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変数の作成と編集

変数の作成

MATLAB® ワークスペースは、MATLAB セッション中に生成され、メモリに格納された変数群で構成されています。ワークスペースで新しい変数を作成するには、MATLAB コードを実行するか、既存の変数を使用します。

新しい変数を作成するには、コマンド ウィンドウに変数名を入力し、その後に等号 (=) と、変数に代入する値を続けます。たとえば、次のステートメントを実行すると、MATLAB では 4 つの変数 xAIC がワークスペースに追加されます。

x = 5.71;
A = [1 2 3; 4 5 6; 7 8 9];
I = besseli(x,A);
C = {A A A};

Workspace browser showing all four variables

値の代入前に変数を宣言する必要はありません。

代入ステートメントの最後にセミコロン (;) を付けない場合、MATLAB では結果がコマンド ウィンドウに表示されます。以下に例を示します。

x = 5.71
x =
    5.7100

ステートメントの出力を変数に明示的に代入しない場合、MATLAB では通常、結果が予約語 ans に代入されます。ans の値は、変数に代入されない出力値を返すステートメントがあると、そのたびに変化します。次に例を示します。

sin(1)
ans =
    0.8415

変数を表示および編集するには、ワークスペース ブラウザーと変数エディターを使用します。(MATLAB Online™ では利用できない編集オプションもあります。)

ワークスペースの内容を表示

ワークスペースにある変数のリストを表示するには、ワークスペース ブラウザーを使用します。

Workspace browser showing all four variables

現在、ワークスペース ブラウザーが表示されていない場合は、次のいずれかの手順でブラウザーを開きます。

  • [ホーム] タブの [環境] セクションで、[レイアウト] をクリックします。次に、[表示] の下で [ワークスペース] を選択します。

  • コマンド ウィンドウで workspace と入力します。

既定の設定では、ワークスペース ブラウザーはベース ワークスペースを表示します。MATLAB がデバッグ モードの場合、関数ワークスペースを表示することもできます。詳細は、ベース ワークスペースと関数ワークスペースを参照してください。

サイズや範囲などの列を追加で表示するには、ワークスペース ブラウザーのタイトル バーで [ワークスペース アクションの表示] ボタン をクリックしてから [列選択] をクリックします。MATLAB Online で表示する列を選択するには、ワークスペース パネルで列名を右クリックして、目的の列名を選択またはクリアします。

コマンド ウィンドウで who コマンドを使用して変数のリストを表示することもできます。サイズとクラスに関する情報を一覧表示するには、whos コマンドを使用します。たとえば、ワークスペースに変数 xA および I がある場合、who コマンドと whos コマンドを実行してワークスペースの内容を表示することができます。

who
Your variables are:

A  C  I  x
whos
  Name      Size            Bytes  Class     Attributes

  A         3x3                72  double
  C         1x3               528  cell
  I         3x3                72  double
  x         1x1                 8  double

変数の内容の表示

変数の内容は複数の方法で表示できます。

  • コマンド ウィンドウ — コマンド プロンプトに変数名を入力します。以下に例を示します。

    x
    x =
        5.7100

  • 変数エディター — ワークスペース ブラウザーで変数名をダブルクリックします。変数エディターが開いてその変数を表示します。

    Variables editor showing C

    一部の変数では、その型に適したビューアーなどのツールが開きます。詳細は、当該のデータやオブジェクト タイプのドキュメンテーションを参照してください。

    変数エディターの変数プロパティの横にある [保護されたプロパティ] または [プライベート プロパティ] アイコンは、そのプロパティがそれぞれ保護されている、またはプライベートであることを示します。

    変数エディターでの変数の表示方法を変更するには、[表示] タブの [形式] セクションで、数値の表示形式を選択します。この表示形式は、コマンド ウィンドウやワークスペース ブラウザーでの値の表示方式や、変数の保存方式には影響しません。

