Rectangular QAM TCM Decoder
QAM 方法を使用して変調されたトレリスコードの変調データの復号化
ライブラリ
Modulation の Digital Baseband サブライブラリ内の TCM
説明
Rectangular QAM TCM Decoder ブロックは、以前に QAM 信号コンスタレーションを使って変調されているトレリスコード変調 (TCM) 信号を復号化するためにビタビ アルゴリズムを使用します。
[M-ary number] パラメーターは、信号コンスタレーションのポイント数を示し、これはまた、畳み込み符号化器で可能な出力シンボルの数に等しくなります。(つまり、log2([M-ary number]) が畳み込み符号化器からの出力ビットストリーム数に等しい)。
正しい復号化のためには、このブロックにある [Trellis structure] と [M-ary number] パラメーターが、Rectangular QAM TCM Encoder ブロックのパラメーターと一致していなくてはなりません。
入力信号と出力信号
このブロックは、複素数を含む列ベクトルの入力信号を受け入れます。各ブロック端子でサポートされるデータ型については、サポートされているデータ型を参照してください。
トレリス構造体によって記述される畳み込み符号化器は、符号化率 k/n の符号を表し、その後、Rectangular QAM TCM Decoder ブロックの出力は、k の長さ掛ける入力信号のベクトル長のバイナリ列ベクトルになります。
操作モード
ブロックは、連続フレーム間の遷移に 3 つの方式が利用できます。ブロックでどの方式を使用するかは [Operation mode] パラメーターで指定します。このパラメーターは [Traceback depth] パラメーター D の値が取り得る範囲にも影響します。
[Continuous]
モードでは、ブロックはシミュレーション開始時にすべての状態メトリクスを初期化し、D 個のシンボルが蓄積するまで待機してから、D 個のシンボルのシーケンスを用いて個々のトレースバック パスを計算します。D は、正の整数です。各フレームの最後でブロックは、次のフレームで使用するために、その内部状態メトリクスを保存します。[Enable the reset input] を選択すると、
Rst
とラベル付けされた別の入力端子がブロックに表示されます。この端子は整数のスカラー信号を受け取ります。Rst
端子の値が非ゼロであれば、ブロックはすべての状態メトリクスをゼロに初期化し、トレースバック メモリをゼロに設定します。[Truncated]
モードの場合、ブロックは各フレームを個別に扱います。トレースバック パスは、最低メトリクスの状態で開始します。D は入力のベクトル長以下でなければなりません。[Terminated]
モードの場合、ブロックは各フレームを個別に扱います。トレースバック パスは、常にすべて 0 の状態で開始します。D は入力のベクトル長以下でなければなりません。データの各フレームが通常はすべて 0 の状態で終わることが既知の場合は、このモードが適切な選択肢となります。
復号化遅延
[Operation mode] を [Continuous]
に設定した場合、そのブロックでは、符号化率 k/n の畳み込み符号で、[Traceback depth] *k ビット分の復号化遅延が発生します。復号化遅延は、出力される復号化後の先頭ビットの前に先行するゼロの数となります。
[Operation mode] のその他の値では、ブロックでの遅延は生じません。
パラメーター
- Trellis structure
畳み込み符号化器のトレリス表現を含む MATLAB® 構造体。
- M-ary number
信号コンスタレーションのポイント数です。
- Traceback depth
ブロックが各トレースバック長を構築するためにビタビ アルゴリズムで使用するトレリス分岐の数 (シンボル数と等価) です。
- Operation mode
ビタビ復号化器の操作モードです。選択肢は
[Continuous]
、[Truncated]
、および[Terminated]
です。- Enable the reset input port
このチェック ボックスをオンにすると、
Rst
というラベルの付いた 2 番目の入力端子がブロックで有効になります。この端子にゼロ以外の入力値を提供することによって、ブロックはその内部メモリを、入力データを処理する前の初期状態に設定します。このオプションが表示されるのは、[Operation mode] を[Continuous]
に設定した場合のみです。- Output data type
ブロックの出力信号のデータ型として、
[boolean]
または[single]
を選択します。既定の設定では、ブロックはこれをdouble
に設定します。
サポートされているデータ型
端子 | サポートされているデータ型 |
---|---|
入力 |
|
Reset |
|
出力 |
|
ペア ブロック
参考文献
[1] Biglieri, E., D. Divsalar, P. J. McLane and M. K. Simon, Introduction to Trellis-Coded Modulation with Applications, New York, Macmillan, 1991.
[2] Proakis, John G., Digital Communications, Fourth edition, New York, McGraw-Hill, 2001.
拡張機能
バージョン履歴
R2006a より前に導入