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モデル オブジェクトとは

モデル オブジェクトでの線形システムの表現

Control System Toolbox™、System Identification Toolbox™、および Robust Control Toolbox™ ソフトウェアでは、線形システムをモデル オブジェクトとして表現します。System Identification Toolbox では、非線形モデルもモデル オブジェクトとして表現します。"モデル オブジェクト" は、モデル データとその他の属性を構造体にカプセル化する特別なデータ コンテナーです。モデル オブジェクトを使用すると、複数のデータ ベクトル、行列、または cell 配列を記録するのではなく、線形システムを 1 つのエンティティとして取り扱うことができます。

モデル オブジェクトは、単入力単出力 (SISO: single-input, single-output) システムまたは多入力多出力 (MIMO: multiple-input, multiple output) システムとして表すことができます。連続時間と離散時間の両方の線形システムを表すことができます。

主なモデル オブジェクト ファミリには次のものがあります。

  • 数値モデル — 固定数値係数をもつ線形システムの基本表現。このファミリには、System Identification Toolbox ソフトウェアで推定した係数をもつ同定されたモデルも含まれます。

  • 一般化モデル — 数値係数と調整可能か不確かさをもつ係数を組み合わせた表現。一般化モデルはパラメーターの調査や補償器調整などのタスクをサポートします。

モデル データについて

モデル オブジェクトにカプセル化されているデータは、使用するモデル タイプによって異なります。以下に例を示します。

  • 伝達関数は分子と分母の係数を格納

  • 状態空間モデルは、システムのダイナミクスを説明する行列 A、B、C、および D を格納

  • PID コントローラー モデルは比例、積分、微分ゲインを格納

その他のモデル属性は、時間単位、モデル入力または出力の名前、およびむだ時間などのモデル データとして格納されます。モデル属性の設定と取得の詳細は、モデル属性を参照してください。

メモ

すべてのモデル オブジェクトは MATLAB® オブジェクトですが、それらのオブジェクトの作業にはオブジェクト指向プログラミングの経験は必要ありません。オブジェクトとオブジェクト構文の詳細については、クラスの MATLAB での役割を参照してください。

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