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fillmissing

欠損エントリを埋める

説明

F = fillmissing(A,'constant',v) は、配列または table の欠損エントリを定数値 v で埋めます。A が行列または多次元配列の場合、v はスカラーまたはベクトルのいずれかにすることができます。v がベクトルの場合、各要素は A の対応する列の埋め込み値を指定します。A が table または timetable の場合、v は要素に各 table 変数の埋め込み値が含まれる cell 配列にすることもできます。

欠損値は、A のデータ型にしたがって定義されます。

  • NaNdoublesingleduration および calendarDuration

  • NaTdatetime

  • <missing>string

  • <undefined>categorical

  • {''} — 文字ベクトルの cell

A が table の場合、各変数のデータ型がその変数の欠損値を定義します。

F = fillmissing(A,method) は、method で指定されたメソッドを使用して欠損エントリを埋めます。たとえば、fillmissing(A,'previous') は、欠損エントリを A の前の非欠損エントリで埋めます。

F = fillmissing(A,movmethod,window) は、ウィンドウの長さ window をもつ移動ウィンドウの平均値または中央値を使用して、欠損エントリを埋めます。たとえば、fillmissing(A,'movmean',5) は、ウィンドウの長さ 5 を使用した移動平均値でデータを埋めます。

F = fillmissing(A,'knn') は、行間のペアワイズのユークリッド距離に基づいて計算された最近傍の行の対応する値を使用して欠損エントリを埋めます。

F = fillmissing(A,'knn',k) は、行間のペアワイズのユークリッド距離に基づいて計算された k 個の最近傍の行の対応する値の平均を使用して欠損エントリを埋めます。たとえば、fillmissing(A,'knn',5) は、5 個の最近傍の行の対応する値の平均を使用して A の欠損エントリを埋めます。

F = fillmissing(A,fillfun,gapwindow) は、関数ハンドル fillfun で指定されたカスタム メソッドと、埋め込み値を計算する各ギャップを囲む固定ウィンドウを使用して、欠損エントリのギャップを埋めます。fillfun には、入力引数 xsts および tq がなければなりません。これらは、長さ gapwindow のサンプル データ xs を含むベクトル、長さ gapwindow のサンプル データ位置 ts を含むベクトル、および欠損データ位置 tq を含むベクトルです。tstq の位置は、サンプル点ベクトルのサブセットです。

F = fillmissing(___,dim) は、前述の構文の任意の入力引数の組み合わせに加えて、動作対象とする A の次元を指定します。既定では、fillmissing はサイズが 1 に等しくない最初の次元に沿って動作します。たとえば、A が行列の場合、fillmissing(A,2)A の列に沿って動作し、1 行ずつ欠損データを埋めます。

F = fillmissing(___,Name,Value) は、名前と値の引数を 1 つ以上使用して、欠損値を埋めるための追加パラメーターを指定します。たとえば、t が時間値のベクトルである場合、fillmissing(A,'linear','SamplePoints',t)t の時間を基準にして A のデータを内挿します。

[F,TF] = fillmissing(___) は、元は欠損していた F の埋め込み済みのエントリの位置を示す logical 配列 TF も返します。

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NaN 値を含むベクトルを作成し、各 NaN を前の非欠損値で置き換えます。

A = [1 3 NaN 4 NaN NaN 5];
F = fillmissing(A,'previous')
F = 1×7

     1     3     3     4     4     4     5

各列に NaN 値を含む 2 行 2 列の行列を作成します。1 列目で 100、2 列目で 1000 を使用して NaN を埋めます。

A = [1 NaN; NaN 2]
A = 2×2

     1   NaN
   NaN     2

F = fillmissing(A,'constant',[100 1000])
F = 2×2

           1        1000
         100           2

内挿を使用して、等間隔でないサンプル データ内の NaN 値を置き換えます。

等間隔でないサンプル点のベクトルを定義し、それらの点で正弦関数を評価します。

x = [-4*pi:0.1:0, 0.1:0.2:4*pi];
A = sin(x);

NaN 値を A に挿入します。

A(A < 0.75 & A > 0.5) = NaN;

線形内挿を使用して欠損データを埋め、埋め込みを受けたベクトル F および logical ベクトル TF を返します。TF の要素の値 1 (true) は、F の埋め込まれた値に対応します。

[F,TF] = fillmissing(A,'linear','SamplePoints',x);

元のデータと埋め込まれたデータをプロットします。

scatter(x,A)
hold on
scatter(x(TF),F(TF))
legend('Original Data','Filled Data')

Figure contains an axes object. The axes object contains 2 objects of type scatter. These objects represent Original Data, Filled Data.

