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AC3 - 詳細モデルと簡易モデルの比較

この例では、速度制御時の AC3 詳細モデルと AC3 平均モデルを示します。通常の条件とインバーター飽和条件について比較を行います。

O. Tremblay, L.-A. Dessaint (Ecole de technologie superieure, Montreal)

説明

この回路では、Specialized Power Systems Electric Drives ライブラリの AC3 ブロックを 2 つ使用します。AC3 ブロックは、200 HP AC モーター用のブレーキ チョッパーを伴うベクトル制御 (FOC) 誘導モーター ドライブをモデル化したものです。最初の AC3 ブロックは平均値モデルに設定され、2 番目の AC3 ブロックは詳細モデルに設定されます。

詳細モデルでは、誘導モーターに、Universal Bridge ブロックを使用して作成された PWM 電圧源インバーターから電力が供給されます。平均値モデルでは、理想的な電圧源と電流源を使用して誘導モーターに電力が供給されます。速度制御ループでは PI 制御器を使用して、FOC コントローラーの基準磁束と基準トルクを生成します。FOC コントローラーは、指標となる磁束とトルクに対応するモーターの三相の指令電流を計算し、三相電流制御器を使用してこれらの電流をモーターに供給します。

モーターの電流、電圧、速度、トルクの信号は、ブロックの出力で使用できます。

シミュレーション

シミュレーションを開始します。モーターの固定子電流、回転子速度、電磁トルク、DC 母線電圧および回転子磁束の大きさを、最初のスコープで観察できます。速度指令値およびトルク指令値も表示されます。2 番目のスコープには dq 電流および電圧が表示されます。すべての信号は 2 つのモデルを比較するために多重化されていることに注目してください。

t = 0 秒の時点で、速度指令値は 4000 rpm です。速度が加速ランプに正確に追従していることを観察します。

t = 0.5 秒で、モーター回転数がまだ上昇しているときに、全負荷トルクがモーター シャフトに加えられます。

t = 0.65 秒で、インバーターは制限された DC 母線電圧のため飽和します。電流追従性の悪化によってモーター トルクが低下する様子が観察されます。

t = 1.5 秒では、速度指令値は -4000 rpm に変化します。

t = 2 秒で、減速ランプがモーター回転数に達します。インバーターはノーマル モードへと戻ります。

t = 2.5 秒で、機械的負荷が 792 N.m から -792 N.m に変化します。

t = 3.45 秒で、インバーターは不十分な DC 母線電圧のため飽和します。電流追従性の悪化によってモーター トルクが低下する様子が観察されます。

最後に、平均値モデルの結果は、高周波数信号コンポーネントが平均値コンバーターでは表現されないことを除き、詳細モデルの結果と類似していることに注意してください。

メモ:

平均値モデルでの速度増加を評価するには、ac3_example_simplified を参照し、シミュレーション速度を MotorDriveFieldOrientedControl の例と比較してください。