    メモ

    変数エディターで開くことができる変数内の要素の最大数は、オペレーティング システムと、システムにインストールされている物理メモリの量によって異なります。

変数の内容の編集

ワークスペース ブラウザーでは、スカラー (1 行 1 列) 変数の内容を編集することができます。内容を編集するには、変数の値をクリックして選択し、新しい値を入力します。

他の変数を編集するには、その変数を変数エディターで開きます。たとえば、コマンド ウィンドウで次のコマンドを実行して cell 配列 C を作成するとします。

A = magic(4);
C = {A A A};
ワークスペース ブラウザーで変数名 C をダブルクリックすると、その変数が変数エディターで開きます。

Variables editor showing C

変数の要素を編集するには、その要素をダブルクリックします。要素は、変数エディター内の新規ドキュメントとして開きます。たとえば、変数エディターで要素 C{1,1} をダブルクリックすると、そのセルの内容が新しいタブで開きます。変数要素の値を編集するには、その要素をクリックして新しい値を入力します。Enter キーを押すか、別の要素をクリックして変更を保存します。

Variables editor showing C{1,1}

要素の親の cell 配列または構造体に戻るには、[表示] タブで [上へ移動] ボタンをクリックします。

変数エディターで行った変更は、ワークスペースで自動的に保存されます。コマンド ウィンドウまたは他の操作により変数に変更を加えると、ワークスペース ブラウザーと変数エディターの変数情報は自動更新されます。

メモ

  • 多次元配列の要素とサブセットは変数エディターで編集できません。

  • tall 配列は変数エディターでは編集できません。

  • string をワークスペース ブラウザーで編集する場合または構造体の一部として変数エディターで編集する場合は、二重引用符を使ってその string 値を囲まなければなりません。

テーブルと構造体配列の変数の編集

テーブル (timetable を含む) と構造体配列では、追加の編集アクションがサポートされています。

アクション手順
列名または行名を変更する

名前をダブルクリックして、新しいテキストを入力します。

Variables editor, table view, with fourth column selected to be renamed

変数を並べ替える

十字矢印が表示されるよう、変数の左端にカーソルを合わせます。次に、列をクリックして新しい場所にドラッグします。

Variables editor, table view, with third column prepared to be reordered

変数の単位と説明を変更する

変数名の右側に表示される矢印をクリックします。次に、[単位] フィールドと [説明] フィールドに新しいテキストを入力します。

Variables editor, table view, with third column selected for modification of units and description of variables

変数データを並べ替える

変数名の右側に表示される矢印をクリックして、[昇順] または [降順] を選択します。

Variables editor, table view, with third column selected for sorting

メモ

テーブルの内容は、変数の数が 5000 未満の場合にのみ表示と編集が可能です。変数の数が 5000 以上の場合は、テーブル プロパティのみ表示することができます。

変数エディターで特定の変数の型に対して行った変更は、コマンド ウィンドウにも表示されます。たとえば、T というテーブルに ABC の 3 つの列があるとします。変数エディターで列 A を削除すると、T(:,'A') = []; という行がコマンド ウィンドウに表示されます。コマンド ウィンドウでコードを非表示にするには、[表示] タブで [MATLAB コードの表示] チェック ボックスをオフにします。

変数のサイズまたは形状の変更

変数エディターで変数要素のサイズ、形状、順序を変更するには、次のいずれかの手順を使用します。

アクション手順

行、列または変数要素を削除する

目的の行ヘッダー、列ヘッダーまたは選択した要素を右クリックして、[行の削除] または [列の削除] を選択します。

新しい行または列を挿入する

目的の行ヘッダー、列ヘッダーまたは要素を右クリックして、[上に行を挿入][下に行を挿入][左に列を挿入] または [右に列を挿入] を選択します。空の行または列に値を入力して行や列を追加することもできます。たとえば、 C{1,1} の配列に行と列を追加するには、要素 (5,5) に値を入力します。