移動中央値を使用して欠損数値データを埋めます。

サンプル点 x のベクトルと、欠損値を含むデータ A のベクトルを作成します。

x = linspace(0,10,200); 
A = sin(x) + 0.5*(rand(size(x))-0.5); 
A([1:10 randi([1 length(x)],1,50)]) = NaN; 

長さ 10 のウィンドウの移動中央値を使用して ANaN 値を置き換えて、元のデータと埋め込まれたデータをプロットします。

F = fillmissing(A,'movmedian',10);  
plot(x,F,'.-') 
hold on
plot(x,A,'.-')
legend('Original Data','Filled Data')

Figure contains an axes object. The axes object contains 2 objects of type line. These objects represent Original Data, Filled Data.

前の非欠損値で NaN 値を埋めるカスタム関数を定義します。

サンプル点 t のベクトルと、NaN 値を含む対応するデータ A のベクトルを定義します。データをプロットします。

t = 10:10:100;
A = [0.1 0.2 0.3 NaN NaN 0.6 0.7 NaN 0.9 1];
scatter(t,A)

Figure contains an axes object. The axes object contains an object of type scatter.

ローカル関数 forwardfill (この例の最後で定義) を使用して、前の非欠損値で欠損ギャップを埋めます。関数ハンドルの入力は次のとおりです。

  • xs — 埋め込みに使用されるデータ値

  • ts — サンプル点を基準とした埋め込みに使用される値の位置

  • tq — サンプル点を基準とした欠損値の位置

  • n — 埋められるギャップ内の値の数

n = 2;
gapwindow = [10 0];

[F,TF] = fillmissing(A,@(xs,ts,tq) forwardfill(xs,ts,tq,n),gapwindow,'SamplePoints',t);

ギャップ ウィンドウ値 [10 0] は、fillmissing に、欠損ギャップの前では 1 つのデータ点を考慮し、ギャップの後ではデータ点を考慮しないように指示します。前の非欠損値がギャップの 10 単位前の位置にあるためです。最初のギャップに対して fillmissing で決定される関数ハンドルの入力値は次のとおりです。

  • xs = 0.3

  • ts = 30

  • tq = [40 50]

2 番目のギャップに対する関数ハンドルの入力値は次のとおりです。

  • xs = 0.7

  • ts = 70

  • tq = 80

元のデータと埋め込まれたデータをプロットします。

scatter(t,A)
hold on
scatter(t(TF),F(TF))

Figure contains an axes object. The axes object contains 2 objects of type scatter.

function y = forwardfill(xs,ts,tq,n)
% Fill n values in the missing gap using the previous nonmissing value
y = NaN(1,numel(tq));
y(1:min(numel(tq),n)) = xs;
end

欠損エントリを含む行列を作成し、線形内挿を使用して、一度に 1 行ずつ列 (2 番目の次元) を埋めます。各行の先頭および末尾の欠損値は、その行で最も近い非欠損値で埋めます。

A = [NaN NaN 5 3 NaN 5 7 NaN 9 NaN;
     8 9 NaN 1 4 5 NaN 5 NaN 5;
     NaN 4 9 8 7 2 4 1 1 NaN]
A = 3×10

   NaN   NaN     5     3   NaN     5     7   NaN     9   NaN
     8     9   NaN     1     4     5   NaN     5   NaN     5
   NaN     4     9     8     7     2     4     1     1   NaN

F = fillmissing(A,'linear',2,'EndValues','nearest')
F = 3×10

     5     5     5     3     4     5     7     8     9     9
     8     9     5     1     4     5     5     5     5     5
     4     4     9     8     7     2     4     1     1     1

データ型が異なる table 変数の欠損値を埋めます。

categoricaldouble、および char のデータ型を含む複数の変数をもつ table を作成します。

A = table(categorical({'Sunny'; 'Cloudy'; ''}),[66; NaN; 54],{''; 'N'; 'Y'},[37; 39; NaN],...
    'VariableNames',{'Description' 'Temperature' 'Rain' 'Humidity'})
A=3×4 table
    Description    Temperature       Rain       Humidity
    ___________    ___________    __________    ________

