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MER Measurement

デジタル変調アプリケーションでの変調誤差比の測定

  • MER Measurement block

ライブラリ:
Communications Toolbox / Utility Blocks

説明

MER Measurement ブロックは、受信機が信号を正確に復調する能力を評価するために使用できる S/N 比 (SNR) 測定の形式を計算します。具体的には、受信信号の変調誤差比 (MER)、最小 MER、百分位 MER を返します。MER 測定値は、通信アプリケーションのシステム パフォーマンスを判断する場合に使用します。たとえば、該当する DVB-T システムが無線伝送規格に準拠しているか確認するには、適合性テストで正確な MER 測定が必要です。

このアイコンには、利用可能なすべての端子を使用したブロックが表示されています。MER Measurement block with all ports enabled

端子

入力

すべて展開する

基準信号。スカラー、ベクトル、行列、または 3 次元配列として指定します。この入力を指定すると、オブジェクトは、この入力を基準コンスタレーションとして使用して、Rcv 入力の MER を測定します。

この入力の次元は、Rcv 入力の次元と一致していなければなりません。オブジェクトは、この入力の各要素を Rcv 入力の対応する要素の基準シンボルとして使用します。

依存関係

この端子を有効にするには、[Reference signal] パラメーターを [Input port] に設定します。

データ型: single | double | fixed point
複素数のサポート: あり

受信信号。スカラー、ベクトル、行列または 3 次元配列として指定します。

データ型: single | double | fixed point
複素数のサポート: あり

出力

すべて展開する

構成された測定間隔での受信信号のパーセンテージ MER。デシベル単位のスカラーとして返されます。

データ型: double

構成された測定間隔での最小パーセンテージ MER。デシベル単位のスカラーとして返されます。

依存関係

この端子を有効にするには、[Output minimum MER] パラメーターを選択します。

データ型: double

最後のリセット以降の MER 測定値の下位 X% の値。デシベル単位のスカラーとして返されます。[X-percentile value (%)] パラメーターで X の値を設定します。

依存関係

この端子を有効にするには、[Output X-percentile MER] パラメーターを選択します。

データ型: double

オブジェクトが出力の測定に使用したシンボル数。正の整数として返されます。

依存関係

この端子を有効にするには、[Output X-percentile MER][Output the number of symbols processed] のパラメーターを選択します。

データ型: double

パラメーター

すべて展開する

基準信号のソース。[Input port] または [Estimated from reference constellation] として指定します。

基準コンスタレーション点。複素数値または実数値から成るベクトルとして指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Reference signal] パラメーターを [Estimated from reference constellation] に設定します。

MER 測定および最小 MER 測定における測定間隔のソース。以下のいずれかの値として指定します。

  • Input length — 現在のサンプルのみを使用して MER を測定します。

  • Entire history — すべてのサンプルの MER を測定します。

  • Custom — 指定した間隔でスライディング ウィンドウを使用して MER を測定します。

  • Custom with periodic reset — 指定した間隔で MER を測定し、各間隔で測定した後にブロックをリセットします。

サンプルのカスタム測定間隔。正の整数として指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Measurement interval] パラメーターを [Custom] または [Custom with periodic reset] に設定します。

ブロックが MER の測定値を平均する次元。範囲 [1, 3] の整数または整数の行ベクトルとして指定します。たとえば、列全体を平均するには、このパラメーターを 2 に設定します。

このブロックは、平均化を行う次元の可変サイズ入力をサポートします。ただし、平均化を行わない次元に対する入力サイズは、一定に保たなければなりません。たとえば、入力のサイズが [1000 3 2] で、このパラメーターを [1 3] に設定した場合、出力サイズは [1 3 1] となり、2 番目の次元要素の数は必ず 3 に固定されます。

最小 MER の測定値を出力する min 端子を追加するオプション。最小 MER の測定値を有効にするには、このパラメーターを選択します。

第 X 百分位の MER 測定値を出力する X% 端子を追加するオプション。第 X 百分位の MER 測定値を有効にするには、このパラメーターを選択します。このパラメーターを選択すると、第 X 百分位 MER 測定値は、ブロックをリセットするまで維持されます。ブロックは、最後のリセット以降の入力フレームをすべて使用してこれらの測定を実行します。[X-percentile value (%)] パラメーターで X の値を設定できます。

MER 測定値の下位 X% の値。範囲 [0, 100] のスカラーとして指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Output X-percentile MER] パラメーターを選択します。

第 X 百分位の MER 測定に使用したシンボル数を出力する nSym 端子を追加するオプション。第 X 百分位の MER 測定に使用されるシンボル数を測定するには、このパラメーターを選択します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Output X-percentile MER] パラメーターを選択します。

実行するシミュレーションのタイプ。[インタープリター型実行] または [コード生成] として指定します。

  • インタープリター型実行 — MATLAB® インタープリターを使用してモデルをシミュレートします。このオプションを使用すると、必要な起動時間が短縮されますが、以降のシミュレーションの速度は [コード生成] オプションを使用した場合よりも遅くなります。このモードで、ブロックのソース コードをデバッグできます。

  • コード生成 — 生成された C コードを使用してモデルをシミュレートします。シミュレーションの初回実行時、Simulink® は対象ブロックの C コードを生成します。このモデルは、モデルが変更されない限り以降のシミュレーションで C コードを再利用します。このオプションを使用すると、シミュレーションの起動時間は長くなりますが、以降のシミュレーションの速度は [インタープリター型実行] オプションを使用した場合よりも速くなります。

詳細については、シミュレーション モード (Simulink)を参照してください。

ブロックの特性

データ型

double | fixed point | integer | single

多次元信号

はい

可変サイズの信号

はい

アルゴリズム

MER は、変調された信号の SNR を dB 単位で計算した測定値です。N 個のシンボルを含むバーストに対する MER は次のようになります。

MER=10×log10(k=1N(Ik2+Qk2)k=1N(ek))dB,

ここで、

  • ek = ek=(IkI˜k)2+(QkQ˜k)2.

  • Ik は、バースト内の k 番目のシンボルの同相成分を表します。

  • Qk は、バースト内の k 番目のシンボルの直交位相成分を表します。

  • Ik および Qk は理想的な基準値を表します。

  • I˜k および Q˜k は受信シンボルを表します。

  • N は、バースト内のシンボル数を表します。

k 番目のシンボルの MER は次のようになります。

MERk=10×log10(1Nk=1N(Ik2+Qk2)ek)dB.

最小 MER は 1 つのバースト中で最も小さい MER 値を表し、次のようになります。

MERmin=mink[1,...,N]{MERk},

アルゴリズムは、流入する全 MERk 値のヒストグラムを作成することにより、第 X 百分位 MER を計算します。出力で MER 値が得られます。MER 値の X% がこの値を上回ります。

参照

[1] ESTI TR 101 290. Digital Video Broadcasting (DVB): Measurement guidelines for DVB systems. June 2020.

拡張機能

バージョン履歴

R2009b で導入

参考

ブロック

関数

オブジェクト