変数要素を切り取る

目的の行ヘッダー、列ヘッダーまたは選択した要素を右クリックして、[切り取り] を選択します。切り取った値はクリップボードに移され、空の要素の既定値に置き換えられます。詳細については、空の要素を参照してください。

変数要素をコピーする

目的の行ヘッダー、列ヘッダーまたは選択した要素を右クリックして、[コピー] を選択します。

変数要素を貼り付ける

挿入の開始位置となる行ヘッダー、列ヘッダーまたは要素を右クリックして、[貼り付け] を選択します。

Microsoft® Excel® スプレッドシートからセルを貼り付ける

挿入の開始位置となる要素を右クリックして、[Excel データを貼り付けます] を選択します。

空の要素

変数内の空の要素には既定値が代入されます。既定の代入値は次のとおりです。

  • 数値配列の場合は 0

  • cell 配列と構造体配列の場合は []

  • categorical 変数の場合は <undefined>

変数のコピー、名前変更、削除

ワークスペース ブラウザーでは、変数のコピーと貼り付け、複製、名前変更、削除ができます。

アクション手順

クリップボードへ、またクリップボードからの変数のコピー

変数を選択し、右クリックして [コピー] を選択します。次に、コマンド ウィンドウや外部のアプリケーションなどに名前を貼り付けます。変数が複数ある場合はコンマで区切られます。

変数の複製

変数を選択し、右クリックして [複製] を選択します。MATLAB によって選択した変数のコピーが作成されます。

ワークスペース変数の名前を変更する

変数名を右クリックして、[名前変更] を選択します。新しい変数名を入力して Enter キーを押します。

ワークスペースの変数をすべて削除する

[ホーム] タブの [変数] セクションで、[ワークスペースのクリア] をクリックします。

コマンド ウィンドウで関数 clear を使用することもできます。

選択した変数をワークスペースから削除する

ワークスペース ブラウザーで変数を選択し、右クリックして [削除] を選択します。

コマンド ウィンドウで関数 clear を使用することもできます。たとえば、変数 A と変数 B を削除するには、コマンド clear A B を使用します。

指定した変数を保持し、それ以外を削除するには、-except オプションを指定して関数 clearvars を使用します。たとえば、変数 A 以外のすべての変数を削除するには、コマンド clearvars -except A を使用します。

既存の変数から新しいワークスペース変数を作成するには、変数エディターで配列の要素、データ範囲、行または列を選択し、その後 [変数] タブで [選択から新規作成] を選択します。

変数エディターから値を切り取ってテキスト ファイルや他のアプリケーションに貼り付ける際には、データの小数点の記号を変更できます。これは、たとえば、ピリオド (.) 以外の文字を使用するロケールにデータを提供する場合に行うことがあります。小数点の記号を変更するには、変数の基本設定[システムのクリップボード経由で数値データをエクスポートするための小数点の記号] を指定します。

変数の内容間での移動

変数エディターで変数を編集する場合、一部の変数に大量のデータが格納されていて要素間の移動が困難になることがあります。次のキーボード ショートカットを使用すると、変数エディターでの変数要素間の移動が簡単になります。これらのキーボード ショートカットは変更できません。

アクション

キーボード ショートカット

要素の変更を確定して次の要素に移動する。

変数の基本設定では、どの要素が次になるかを指定できます。既定では、下へ移動します。

Enter

右へ移動する。

選択内であれば、Tab キーで 1 つの行の最終列から次の行の最初の列に移動することもできます。

Tab

Enter または Tab の反対方向に移動します。

Shift + Enter または Shift + Tab

m 行、上に移動する。この m は、表示している行の数です。

Page Up

m 行、下に移動する。この m は、表示している行の数です。

Page Down

1 列目に移動

Home

1 行目の 1 列目に移動

Ctrl + Home

カーソルを要素の末尾において、現在の要素を編集

F2 (Apple Macintosh プラットフォームでは Ctrl + U)

参考

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