    Sunny               66        {0x0 char}       37   
    Cloudy             NaN        {'N'     }       39   
    <undefined>         54        {'Y'     }      NaN   

すべての欠損エントリを前の要素の値で置き換えます。変数 Rain には前の要素がないため、欠損文字ベクトルは置き換えられません。

F = fillmissing(A,'previous')
F=3×4 table
    Description    Temperature       Rain       Humidity
    ___________    ___________    __________    ________

      Sunny            66         {0x0 char}       37   
      Cloudy           66         {'N'     }       39   
      Cloudy           54         {'Y'     }       39   

A 内の変数 Temperature および変数 HumidityNaN 値を 0 に置き換えます。

F = fillmissing(A,'constant',0,'DataVariables',{'Temperature','Humidity'})
F=3×4 table
    Description    Temperature       Rain       Humidity
    ___________    ___________    __________    ________

    Sunny              66         {0x0 char}       37   
    Cloudy              0         {'N'     }       39   
    <undefined>        54         {'Y'     }        0   

あるいは、関数 isnumeric を使用して、動作対象の数値変数を識別します。

F = fillmissing(A,'constant',0,'DataVariables',@isnumeric)
F=3×4 table
    Description    Temperature       Rain       Humidity
    ___________    ___________    __________    ________

    Sunny              66         {0x0 char}       37   
    Cloudy              0         {'N'     }       39   
    <undefined>        54         {'Y'     }        0   

次に、cell 配列に含まれる各 table 変数の指定された定数で A の欠損値を埋めます。

F = fillmissing(A,'constant',{categorical({'None'}),1000,'Unknown',1000})
F=3×4 table
    Description    Temperature       Rain        Humidity
    ___________    ___________    ___________    ________

      Sunny             66        {'Unknown'}        37  
      Cloudy          1000        {'N'      }        39  
      None              54        {'Y'      }      1000  

秒単位の時間ベクトル t と、NaN 値を含むデータ A の対応するベクトルを作成します。

t = seconds([2 4 8 17 98 134 256 311 1001]);
A = [1 3 23 NaN NaN NaN 100 NaN 233];

最大ギャップ サイズ 250 秒に対応する A の欠損値のみを埋めます。2 番目のギャップは 250 秒を超えるため、NaN 値は埋められません。

F = fillmissing(A,'linear','SamplePoints',t,'MaxGap',seconds(250))
F = 1×9

    1.0000    3.0000   23.0000   25.7944   50.9435   62.1210  100.0000       NaN  233.0000

カスタム距離関数を使用して、最近傍の行の値によって欠損エントリを埋めます。

NaN 値を含む行列を作成してから、3 番目の行の欠損エントリの位置を示す logical ベクトルを作成します。

A = [1 3 9 3; -5 1 7 2; -1 1 7 NaN; 12 1 9 1];
m = isnan(A(3,:));

行間の距離を測定する 2 つのカスタム関数を定義します。

関数 d1 は、各座標ペア間の距離を合計して行間の距離を測定します。関数 dinf は、座標ペア間の最大距離を求めて行間の距離を測定します。

d1 = @(x,~) sum(abs(diff(x)),'omitnan');
dinf = @(x,isNaN) norm(diff(x(:,~isNaN(1,:))),'inf');

3 番目の行と他の 3 行のそれぞれとの間の d1 測定の距離を計算します。2 番目の行が最も近くなっています。

d1s = arrayfun(@(r) d1(A([r 3],:),m), setdiff(1:4,3))
d1s = 1×3

     6     4    15

関数 fillmissing は 3 番目の行の NaN を 2 番目の行の対応する 2 に置き換えます。

F1 = fillmissing(A,'knn','Distance',d1)
F1 = 4×4

     1     3     9     3
    -5     1     7     2
    -1     1     7     2
    12     1     9     1

dinf 測定の距離での同様の解析では、最初の行が 3 番目の行に最も近いとわかります。そこで、関数 fillmissing は 3 番目の行の NaN を最初の行の対応する 3 に置き換えます。

dinfs = arrayfun(@(r) dinf(A([r 3],:),m), setdiff(1:4,3))
dinfs = 1×3

     2     4    13

Finf = fillmissing(A,'knn','Distance',dinf)
Finf = 4×4

     1     3     9     3
    -5     1     7     2
    -1     1     7     3
    12     1     9     1

入力引数

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入力データ。ベクトル、行列、多次元配列、文字ベクトルの cell 配列、table、または timetable として指定します。

