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comm.IntegrateAndDumpFilter

周期リセットを伴う離散時間信号の積分

説明

IntegrateAndDumpFilter オブジェクトは、既定のスケジュールに従って合計をゼロにリセットしながら、離散時間入力信号の累積和を作成します。このオブジェクトは、シミュレーションの開始時に、Offset プロパティに指定された数のサンプルを破棄します。この初期期間の後に入力信号の列に従って累積和を計算し、Integration period プロパティに設定された N 個の入力サンプルごとにゼロにリセットします。リセットが行われるのは、そのタイム ステップでオブジェクトが出力を生成した後です。

周期リセットを伴う離散時間信号は次により積分します。

  1. 積分とダンプ フィルター オブジェクトを定義および設定します。構築を参照してください。

  2. step を呼び出して、comm.IntegrateAndDumpFilter のプロパティに従い離散時間信号を積分します。step の動作は、ツールボックスの各オブジェクト固有のものです。

メモ

R2016b 以降では、step メソッドを使用して、System object™ によって定義された演算を実行する代わりに、引数を関数であるかのように使ってオブジェクトを呼び出すことができます。たとえば、y = step(obj,x)y = obj(x) は同等の演算を実行します。

構築

H = comm.IntegrateAndDumpFilter は、積分とダンプ フィルター System object H を作成します。このオブジェクトは、積分周期内の多数のサンプルを積分して、その周期の最後にリセットします。

H = comm.IntegrateAndDumpFilter(Name,Value) は、指定された各プロパティを指定値に設定して、積分とダンプ フィルター オブジェクト H を作成します。(Name1,Value1,...,NameN,ValueN) のように、追加の名前と値のペアの引数を任意の順番で指定できます。

H = comm.IntegrateAndDumpFilter(PERIOD,Name,Value) は、積分とダンプ フィルター オブジェクト H を作成します。このオブジェクトは、IntegrationPeriod プロパティを PERIOD に設定しており、指定の他のプロパティは指定の値に設定しています。

プロパティ

IntegrationPeriod

Integration period

積分周期を、サンプル単位で 1 より大きい正の整数スカラー値として指定します。積分周期は、リセットから次のリセットまでの間にオブジェクトが積分するサンプル ブロックの長さを定義します。既定の設定は 8 です。

Offset

オフセット サンプル数

オブジェクトがデータ処理の開始時に入力データの各列で破棄する入力サンプルの数を示す、非ゼロの整数ベクトルまたはスカラーを指定します。破棄は、step メソッドをはじめて呼び出したときに開始されます。既定の設定は 0 です。

Offset プロパティを非ゼロの値に設定した場合、オブジェクトは最初の周期に入力サンプルを破棄すると同時に、1 つ以上のゼロを出力します。

このプロパティを長さ L のベクトルで指定した場合、そのベクトルの i 番目の要素は、列数が L の入力データ行列で i 番目の列のオフセットに相当します。

このプロパティをスカラー値に指定した場合、オブジェクトは入力データ行列の各列に同じオフセットを適用します。このオフセットは、永続的な遅延ではなく、過渡的な効果を生じます。

DecimateOutput

出力の間引き

step メソッドが累積和の中間結果を返すか、中間結果を間引くかを指定します。既定の設定は true です。

このプロパティを true に設定した場合、step メソッドは、IntegrationPeriod 入力サンプルのブロックごとに、積分の最終値を含む 1 つの出力サンプルを返します。入力が (K×IntegrationPeriod)×L 行列の場合の出力は、K×L 行列です。

このプロパティを false に設定した場合、step メソッドは、IntegrationPeriod 入力サンプルのブロックごとに、累積和の中間値を含む IntegrationPeriod 出力サンプルを返します。この場合、入力と出力は同じ次元でなければなりません。

 固定小数点プロパティ

メソッド

step周期リセットを伴う離散時間信号の積分
すべての System object に共通
release

System object のプロパティ値の変更の許可

すべて折りたたむ

20 サンプルの積分周期をもつ積分とダンプ フィルターを作成します。

intdump = comm.IntegrateAndDumpFilter(20);

バイナリ データを生成します。

d = randi([0 1],50,1);

データをアップサンプリングし、AWGN チャネルを通して渡します。

x = upsample(d,20);
y = awgn(x,25,'measured');

ノイズを含むデータをフィルターを通して渡します。

z = intdump(y);

元のデータとフィルター処理されたデータをプロットします。積分とダンプ フィルターはノイズの影響の大部分を除去します。

stairs([d z])
legend('Original Data','Filtered Data')
xlabel('Samples')
ylabel('Amplitude')
grid

Figure contains an axes object. The axes object with xlabel Samples, ylabel Amplitude contains 2 objects of type stair. These objects represent Original Data, Filtered Data.

詳細

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アルゴリズム

このオブジェクトは、Integrate and Dump ブロックのリファレンス ページで説明されているアルゴリズム、入力、および出力を実装しています。オブジェクト プロパティはブロック パラメーターに対応しますが、以下の場合を除きます。

[Output intermediate values] パラメーターは DecimateOutput プロパティに対応しています。

拡張機能

バージョン履歴

R2012a で導入