line
プリミティブ ラインの作成
説明
line
は、点 (0,0)
から (1,1)
へのラインを、既定のプロパティ設定で描画します。
line(___,
は、1 つ以上の名前と値の引数のペアを使用して、ラインの外観を変更します。たとえば、Name,Value
)'LineWidth',3
はラインの幅を 3
ポイントに設定します。名前と値のペアは他のすべての入力引数の後で指定します。たとえば line('XData',x,'YData',y)
のように名前と値のペアを使用してデータを指定する場合は、ベクトル データを指定しなければなりません。
line(
は、現在の座標軸 (ax
,___)gca
) ではなく、ax
で指定された直交座標軸、極座標軸または地理座標軸にラインを作成します。最初の入力引数として ax
を指定します。
は、作成されたすべてのプリミティブ pl
= line(___)Line
オブジェクトを返します。作成した後で特定の Line
オブジェクトのプロパティを変更するには pl
を使用します。一覧については、Line のプロパティ を参照してください。
例
ベクトル データを使用してラインをプロット
行列データを使用して複数のラインをプロット
x
と y
を行列として指定し、2 本のラインをプロットします。line
を使用して、x
の列に対して y
の列を個別のラインとしてプロットします。
x = linspace(0,10)'; y = [sin(x) cos(x)]; line(x,y)
3 次元座標でラインをプロット
x、y、z の各値を指定して、3 次元座標にラインをプロットします。view(3)
を使用して、座標軸を 3 次元表示に変更します。
t = linspace(0,10*pi,200); x = sin(t); y = cos(t); z = t; line(x,y,z) view(3)
低水準な構文を使用してラインをプロット
x
と y
をベクトルとして作成します。次に、データを名前と値のペアの引数として指定して、関数 line
の低水準なバージョンを呼び出します。関数をこのように呼び出すと、結果として得られるラインは黒になります。
x = linspace(0,10); y = sin(x); line('XData',x,'YData',y)
ラインのプロパティの指定
点 (1,2) および (9,12) の間に赤色の破線を描画します。Color
プロパティと LineStyle
プロパティを名前と値のペアとして設定します。
x = [1 9]; y = [2 12]; line(x,y,'Color','red','LineStyle','--')
作成後のラインのプロパティの変更
最初に、点 (3,15) から (2,12) までのラインを描画し、Line
オブジェクトを返します。次に、ラインを緑色の破線に変更します。プロパティの設定にはドット表記を使用します。
x = [3 2]; y = [15 12]; pl = line(x,y);
pl.Color = 'green'; pl.LineStyle = '--';
入力引数
x
— 1 番目の座標
ベクトル | 行列
1 番目の座標。ベクトルまたは行列として指定します。行列の入力は、直交座標軸でのみサポートされています。
1 番目の座標の解釈は、座標軸のタイプによって異なります。直交座標軸の場合、1 番目の座標はデータ単位での x 軸上の位置です。
x
とy
がいずれもベクトルで長さも同じである場合、line
は 1 本のラインをプロットします。x
とy
が同じサイズの行列である場合、line
は複数のラインをプロットします。この関数はx
の列に対してy
の列をプロットします。x
とy
のうち一方がベクトルでもう一方が行列である場合、line
は複数のラインをプロットします。ベクトルの長さは、行列の次元のいずれかと等しくなければなりません。ベクトルの長さと行列の行数が等しい場合、
line
はベクトルに対して行列の各列をプロットします。ベクトルの長さと行列の列数が等しい場合、
line
はベクトルに対して行列の各行をプロットします。行列が正方行列の場合、
line
はベクトルに対して各列をプロットします。
極座標軸の場合、1 番目の座標はラジアン単位での極角度 θ です。地理座標軸の場合、1 番目の座標は度単位の緯度です。これらのタイプの座標軸にプロットするには、x
と y
は同じサイズでなければなりません。
例: x = linspace(0,10,25)
データ型: single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
| categorical
| datetime
| duration
y
— 2 番目の座標
ベクトル | 行列
2 番目の座標。ベクトルまたは行列として指定します。行列の入力は、直交座標軸でのみサポートされています。
2 番目の座標の解釈は、座標軸のタイプによって異なります。直交座標軸の場合、2 番目の座標はデータ単位での y 軸上の位置です。
x
とy
がいずれもベクトルで長さも同じである場合、line
は 1 本のラインをプロットします。x
とy
が同じサイズの行列である場合、line
は複数のラインをプロットします。この関数はx
の列に対してy
の列をプロットします。x
とy
のうち一方がベクトルでもう一方が行列である場合、line
は複数のラインをプロットします。ベクトルの長さは、行列の次元のいずれかと等しくなければなりません。ベクトルの長さと行列の行数が等しい場合、
line
はベクトルに対して行列の各列をプロットします。ベクトルの長さと行列の列数が等しい場合、
