Main Content

dicomanon

DICOM ファイルの匿名化

説明

dicomanon(file_in,file_out) は機密医療情報を DICOM ファイル file_in から除去し、変更された値を使用して新しいファイル file_out を作成します。イメージ データとその他の属性は変更されません。

dicomanon(file_in,file_out,"keep",fields) は、fields に含まれているものを除く、すべての機密データを変更します。この構文は、患者を一意に識別しない診断目的のメタデータ (PatientAgePatientSex など) を保持する際に役立ちます。

メモ:

一部のフィールドは、保持しておくことで患者情報の漏洩につながる場合もあります。

dicomanon(___,"update",attributes) は、前の構文の入力引数の組み合わせに加えて、機密データを変更し、attributes に含まれている特定の機密データを更新します。Study/Series/Image の階層を維持したり、特定の値をより汎用的な属性で置き換えたりする (PatientBirthDate を除去するが PatientAge の計算値は保持するなど) には、この構文を使用します。

dicomanon(___,Name,Value) は、名前と値の引数を使用してパーサーに対する追加オプションを提供します。

すべて折りたたむ

すべての個人情報が除去された DICOM ファイルのバージョンを作成します。

dicomanon("US-PAL-8-10x-echo.dcm","US-PAL-anonymized.dcm");

学習で使用する可能性のある特定のフィールドを残して個人情報を除去した DICOM ファイルのバージョンを作成します。

dicomanon("US-PAL-8-10x-echo.dcm","US-PAL-anonymized.dcm","keep",...
         ["PatientAge","PatientSex","StudyDescription"])

一連のイメージを匿名化しますが、Study と Series の階層は維持します。

values.StudyInstanceUID = dicomuid;
values.SeriesInstanceUID = dicomuid;
 
d = dir("*.dcm");
for p = 1:numel(d)
	dicomanon(d(p).name, sprintf("anon%d.dcm",p), ...
		"update",values)
end

入力引数

すべて折りたたむ

読み取る DICOM ファイルの名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。

データ型: char | string

書き込む匿名化された DICOM ファイルの名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。

データ型: char | string

保持するフィールドの名前。メタデータ属性名を含む文字ベクトルの cell 配列または string 配列として指定します。

更新する属性。更新する DICOM メタデータ属性の名前をフィールドとする構造体として指定します。各フィールドの値には、属性の新しい値を指定します。

入れ子のメタデータ属性を更新するには、変更の有無を問わず入れ子の属性のすべてを含む、対応する最上位属性を格納した構造体として attributes を指定します。attributes から入れ子の属性を除外すると、dicomanon はそれらの属性を削除してから新しい匿名化された DICOM ファイルを書き込みます。

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

例: dicomanon("CT-MONO2-16-ankle.dcm","CT-MONO2-16-ankle_anon.dcm",UseVRHeuristic=false) は、経験則を使用せずに、元の DICOM ファイルからメタデータを読み取ります。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: dicomanon("CT-MONO2-16-ankle.dcm","CT-MONO2-16-ankle_anon.dcm","UseVRHeuristic",false) は、経験則を使用せずに、元の DICOM ファイルからメタデータを読み取ります。

匿名化されたファイルへの非標準属性の書き込み。logical の 0 (false) または 1 (true) として指定します。

true に設定した場合、関数はプライベートなメタデータ属性をファイルに含めます。これらの属性は、患者情報の漏洩につながる場合があります。

データ型: logical

値表現 (VR) モードの切り替えが不適切な DICOM 非準拠ファイルの読み取り。logical の 1 (true) または 0 (false) として指定します。

true に設定すると、dicomanon は、VR モードの切り替えが不適切な特定の DICOM 非準拠ファイルを読み取ることができるように経験則を使用します。経験則を使用した場合、dicomanon は警告を表示します。この経験則が有効にされている場合、まれに準拠ファイルが正しく読み取られないことがあります。このような準拠ファイルを読み取るには、UseVRHeuristicfalse に設定します。

データ型: logical

ヒント

  • 変更または除去されるフィールドの詳細については、https://www.dicomstandard.org/ の DICOM Supplement 55 を参照してください。

バージョン履歴

R2006a より前に導入