます。

最後に、詳細モデルと比較して、単純化モデルがどの程度よい適合を示すかに注目してください。

メモ:

平均値モデルでの速度増加を評価するには、ac5_example_simplified を参照し、シミュレーション速度を SelfControlledSynchronousMotorDrive の例と比較してください。