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M-PSK Phase Recovery

(削除済み) M-Power メソッドを使用した搬送波位相の復元

M-PSK Phase Recovery は削除されました。代わりに、Carrier Synchronizer ブロックを使用してください。

ライブラリ

Synchronization の Carrier Phase Recovery サブライブラリ

  • M-PSK Phase Recovery block

説明

M-PSK Phase Recovery ブロックは、M パワー法を用いて入力信号の搬送波位相を再生します。これはフィードフォワードでデータとクロックの支援を用いないメソッドで、ベースバンドの偏移変調 (PSK) 変調を使用するシステムに適しています。同じく、ベースバンドの直交振幅変調 (QAM) を使用するシステムにも適していますが、PSK システムの場合より結果の精度は劣ります。変調のアルファベット サイズは、偶数の整数でなくてはなりません。

PSK 信号に対して、[M-ary number] パラメーターはアルファベット サイズを示します。QAM 信号に対して、[M-ary number] パラメーターはアルファベット サイズとは無関係に 4 となりますが、これは 4 パワー法が QAM 信号に最も適しているためです。

M パワー法は、一連の連続したシンボルに対して搬送波位相が定数であると仮定し、その連続部における搬送波位相の推定値を返します。[Observation interval] パラメーターは、搬送波位相が定数であると仮定したシンボルの数です。この数は、入力信号のベクトルの長さの整数倍でなくてはなりません。

入力信号と出力信号

このブロックは、double または single のスカラーまたは列ベクトルの入力信号を受け入れます。入力信号はベースバンド信号をシンボル レートで示すので、シンボルあたりに 1 つのサンプルを含む複素ベクトルでなければなりません。

出力は以下のとおりです。

  • Sig とラベル付けされた出力端子は、回転量を搬送波位相の推定値に等しいとして、入力信号を反時計回りに回転させた結果を出力します。したがって、Sig 出力は入力信号の修正バージョンであり、入力信号と同じサンプル時間とベクトル サイズになります。

  • Ph とラベル付けされた出力端子は、観測区間の全シンボルに対して搬送波位相の推定値を度単位で出力します。Ph 出力はスカラー信号です。

    メモ

    ブロックによって複素数の引数が内部的に計算されるため、搬送波位相の推定に特有の曖昧さが含まれます。搬送波位相の推定値は -180/M と 180/M の間にあり、実際の搬送波位相に対して 360/M の整数倍の角度だけ異なっている可能性があります。

遅延とレイテンシ

このブロックのアルゴリズムは、搬送波位相の 1 回の推定値を計算する前に [Observation interval] の長さの期間、シンボルを収集しなければなりません。このため、各推定では [Observation interval] シンボル分の遅れが生じ、訂正された信号は入力信号に対して [Observation interval] のレイテンシが発生します。

パラメーター

M-ary number

送信された PSK 信号の信号コンスタレーションのポイント数です。この値は偶数の整数です。

Observation interval

搬送波位相が定数であると仮定したシンボルの数です。観測間隔のパラメーターは、入力信号のベクトルの長さの整数倍でなければなりません。

このパラメーターが入力信号のベクトル長と正確に一致するとき、ブロックは常に正しく機能します。整数倍が 1 と等しくない場合は、[Simulation] タブで [Model Settings] を選択します。次に、[Solver][Solver selection] セクションで、[Type: Fixed-step] を選択し、[Treat each discrete rate as a separate task] チェック ボックスをオフにします。

アルゴリズム

観測間隔の間に生じたシンボルが x(1)、x(2)、x(3)、...、x(L) である場合、搬送波位相の推定値は次のようになります。

1Marg{k=1L(x(k))M}

この関数 arg は、-180 度から 180 度までの値を返します。

参考文献

[1] Mengali, Umberto, and Aldo N. D'Andrea, Synchronization Techniques for Digital Receivers, New York, Plenum Press, 1997.

[2] Moeneclaey, Marc, and Geert de Jonghe, "ML-Oriented NDA Carrier Synchronization for General Rotationally Symmetric Signal Constellations," IEEE Transactions on Communications, Vol. 42, No. 8, Aug. 1994, pp. 2531-2533.

バージョン履歴

R2006a より前に導入

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R2020a: M-PSK Phase Recovery は削除済み

M-PSK Phase Recovery は削除されました。代わりに Carrier Synchronizer を使用してください。