ドキュメンテーション

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ベスト プラクティス モデリング

グラウンディングのルール

この節では、Simscape™ のブロック線図においてドメイン特有の参照ブロック (Electrical Reference、Mechanical Translational Reference など) を使用するためのガイドラインと、正しいコンフィギュレーションと誤ったコンフィギュレーションの例を紹介します。

参照ブロックをモデルに追加するには、次のルールに従います。

各ドメインには少なくとも 1 つの参照ブロックが必要

物理ネットワークでは、各ドメインに適切なタイプの参照ブロックが少なくとも 1 つ含まれなければなりません。たとえば、次の図に示される電気機械モデルには、Electrical Reference ブロックと Rotational Reference ブロックの両方が所定の回路に接続されています。

各回路には少なくとも 1 つの参照ブロックが必要

ドメイン内のトポロジ的に区別可能な各回路には、少なくとも 1 つの参照ブロックが含まれなければなりません。Ideal Transformer などのブロックは、ネットワークの 2 つの部分をインターフェイス接続しますが、参照ブロックを基準とした信号レベルの情報は伝達しません。次の図には 2 つの独立した電気回路があり、Ideal Transformer ブロックの両側で Electrical Reference ブロックが必要とされます。

次の図の場合、2 次巻線の回路に電気的参照がないため、エラーが発生します。

一方、次の図の場合、抵抗により接地参照を基準とする出力電圧が定義されているため、エラーは発生しません。

1 つの回路内におけるドメイン参照への複数接続

回路内で複数の参照ブロックを使用して、ドメイン参照への複数の接続を定義することができます。

  • すべてのブロックの直に接地される電気量保存端子は Electrical Reference ブロックに接続しなければなりません。

  • フレーム (地面) に堅く固定される並進端子は、いずれも Mechanical Translational Reference ブロックに接続しなければなりません。

  • フレーム (地面) に堅く固定される回転端子は、いずれも Mechanical Rotational Reference ブロックに接続しなければなりません。

  • 大気を参照するブロックの油圧保存端子 (たとえば、油圧ポンプの吸引端子。また、バルブ、シリンダー、パイプラインの戻り端子が大気に直接接続していると考えられる場合は、これらの端子も該当) は、いずれも Hydraulic Reference ブロックに接続しなければなりません。

たとえば、次の図は電気接地への 2 つの独立した接続を正しく示しています。

数値シミュレーションの問題の回避

物理モデリング ブロックのコンフィギュレーションによっては、数値的な問題が発生したり、シミュレーションの速度が低下する場合があります。こうした現象が発生すると、Simscape ソルバーは MATLAB® ワークスペースに警告を表示します。さらに、初期化が失敗した場合は、Simscape エラーが表示されます。

電気回路でこのような動作が発生する一般的な例として、コンデンサと並列に接続されている電圧源、電流源と直列に接続されているインダクター、並列に接続されている電圧源、直列に接続されている電流源などがあげられます。多くの場合、数値的問題の原因はすぐにわかります。たとえば、並列に接続された 2 つの電圧源では電圧が同じ値でなければなりません。さもないと、電圧源を接続している端子は物理量保存端子となりません。実際の回路では、並列電圧源のようなトポロジは可能で、瞬時電圧の小さな差違も寄生直列抵抗により可能となります。

    メモ:    数学的には、これらのトポロジは "インデックス 2 の微分代数方程式" (DAE) になります。この方程式の解を求めるには、拘束方程式の 2 つの微分が必要となります。そのため、可能であればこのようなコンポーネント トポロジは避けた方が数値的にはよくなります。

こうした問題の解決には 2 つのアプローチがあります。最初のアプローチは、回路を同等のより単純な回路に変えることです。2 つの並列な電圧源の例であれば、電圧源の 1 つはそのまま削除できます。2 つの直列接続された電流源の場合も同様で、電流源を削除した箇所を短絡に置き換えることができます。ただし、回路トポロジによっては問題解決につながる同等の単純な回路がない場合もあり、第 2 のアプローチが必要となります。

第 2 のアプローチは、コンポーネントに小さな寄生抵抗を含めることです。Simscape Foundation ライブラリの Capacitor ブロックと Inductor ブロックにはこのような寄生項があるため、静電容量を電圧源と並列に接続したり、インダクターを電流源と直列に接続することができます。回路にこのようなトポロジがない場合は、既定の寄生項を 0 に変更できます。他のブロック (Mutual Inductor ブロックなど) にはこのような寄生項はありません。そのため、相互インダクターの 1 次巻線を電流源と直列に接続する場合は、1 次巻線にまたがる独自の寄生コンダクタンスを導入する必要があります。

寄生抵抗を用いて数値シミュレーションの問題を回避する例

次の図では、比例-積分-微分 (PID) コントローラーの一部として使用できる微分器をモデル化しています。このモデルを開くには、MATLAB コマンド ウィンドウで「ssc_differentiatorssc_differentiator」と入力します。

モデルのシミュレーションを実行すると、出力は、入力正弦波からその導関数を引いたものであることがわかります。

次に、コンデンサ C のブロック ダイアログを開き、直列抵抗を 0 に設定します。ここで、モデルは初期化エラーを送出します。

このエラーの原因は、回路で電圧源とコンデンサが実質的に並列接続されていることです。これは、理想的なオペアンプが V+ = V- を満たしていることによります。ここで、V+V- はそれぞれ非反転入力と反転入力を表します。この例では、回路を同等の単純な回路に置き換えることができず、小さな寄生抵抗を導入する必要があります。

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