line
はベクトルに対して行列の各行をプロットします。行列が正方行列の場合、
line
はベクトルに対して各列をプロットします。
極座標軸の場合、2 番目の座標はデータ単位での半径です。地理座標軸の場合、2 番目の座標は度単位の経度です。これらのタイプの座標軸にプロットするには、x
と y
は同じサイズでなければなりません。
例: y = sin(x)
データ型: single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
| categorical
| datetime
| duration
z
— 3 番目の座標
ベクトル | 行列
3 番目の座標。ベクトルまたは行列として指定します。行列の入力は、直交座標軸でのみサポートされています。
3 番目の座標の解釈は、座標軸のタイプによって異なります。直交座標軸の場合、3 番目の座標はデータ単位での z 軸上の位置です。
x
、y
、およびz
がすべて同じ長さのベクトルである場合、line
は単一の 3 次元ラインをプロットします。x
、y
、およびz
がすべて同じサイズの行列である場合、line
は行列の列を使用して複数の 3 次元ラインをプロットします。x
、y
、およびz
のうち 1 つまたは 2 つがベクトルで、残りが同じサイズの行列である場合、line
は複数の 3 次元ラインをプロットします。ベクトルの長さは、行列の次元のいずれかと等しくなければなりません。
極座標軸と地理座標軸の場合、3 番目の座標は座標軸上の 2 次元ラインの重ね合わせに影響します。これらのタイプの座標軸で 3 番目の座標を使用するには、x
、y
および z
が同じサイズでなければなりません。
例: z = sin(x) + cos(y)
データ型: single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
| categorical
| datetime
| duration
ax
— ターゲット座標軸
Axes
オブジェクト | PolarAxes
オブジェクト | GeographicAxes
オブジェクト
ターゲット座標軸。Axes
オブジェクト、PolarAxes
オブジェクト、または GeographicAxes
オブジェクトとして指定します。座標軸を指定しない場合、関数 line
は現在の座標軸でプロットします。
名前と値の引数
引数のオプションのペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。ここで Name
は引数名で、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後になければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。
R2021a より前では、コンマを使用してそれぞれの名前と値を区切り、Name
を引用符で囲みます。
例: line(x,y,'Color','red','LineWidth',3)
は幅が 3 ポイントの赤色のラインを作成します。
ここでは、プロパティの一部だけを紹介しています。完全な一覧については、Line のプロパティ を参照してください。
Color
— ラインの色
[0 0.4470 0.7410]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
ラインの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、色名、または省略名として指定します。
カスタム色を使用する場合は、RGB 3 成分または 16 進数カラー コードを指定します。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く string スカラーまたは文字ベクトルです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" | |
"none" | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 色なし |
MATLAB® の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
例: line(x,y,'Color','blue')
例: line(x,y,'Color',[0.5 0.5 1])
例: line(x,y,'Color','#D9A2E9')
LineStyle
— ライン スタイル
"-"
(既定値) | "--"
| ":"
| "-."
| "none"
ライン スタイル。次の表にリストされたオプションのいずれかとして指定します。
ライン スタイル | 説明 | 結果として得られる線 |
---|---|---|
"-" | 実線 |
|
"--" | 破線 |
|
":" | 点線 |
|
"-." | 一点鎖線 |
|
"none" | ラインなし | ラインなし |
LineWidth
— ライン幅
0.5
(既定値) | 正の値
ライン幅。ポイント単位の正の値として指定します。1 ポイントは 1/72 インチです。ラインがマーカーをもつ場合、ライン幅はマーカー エッジにも影響します。
ライン幅をピクセルの幅より細くすることはできません。システムでライン幅をピクセルの幅より細い値に設定すると、ラインは 1 ピクセル幅で表示されます。
Marker
— マーカー記号
"none"
(既定値) | "o"
| "+"
| "*"
| "."
| ...