  • A が timetable である場合は、table 値のみが埋められます。関連付けられた行時間のベクトルに NaT 値または NaN 値が含まれる場合、fillmissing はエラーを生成します。行時間は一意で、昇順にリストされていなければなりません。

  • A が cell 配列、または cell 配列変数をもつ table の場合、fillmissing は cell 配列が文字ベクトルを含む場合のみ欠損要素が埋められます。

埋め込み定数。スカラー、ベクトル、または cell 配列として指定します。

  • A が行列または多次元配列の場合、v には操作次元ごとに異なる埋め込み値を示すベクトルを指定できます。v の長さは、操作次元の長さと一致しなければなりません。

  • A が table または timetable の場合、v には変数ごとに異なる埋め込み値を示す、埋め込み値の cell 配列を指定できます。cell 配列内の要素数は、table 内の変数の数と一致しなければなりません。

埋め込みメソッド。次の値のいずれかとして指定します。

メソッド説明
'previous'前の非欠損値
'next'次の非欠損値
'nearest'x 軸で定義される最も近い非欠損値
'linear'近傍の非欠損値の線形内挿 (数値、durationdatetime のデータ型のみ)
'spline'区分的 3 次スプライン内挿 (数値、durationdatetime のデータ型のみ)
'pchip'形状維持区分的 3 次スプライン内挿 (数値、durationdatetime のデータ型のみ)
'makima'修正 Akima 3 次エルミート内挿 (数値、durationdatetime のデータ型のみ)

欠損データを埋める移動メソッド。次の値のいずれかとして指定します。

メソッド説明
'movmean'長さ window のウィンドウの移動平均値 (数値データ型のみ)
'movmedian'長さ window のウィンドウの移動中央値 (数値データ型のみ)

移動メソッドのウィンドウの長さ。正の整数スカラー、正の整数の 2 要素ベクトル、正の duration スカラーまたは正の duration の 2 要素ベクトルとして指定します。ウィンドウは、サンプル点を基準にして定義されます。

window が正の整数スカラーである場合、ウィンドウは現在の要素を中心にして配置され、window-1 個の隣接する要素を含みます。window が偶数である場合、ウィンドウは現在の要素および直前の要素を中心にして配置されます。

window が正の整数の 2 要素ベクトル [b f] である場合、ウィンドウには現在の要素、b 個前までの要素、f 個後までの要素が含まれます。

A が timetable であるか、SamplePointsdatetime ベクトルまたは duration ベクトルとして指定されている場合、ウィンドウは duration 型でなければなりません。

'knn' メソッドで平均を求める際に使用する最近傍の数。正の整数スカラーとして指定します。

例: @(xs,ts,tq) myfun(xs,ts,tq)

カスタム埋め込みメソッド。関数ハンドルとして指定します。有効な関数ハンドルには、次の 3 つの入力引数が含まれていなければなりません。

入力引数説明
xs埋め込みに使用されるデータ値を含むベクトル。xs の長さは、指定されたウィンドウの長さと一致しなければなりません。
ts埋め込みに使用される値の位置を含むベクトル。ts の長さは、指定されたウィンドウの長さと一致しなければなりません。ts はサンプル点ベクトルのサブセットです。
tq欠損値の位置を含むベクトル。tq はサンプル点ベクトルのサブセットです。

関数は、tq と同じ長さのスカラーまたはベクトルを返さなければなりません。

カスタム埋め込み関数のギャップ ウィンドウの長さ。正の整数スカラー、正の整数の 2 要素ベクトル、正の duration スカラーまたは正の duration の 2 要素ベクトルとして指定します。ギャップ ウィンドウは、サンプル点を基準にして定義されます。

埋め込みメソッドの関数ハンドル fillfun を指定する場合、gapwindow の値は、入力データの欠損値の各ギャップを囲む固定ウィンドウの長さを表します。埋め込み値は、fillfun でそのウィンドウの値を使用して計算されます。たとえば、既定のサンプル点 t = 1:10 とデータ A = [10 20 NaN NaN 50 60 70 NaN 90 100] の場合、ウィンドウの長さ gapwindow = 3 は、fillfun が埋め込み値を計算するために演算を行う最初のギャップ ウィンドウとして [20 NaN NaN 50] を指定します。fillfun が演算を行う 2 番目のギャップ ウィンドウは [70 NaN 90] です。

