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イメージ ビューアー アプリでのイメージ コントラストの調整

"イメージ コントラスト" とは、グレースケール イメージの最も明るい部分と最も暗い部分との明度の差のことを言います。最も低いピクセル値と最も高いピクセル値との間に明確な差がない場合、イメージのコントラストが不足します。コントラスト調整は、表示範囲、つまり各表示色にマッピングされるピクセル値の範囲を操作することによって機能します。表示範囲内のピクセル値は、グレー階調として表示されます。表示範囲の最小値以下のピクセル値は黒で表示されます。表示範囲の最大値以上のピクセル値は白で表示されます。

次の図は、コントラスト調整前後のイメージを示しています。元のイメージでは、ピクセル値が占めるグレー階調範囲が狭く、コントラストに乏しいイメージとなっています。調整後のイメージでは、黒から白までのすべての色範囲にわたってピクセル値が広がっており、コントラストが高いイメージとなっています。

Side-by-side comparison of an image with low contrast and a version with higher contrast after stretching the data range to the full display range of the data type

イメージ ビューアーへのイメージの読み込み

関数 imageViewer を使用するか、アプリのツールストリップで [イメージのインポート] を選択して、グレースケール イメージをアプリに読み込みます。アプリでイメージを開く方法の詳細については、イメージ ビューアー アプリを開くを参照してください。

アプリのツールストリップの [コントラスト] タブには、イメージのコントラストに関する情報が表示されます。[データ範囲] セクションには、インポートしたイメージの最小ピクセル値と最大ピクセル値が表示されます。[ウィンドウ範囲] セクションには、表示範囲ウィンドウの最小値、最大値、幅、中心値が表示され、プリセット オプションのドロップダウン リストが用意されています。

このドロップダウンの既定値は [データ型範囲の一致] で、ウィンドウ範囲の値はデータ型の既定の表示範囲と同じになります。整数データ型の既定の表示範囲は、そのデータ型の全範囲となります。たとえば、uint8 の既定の表示範囲は 0 ~ 255 となり、0 は黒で表示され、255 は白で表示されます。single データ型および double データ型の既定の表示範囲は 0 ~ 1 となり、0 は黒で表示され、1 は白で表示されます。

次の図は、データ範囲が 74 ~ 224 である uint8 イメージの既定のコントラスト情報を示しています。ヒストグラムを見ると、既定の表示範囲ウィンドウの中央に値が集中していることがわかります。

Grayscale image with poor contrast in the Image Viewer. The window bounds are wider than the histogram of pixel values.

コントラストと明度の調整

イメージのコントラストを調整するには、次の表に示すいずれかの方法を使用して表示範囲ウィンドウを変更します。

説明イメージ

表示範囲を自動的にスケーリングします。

  • 表示範囲をイメージのデータ範囲に一致させるには、[データ範囲の一致] を選択します。

  • 表示範囲の上部と下部からピクセルを均等な割合で飽和させるには、[外れ値の排除 (%)] を選択します。既定では 2% が削除されるため、ピクセル値の上位 1% と下位 1% が削除されます。これは、関数 stretchlim が実行する演算に相当します。ドロップダウンの下にあるフィールドに値を入力して割合を調整します。

  • イメージのデータ型に基づいて既定の表示範囲を復元するには、[データ型範囲の一致] を選択します。

自動プリセットを選択した場合、[ウィンドウ範囲] セクション内の他のフィールドが更新されて新しい表示範囲ウィンドウが反映されます。

Automatically scale display range

[ヒストグラム] ペイン内の表示範囲の最小値と最大値を対話形式で調整するには、ウィンドウの左右の端をドラッグします。ウィンドウの中心を変更するには、ウィンドウの内部をドラッグします。

Interactively adjust display window by dragging the window limits

アプリのツールストリップの [ウィンドウ範囲] セクションに特定の値を入力します。対応するフィールドの横にあるスポイト ボタンをクリックすることで、最小値または最大値を定義することもできます。これを行ってからポインターをイメージ上に移動すると、ポインターはスポイトの形状になります。最小値または最大値にする値のピクセルの上にスポイト形状を置き、左クリックします。

Manually enter display window values

次のアニメーションは、アプリのツールストリップの [ウィンドウ範囲] セクションで [外れ値の排除 (%)] を選択してイメージのコントラストを上げる方法を示しています。表示範囲ウィンドウが 78 ~ 161 に変わります。表示範囲ウィンドウを変更すると、イメージの表示がリアルタイムで更新されます。[変更を元に戻す] を選択すると、既定の表示範囲ウィンドウを復元できます。

Animation showing the effect of selecting Eliminate Outliers on the displayed image.

インポートしたイメージと調整したイメージの値の表示

表示範囲ウィンドウを変更すると、イメージ ビューアーは、データ型の範囲に合わせて表示ウィンドウを線形にスケーリングし、各ピクセルの調整後の値を計算します。これは、関数 imadjust を呼び出し、入力のコントラスト範囲としてウィンドウ範囲を指定し、出力のコントラスト範囲としてデータ型範囲を指定するのと同様です。たとえば、次の図は、インポートした 78 ~ 161 の値を調整後の値の範囲である 0 ~ 255 にマッピングする様子を模式的に示しています。78 以下のインポート値は調整後の値 0 にマッピングされます。161 以上のインポート値は 255 にマッピングされます。

Graphical representation of contrast stretching, with arrows pointing from imported values between 78 and 161 to their corresponding adjusted values from 0 to 255

コントラストを調整した後に、各ピクセルのインポート値と調整後の値の両方を見ることができます。イメージの上にカーソルを置くと、カーソルの下にあるピクセルに関する情報がアプリのウィンドウの左下隅に表示されます。コントラストを変更すると、このピクセルのインポート値と調整後の値がこの情報エリアに表示されます。イメージ ビューアーで、[ピクセル値の表示] が選択された状態でイメージを大きく拡大すると、インポート値 I と調整後の値 Adj が各ピクセルに重ねて表示されます。ズームによるピクセル値表示の詳細については、イメージ ビューアー アプリでのピクセル情報の取得を参照してください。

Pixel info showing the imported and adjusted value

コントラストが調整されたイメージのエクスポート

コントラストが調整されたイメージを、ファイルまたはワークスペース変数にエクスポートできます。アプリのツールストリップの [ビューアー] タブで、[エクスポート][イメージのエクスポート] を選択し、[ワークスペースへ] または [イメージ ファイルへ] を選択します。インポートしたイメージと同じデータ型を使用して、調整後のピクセル値が保存されます。

参考

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