マーカー記号。次の表に挙げる値のいずれかとして指定します。既定では、オブジェクトはマーカーを表示しません。マーカー記号を指定すると、各データ点または各頂点にマーカーが追加されます。
マーカー | 説明 | 結果のマーカー |
---|---|---|
"o" | 円 |
|
"+" | プラス記号 |
|
"*" | アスタリスク |
|
"." | 点 |
|
"x" | 十字 |
|
"_" | 水平線 |
|
"|" | 垂直線 |
|
"square" | 正方形 |
|
"diamond" | 菱形 |
|
"^" | 上向き三角形 |
|
"v" | 下向き三角形 |
|
">" | 右向き三角形 |
|
"<" | 左向き三角形 |
|
"pentagram" | 星形五角形 |
|
"hexagram" | 星形六角形 |
|
"none" | マーカーなし | 該当なし |
MarkerSize
— マーカー サイズ
6
(既定値) | 正の値
マーカー サイズ。ポイント単位の正の値として指定します。1 ポイントは 1/72 インチです。
出力引数
pl
— プリミティブ line オブジェクト
プリミティブ line オブジェクト
プリミティブ line オブジェクト。ラインの作成後に、ラインのプロパティをクエリまたは変更するには、pl
を使用します。一覧については、Line のプロパティ を参照してください。
ヒント
関数
plot
とは異なり、関数line
はプロットの前にnewplot
を呼び出しません。また、Figure や座標軸のNextPlot
プロパティの値は考慮されません。現在の座標軸にラインが追加されるだけで、他のグラフィックス オブジェクトの削除や座標軸のプロパティのリセットは行われません。ただし、軸の範囲など一部の座標軸のプロパティは、ラインが収まるように更新される場合があります。
拡張機能
GPU 配列
Parallel Computing Toolbox™ を使用してグラフィックス処理装置 (GPU) 上で実行することにより、コードを高速化します。
使用上の注意事項および制限事項:
この関数は GPU 配列を受け入れますが、GPU 上では実行されません。
詳細については、GPU での MATLAB 関数の実行 (Parallel Computing Toolbox)を参照してください。
分散配列
Parallel Computing Toolbox™ を使用して、クラスターの結合メモリ上で大きなアレイを分割します。
使用上の注意事項および制限事項:
この関数は分散配列に対して演算を行いますが、クライアントの MATLAB で実行されます。
詳細については、分散配列を使用した MATLAB 関数の実行 (Parallel Computing Toolbox)を参照してください。
バージョン履歴
R2006a より前に導入R2023b: 既定のラインの色の変更
SeriesIndex
プロパティが、line
関数で作成されたラインで使用できるようになり、ラインは他のほとんどのプロットと同じ色 (およびオプションのライン スタイル) を順に使用します。
既定の色の変更は、x
、y
、およびオプションの z
引数を指定して作成したラインにのみ適用されます。名前と値の引数のみを使用する構文でラインを作成した場合、プロットは以前のリリースと同じように表示されます。
たとえば、x と y の入力引数で 2 つのラインを作成します。R2023b では、最初のラインは青で、2 番目のラインは赤みがかったオレンジ色になります。R2023b 以前では、どちらのラインも青でした。
line1 = line([0 1],[0 1]); line2 = line([0 1],[1 2]);
以前のリリースの動作を維持するには、ラインの SeriesIndex
プロパティを 1
に設定します。プロパティは、関数 line
を呼び出すときに名前と値の引数を使用して設定するか、後でドット表記を使用して Line
オブジェクトに対して設定できます。
% Use a name-value argument line1 = line([0 1],[0 1],SeriesIndex=1); % Use dot notation line2 = line([0 1],[1 2]); line2.SeriesIndex = 1;
参考
関数
プロパティ
MATLAB コマンド
次の MATLAB コマンドに対応するリンクがクリックされました。
コマンドを MATLAB コマンド ウィンドウに入力して実行してください。Web ブラウザーは MATLAB コマンドをサポートしていません。
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