A が timetable であるか、SamplePointsdatetime ベクトルまたは duration ベクトルとして指定されている場合、gapwindowduration 型でなければなりません。

操作次元。正の整数スカラーとして指定します。値を指定しない場合、既定値は、サイズが 1 ではない最初の配列の次元です。

mn 列の入力行列 A を考えます。

  • fillmissing(A,method,1) は、A の各列のデータに従って欠損値を埋め、mn 列の行列を返します。

    fillmissing(A,method,1) column-wise operation

  • fillmissing(A,method,2) は、A の各行のデータに従って欠損値を埋め、mn 列の行列を返します。

    fillmissing(A,method,2) row-wise operation

入力データが table または timetable の場合、dim はサポートされず、演算は各 table 変数または timetable 変数に沿って個別に行われます。

名前と値の引数

引数のオプションのペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後になければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用してそれぞれの名前と値を区切り、Name を引用符で囲みます。

例: fillmissing(T,method,'SamplePoints',"Var1")

データ オプション

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サンプル点。サンプル点のベクトル、または次の表のいずれかのオプション (入力データが table の場合) として指定します。サンプル点はデータの x 軸の位置を表し、並べ替える必要があり、一意の要素を含まなければなりません。サンプル点は等間隔でサンプリングされている必要はありません。既定の設定はベクトル [1 2 3 ...] です。

入力データが table の場合は、次のいずれかのオプションを使用して、サンプル点を table 変数として指定できます。

インデックス方式

変数名:

  • string スカラーまたは文字ベクトル

  • "A" または 'A'A という名前の変数

変数インデックス:

  • table 内の変数の位置を参照するインデックス番号

  • logical ベクトル。通常、このベクトルの長さは変数の数と同じですが、末尾の 0 値や false 値は省略できます。

  • 3 — table の 3 番目の変数

  • [false false true] — 3 番目の変数

関数ハンドル:

  • 入力として table 変数をとり、logical スカラーを返す関数ハンドル

  • @isnumeric — 数値を含んでいる 1 つの変数

変数の型:

  • 指定した型の 1 つの変数を選択する vartype 添字

  • vartype("numeric") — 数値を含んでいる 1 つの変数

メモ

入力データが timetable の場合、この名前と値の引数はサポートされません。timetable では、行時間のベクトルをサンプル点として使用します。別のサンプル点を使用するには、目的のサンプル点が行時間に含まれるように timetable を編集しなければなりません。

移動ウィンドウは、サンプル点を基準にして定義されます。たとえば、t が入力データに対応する時間のベクトルである場合、fillmissing(rand(1,10),'movmean',3,'SamplePoints',t) には t(i)-1.5 から t(i)+1.5 までの時間間隔を表すウィンドウがあります。

サンプル点ベクトルのデータ型が datetime または duration である場合、移動ウィンドウの長さの型は duration でなければなりません。

例: fillmissing([1 NaN 3 4],'linear','SamplePoints',[1 2.5 3 4])

例: fillmissing(T,'linear','SamplePoints',"Var1")

データ型: single | double | datetime | duration

演算の対象とする table 変数。次の表のオプションのいずれかとして指定します。DataVariables の値は、入力 table 内のどの変数を埋めるかを示します。

DataVariables で指定されていない table 内のその他の変数は、埋められずに出力に渡されます。

インデックス方式

変数名:

  • string、文字ベクトル、または cell 配列

  • pattern オブジェクト

  • "A" または 'A'A という名前の変数

  • ["A","B"] または {'A','B'}A および B という名前の 2 つの変数

  • "Var"+digitsPattern(1)"Var" の後に数字 1 桁が続く名前の変数

変数インデックス:

  • table 内の変数の位置を参照するインデックス番号

  • 数値のベクトル

  • logical ベクトル。通常、このベクトルの長さは変数の数と同じですが、末尾の 0 値や false 値は省略できます。

  • 3 — table の 3 番目の変数

  • [2 3] — table の 2 番目と 3 番目の変数

  • [false false true] — 3 番目の変数

関数ハンドル:

  • 入力として table 変数をとり、logical スカラーを返す関数ハンドル

  • @isnumeric — 数値を含んでいるすべての変数

変数の型:

  • 指定した型の変数を選択する vartype 添字

  • vartype("numeric") — 数値を含んでいるすべての変数

例: fillmissing(T,'linear','DataVariables',["Var1" "Var2" "Var4"])

