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lsiminfo

線形応答特性を計算

    説明

    lsiminfo によって、応答データ [y,t] の配列から線形応答特性を計算できます。線形応答 y(t) の場合、lsiminfo は yinit および yfinal に関連する特性を計算します。ここで、yinit は初期オフセットであり、これはつまり、入力の前の値が適用されます。yfinal は応答の定常値です。

    lsiminfo は、yinit = 0 および yfinal = y(t) の最後のサンプル値を使用します (これらの値を明示的に指定しない場合)。

    関数は、以下のフィールドを含む構造体として特性を返します。

    • TransientTime — t ≥ T において、誤差 |y(t) – yfinal| ≤ SettlingTimeThreshold × emax となる最初の時間 T (ここで emax は、t ≥ 0 における最大誤差 |y(t) – yfinal|)。

      既定では、SettlingTimeThreshold = 0.02 (ピーク誤差の 2%) です。過渡時間によって、過渡ダイナミクスが消滅する速度が測定されます。

    • SettlingTime — t ≥ T において、|y(t) – yfinal| ≤ SettlingTimeThreshold × |yfinal – yinit| となる最初の時間 T。

      既定では、整定時間は、誤差が |yfinal – yinit| の 2% を下回ったままでいるまでの所要時間を測定します。

    • Min — y(t) の最小値。

    • MinTime — 応答が最小値に到達するまでの所要時間。

    • Max — y(t) の最大値。

    • MaxTime — 応答が最大値に到達するまでの所要時間。

    S = lsiminfo(y,t) は、応答データの配列 y と対応する時間ベクトル t から線形応答特性を計算します。この構文は yinit = 0 および y の最後の値 (または各チャネルの対応する応答データの最後の値) を yfinal として使用して、これらの値に依存する特性を計算します。

    SISO システム応答の場合、yt と同じエントリ数をもつベクトルになります。MIMO 応答データの場合、y は各 I/O チャネルの応答を含む配列になります。

    S = lsiminfo(y,t,yfinal) は、定常値 yfinal に対する線形応答の特性を計算します。この構文は、測定ノイズなどの理由から、予想される定常状態システム応答が y の最後の値とは異なることがわかっている場合に有用です。この構文では yinit = 0 を使用します。

    SISO の応答の場合、ty は、同じ長さ NS をもつベクトルです。NY 出力をもつシステムについては、NSNY 列の配列として y を、NY1 列の配列として yfinal を指定できます。次に lsiminfo は、NY1 列の、各出力チャネルに対応する応答特性の構造体配列 S を返します。

    S = lsiminfo(y,t,yfinal,yinit) は、応答初期値 yinit に対する応答の特性を計算します。y データに初期オフセットがある場合、つまり入力が適用される前に y が非ゼロである場合には、この構文が有用です。

    SISO の応答の場合、ty は、同じ長さ NS をもつベクトルです。NY 出力をもつシステムについては、NSNY 列の配列として y を、NY1 列の配列として yfinal および yinit を指定できます。次に lsiminfo は、NY1 列の、各出力チャネルに対応する応答特性の構造体配列 S を返します。

    S = lsiminfo(___,'SettlingTimeThreshold',ST) を使用すると、整定時間および過渡時間の定義に使用されるしきい値 ST を指定できます。既定値は ST = 0.02 (2%) です。この構文では、前述の任意の入力引数の組み合わせで使用できます。

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    次の連続時間の伝達関数を作成します。

    H(s)=s-1s3+2s2+3s+4

    sys = tf([1 -1],[1 2 3 4]);

    インパルス応答を計算します。

    [y,t] = impulse(sys);

    impulse は、出力応答 y と、シミュレーションに使用される時間ベクトル t を返します。

    最終応答値に 0 を使用して応答の特性を計算します。

    s = lsiminfo(y,t,0)
    s = struct with fields:
        TransientTime: 22.8700
         SettlingTime: NaN
                  Min: -0.4268
              MinTime: 2.0088
                  Max: 0.2847
              MaxTime: 4.0733
    
    

    インパルス応答をプロットしてこれらの応答の特性を確認できます。たとえば、最小の応答値 (MinTime) に達する時間は約 2 秒です。

    impulse(sys)

    入力引数

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    応答データ。以下のいずれかとして指定します。

    • SISO 応答データの場合、長さ Ns のベクトル。Ns は応答データ内のサンプル数です。

    • MIMO 応答データの場合、NsNy 列の配列。Ny はシステム出力の数です。

    y の応答データに対応する時間ベクトル。長さ Ns のベクトルとして指定します。

    応答の定常値。スカラーまたは配列として指定します。

    • SISO 応答データの場合、スカラー値を指定します。

    • MIMO 応答データの場合、Ny1 列の配列を指定します。各エントリは対応するシステム チャネルの定常状態応答値を指定します。

    yfinal を指定しない場合、lsiminfo は、y の対応するチャネルにある最後の値を定常状態応答値として使用します。

    入力が適用される前の y の値。スカラーまたは配列として指定します。

    • SISO 応答データの場合、スカラー値を指定します。

    • MIMO 応答データの場合、Ny1 列の配列を指定します。各エントリは対応するシステム チャネルの応答初期値を指定します。

    yinit を指定しない場合、lsiminfo は、応答初期値としてゼロを使用します。

    整定時間および過渡時間を定義するためのしきい値。0 ~ 1 のスカラー値として指定します。既定の整定時間と過渡時間の定義 (説明を参照) を変更するには、ST を異なる値に設定します。たとえば、誤差が 5% を下回る時点を測定するには ST を 0.05 に設定します。

    出力引数

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    線形応答の特性。次のフィールドを含む構造体として返されます。

    • TransientTime

    • SettlingTime

    • Min

    • MinTime

    • Max

    • MaxTime

    lsiminfo によるこれらの特性の定義方法の詳細については、説明を参照してください。

    MIMO モデルまたは応答データの場合、S は構造体配列になり、各エントリには対応する I/O チャネルのステップ応答の特性が含まれます。たとえば、3 入力 3 出力のモデルまたは応答データの配列を指定した場合、S(2,3) には、3 番目の入力から 2 番目の出力への応答の特性が含まれます。

    バージョン履歴

    R2006a で導入

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