Main Content

このページの内容は最新ではありません。最新版の英語を参照するには、ここをクリックします。

Raspberry Pi ハードウェア上の RTL-SDR 無線機と Simulink を使用した FM の受信

この例では、Raspberry Pi™ および RTL-SDR 無線機を使用して FM モノラル受信機を作成する方法について説明します。FM ブロードキャスト信号を処理し、Raspberry Pi のスピーカーを通して音声を再生する Simulink® モデルの展開方法について説明します。

必要なソフトウェアとハードウェア

この例のモデルを実行するには、次のハードウェアが必要です。

  • RTL-SDR 無線機

  • Raspberry Pi

さらに次のソフトウェアも必要になります。

Communications Toolbox でサポートされる SDR プラットフォームのすべてのリストについては、Software-Defined Radio (SDR) 情報ページのサポートされているハードウェアの節を参照してください。

はじめに

Simulink Support Package for Raspberry Pi Hardware によって Raspberry Pi ハードウェアで Simulink モデルを作成および実行できます。Communications Toolbox Support Package for RTL-SDR Radio によって、RTL-SDR 無線機から無線信号を受信できます。これらの 2 つのサポート パッケージを一緒に使用することで、Raspberry Pi ハードウェアで Simulink ソフトウェアを使用して RF 信号を受信および処理できます。この例では、Raspberry Pi ハードウェアでスタンドアロン アプリケーションとして FM 受信機モデルを実行する方法を説明します。

FM ブロードキャスト受信機を Simulink に実装する概要については、Simulink での FM ブロードキャスト受信機の例を参照してください。の例も実施することをお勧めします。

FM 受信機

次に、FM 受信機のモデルを示します。このモデルは、RTL-SDR Receiver ブロックを使用して無線信号を受信し、FM Broadcast Demodulator Baseband ブロックへ送信します。FM demodulator ブロックは、受信信号を復調し、モノラル音声を生成します。モノラル信号は、Raspberry Pi ハードウェア用に最適化された ALSA Audio Playback ブロックに送信されます。

スタンドアロン アプリケーションとしてのモデルの構成と実行

以下の手順は、モデルを Raspberry Pi ハードウェアで実行するように構成する方法を示しています。

1.Raspberry Pi ハードウェアがイーサネット ネットワークに接続されていない場合は、Configure Network Settings of Raspberry Pi Hardware (Simulink)の手順に従ってください。

2.明示的にモデルを一時停止または終了するまでシミュレーションを実行するために、モデル内で、シミュレーションの停止時間を 'inf' に設定します。

3.Simulink 内で、[ツール]、[ターゲット ハードウェアで実行]、[オプション...] をクリックします。

4.[コンフィギュレーション パラメーター] ページが開いたら、対象のハードウェアのパラメーターを [Raspberry Pi] に設定します。そのページでその他のパラメーターを確認します。ファームウェアの更新を実行している場合は、自動的に Raspberry Pi ハードウェアのボード情報に、IP アドレス、ユーザー名およびパスワードが入力されます。また、[信号の監視とパラメーター調整] の下の TCP/IP ポートのエディット ボックスも確認してください。TCP/IP ポートの既定値は 17725 です。この TCP/IP ポートは、Simulink で Raspberry Pi ハードウェアとの通信に使用されます。TCP/IP ポートのパラメーターは既定値のままにしておきます。完了したら [OK] をクリックします。

5.Simulink モデル内で、ツール バーの [ハードウェアに展開] ボタンをクリックするか、Ctrl+B を押します。

6.これで、モデルが Raspberry Pi ハードウェアで実行されます。Raspberry Pi ハードウェアで実行されているモデルからのメッセージを表示する、システム コマンド ウィンドウが開きます。

7.ラジオを聞くために、Raspberry Pi ハードウェアのオーディオ出力にスピーカーを接続します。

8.MATLAB® コマンド ラインで次を実行して、Raspberry Pi ハードウェアで実行中のモデルを停止します。

h = raspberrypi;
stopModel(h,'FMReceiverRaspberryPiSimulinkExample');

Raspberry Pi ハードウェアでのモデルの実行と停止

Simulink Support Package for Raspberry Pi Hardware によって、Raspberry Pi ハードウェアで実行する Simulink モデルごとに Linux® 実行可能ファイルが生成されます。

1.Simulink モデルを実行または停止するには、raspberrypi 通信オブジェクトの実行および停止メソッドを使用します。まず、Raspberry Pi ハードウェアへの通信オブジェクトを作成します。

rpi = raspberrypi;

このコマンドにより、MATLAB コマンド ラインから Raspberry Pi ハードウェアへ通信するためのゲートウェイである Raspberry Pi オブジェクトが生成されます。

2.前節で実行した Simulink モデルを停止する場合は、MATLAB コマンド ラインで次を実行します。

stopModel(rpi, 'FMReceiverRaspberryPiSimulinkExample')

3.以前にビルドした Simulink モデルをボードで実行するには、runModel メソッドを使用します。FMReceiverRaspberryPiSimulinkExample モデルを実行するには、MATLAB コマンド ラインで次を実行します。

runModel(rpi, 'FMReceiverRaspberryPiSimulinkExample')

まとめ

この例では、RTL-SDR 無線機によって無線信号を受信し、Raspberry Pi ハードウェアで実行する Simulink モデルを使用して受信された信号を処理するワークフローを紹介しました。