値置換インジケーター。A が table または timetable の場合に、次の値のいずれかとして指定します。

  • true または 1 — 欠損エントリを含む入力 table 変数を、埋め込み済みの table 変数に置き換えます。

  • false または 0 — 欠損エントリをチェック済みのすべての table 変数を含む入力 table を追加します。追加される変数の欠損エントリは埋められます。

入力データがベクトル、行列、または多次元配列の場合、ReplaceValues はサポートされません。

例: fillmissing(T,'previous','ReplaceValues',false)

欠損値オプション

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端点の処理メソッド。'extrap''previous''next''nearest''none'、または定数スカラー値として指定します。端点埋め込みメソッドは、次の定義に基づいて、先頭および末尾の欠損値を処理します。

メソッド説明
'extrap'method と同じ
'previous'前の非欠損値
'next'次の非欠損値
'nearest'最も近い非欠損値
'none'埋め込み値なし
スカラー定数値 (数値、durationdatetime のデータ型のみ)

既知の欠損インジケーター。A と同じサイズの logical ベクトル、行列、または多次元配列として指定します。インジケーターの要素は、A の対応する位置にある欠損値を示す 1 (true)、またはそれ以外の 0 (false) にすることができます。

データ型: logical

埋められる最大ギャップ サイズ。数値スカラー、duration スカラー、または calendarDuration スカラーとして指定します。ギャップは、そのサイズがギャップ周囲の非欠損値間の距離である連続欠損値のクラスターです。ギャップ サイズはサンプル点を基準にして計算されます。最大ギャップ サイズ以下のギャップが埋められ、ギャップ サイズより大きいギャップは埋められません。

たとえば、既定のサンプル点 [1 2 3 4] を使用したベクトル y = [25 NaN NaN 100] について考えます。ベクトルのギャップ サイズはサンプル点から 4 - 1 = 3 として計算されるため、2MaxGap 値は欠損値を変更せずに残しますが、3MaxGap 値は欠損値を埋めます。

データの先頭または末尾に欠損値がある場合、次のようになります。

  • 入力データの先頭または末尾にある単一欠損値のギャップ サイズは 0 であり、常に埋められます。

  • 入力データの先頭または末尾で発生する欠損値のクラスターは完全には非欠損値で囲まれないため、ギャップ サイズは最も近い既存のサンプル点を使用して計算されます。既定のサンプル点 1:N の場合、同じクラスターがデータの中央で発生した場合よりも 1 つ小さいギャップ サイズが生成されます。

最近傍の行を検出する際に使用する距離関数。'euclidean' (ユークリッド距離)、'seuclidean' (スケーリングされたユークリッド距離)、または距離関数の関数ハンドルとして指定します。

距離関数の関数ハンドルを指定する場合は、その関数は次の条件を満たさなければなりません。

  • 関数は、2 つの入力を受け入れなければなりません。

  • 関数の最初の入力は、比較する 2 つのベクトルを含む 2 行の行列、table、または timetable でなければなりません。

  • 関数の 2 番目の入力は、ベクトル内の欠損値の位置を示す logical 行列でなければなりません。2 番目の入力は、~ として指定して無視できます。

  • 関数は、double 型の実数のスカラー値として距離を返す必要があります。

例: fillmissing(A,'knn','Distance',@(x,~) sum(abs(diff(x)),'omitmissing'))

出力引数

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埋め込まれたデータ。ベクトル、行列、多次元配列、table または timetable として返されます。

F は、ReplaceValues の値が false の場合を除き、A と同じサイズになります。ReplaceValues の値が false の場合、F の幅は入力データの幅と指定したデータ変数の数の合計となります。

埋め込まれたデータのインジケーター。ベクトル、行列または多次元配列として返されます。TF は logical 配列であり、1 (true) は元は欠損していた埋め込み済みの F の要素に対応し、0 (false) は未変更の要素に対応します。

TF は、F と同じサイズになります。

データ型: logical

ヒント

  • 入力データが構造体配列、または文字ベクトル以外の cell 配列である場合、fillmissing はいずれのエントリも埋めません。構造体配列内の欠損エントリを埋めるには、関数 structfun を使用して、構造体の各フィールドに fillmissing を適用します。文字ベクトル以外の cell 配列の欠損エントリを埋めるには、関数 cellfun を使用して、cell 配列の各 cell に fillmissing を適用します。

拡張機能

バージョン履歴

R2016b で導入

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