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comm.OVSFCode

説明

comm.OVSFCode System object™ は、直交変数拡散係数 (OVSF) 行列から符号を生成します。OVSF 符号を使用して、スペクトル拡散通信システムの異なるチャネル間の直交性を維持します。詳細については、アルゴリズムを参照してください。

OVSF 符号は次により生成します。

  1. comm.OVSFCode オブジェクトを作成し、そのプロパティを設定します。

  2. 関数と同様に、引数を指定してオブジェクトを呼び出します。

System object の機能の詳細については、System object とはを参照してください。

作成

説明

ovsf = comm.OVSFCode は、直交変数拡散係数 (OVSF) 符号を生成する System object を作成します。

ovsf = comm.OVSFCode(Name=Value) は、指定されたそれぞれのプロパティを指定された値に設定して、OVSF 符号生成器オブジェクトを作成します。たとえば、comm.OVSFCode(SpreadingFactor="128",SamplesPerFrame="10") は、拡散係数の長さが 128 である OVSF 符号生成器の最初の 10 チップを出力します。

プロパティ

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特に指定がない限り、プロパティは "調整不可能" です。つまり、オブジェクトの呼び出し後に値を変更することはできません。オブジェクトは呼び出すとロックされ、ロックを解除するには関数 release を使用します。

プロパティが "調整可能" の場合、その値をいつでも変更できます。

プロパティ値の変更の詳細については、System object を使用した MATLAB でのシステム設計を参照してください。

生成符号の長さ。2 の正の整数乗として指定します。詳細については、スペクトル拡散を参照してください。

拡散係数は、OVSF 符号行列から選択された符号の長さです。OVSF 符号は N 行 N 列の行列 CN の行として定義されます。Index プロパティは、行列 CN の行を対象符号として指定します。詳細については、直交変数拡散係数符号を参照してください。

OVSF 符号行列の行インデックス。範囲 [0, (N – 1)] の正の整数として指定します。N は、SpreadingFactor プロパティで指定される符号長です。OVSF 符号は N 行 N 列の行列 CN の行として定義されます。このプロパティの値は、行列 CN の行を対象符号として指定します。詳細については、OVSF 符号の復元および再構築を参照してください。

OVSF 符号のチップ出力の数。正の整数として指定します。このオブジェクトは、実行されるたびに、SpreadingFactor プロパティと Index プロパティの値で指定された OVSF 符号の最初の SamplesPerFrame チップを出力します。指定された数のチップを埋めるように、OVSF 符号シーケンスが繰り返されます。詳細については、スペクトル拡散を参照してください。

出力のデータ型。'double' または 'int8' として指定します。

使用法

説明

Y = ovsf() は列ベクトルの OVSF 符号のフレームを出力します。

出力引数

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OVSF 符号サンプルのフレーム。列ベクトルとして返されます。OutputDataType プロパティを使用して、出力のデータ型を指定します。

データ型: double | int8

オブジェクト関数

オブジェクト関数を使用するには、System object を最初の入力引数として指定します。たとえば、obj という名前の System object のシステム リソースを解放するには、次の構文を使用します。

release(obj)

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stepSystem object のアルゴリズムの実行
releaseリソースを解放し、System object のプロパティ値と入力特性の変更を可能にします。
resetSystem object の内部状態のリセット

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拡散係数 32 の OVSF 符号を 10 サンプル生成します。

ovsf = comm.OVSFCode( ...
    SpreadingFactor=32, ...
    Index=12, ...
    SamplesPerFrame=10);
seq = ovsf()
seq = 10×1

     1
     1
    -1
    -1
    -1
    -1
     1
     1
     1
     1

アルゴリズム

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[1]で説明されているように、OVSF 符号は、3G 通信システムで最初に導入され、主にスペクトル拡散通信システムの異なるチャネル間の直交性を維持するために使用されています。

参照

[1] S. Kasapović and N. Sarajlić, "OVSF code assignment in UMTS networks," 2010 20th International Crimean Conference "Microwave & Telecommunication Technology", Sevastopol, Ukraine, 2010, pp. 429–432, doi: 10.1109/CRMICO.2010.5632706.

拡張機能

バージョン履歴

R2012a で導入

参考

オブジェクト

ブロック