エコール サントラル ドゥ リヨンでは、学生が授業、競技会、研究プロジェクトを通じて学習

「MATLAB と Simulink を利用すれば、アルゴリズムの開発、システムの設計、結果の可視化をといった作業を、学生と教授が簡単に行えるようになります。また、パラメーターを変更すれば、すぐにその影響を見ることができます。最終的にモデルに満足したら、設計通りにエラーなく動作するという自信をもって、コードを生成できます」

課題

工学部の学生たちに理論と実践を結びつける基盤を提供すること

ソリューション

授業での実践、学生競技会、研究を重視する工学部の総合的なカリキュラムで MathWorks ツールの使用を

結果

  • エンジニアリングおよびビジネス分野におけるキャリア支援を学生に提供
  • キャンパス全体で共同体制を促進
  • 学生がロボット工学競技会に積極的に参加

ラボで作業する Blanchart 博士と学生たち

エコール サントラル ドゥ リヨン (フランス国立中央理工科学校リヨン校) が提供するトップクラスの工学部のカリキュラムは、 「授業における課題、プロジェクト、インターンシップを重視することで理論的な学習と実践を組み合わせる」、「研究を通じて学習意欲を高める」、「個人の作業とグループによる作業をバランスよく組み合わせて自主性と共同作業のスキルを養成する」という 3 つの主原則を基礎としています。

多くの専門分野にわたるカリキュラム全体でこの目標を満たすために、エコール サントラル ドゥ リヨンの教授陣は、工学部の講義、実験課題、学生競技会、教員が指導する研究イニシアチブなどで MathWorks ツールを活用することにしました。

エコール サントラル ドゥ リヨンの上級講師である Paule Blanchart 氏は次のように述べています。

「MathWorks ツールの最大の利点の 1 つは、学生がシミュレーションによってすぐに結果を見ることができることです。その後、モデルがシミュレーションで機能したとおりにプロトタイプも機能するという自信をもって、プロトタイプのコードを生成することができます」

課題

Blanchart 氏は次のように述べています。「入学以前に数学と物理の勉強はしていますが、新入生は理論を実践に移した経験がありません」。 学生が工学の理論を実践につなげて考えることができるように支援するために、エコール サントラル ドゥ リヨンの教授陣は数値的解析や、モデリング、 シミュレーション、プロトタイピングのツールに学生が簡単にアクセスできるように したいと考えました。

Blanchart 氏は次のように述べています。「以前は、数値フィルターなどの新しい概念を学生に教えるために、教授がプログラムを作成していました。しかし、プログラム作成には時間がかかり、このプログラムをさまざまなプラットフォームで使用できるようにするためには、さらなる時間を必要としました。このため、このプロセスを簡易化し、学生たちが卒業後にエンジニアリング関係の 会社で使用するツールを使って、学生に 実験をさせたいと考えたのです」

ソリューション

エコール サントラル ドゥ リヨンはCampus-Wide Licenseを導入しており、キャンパス内の任意の場所で学生と教員が 50 種類のMathWorks 製品を使用できます。

1 年生を対象とした「信号とシステム」の授業では、MATLAB® を活用して新しい概念を教えています。その後学生たちは指導を受けながら、相関、コンボリューション、高速フーリエ変換といった課題を MATLAB でこなしていきます。

また、Simulink® では信号処理チェーンの設計を行います。信号発生器、フィルター、mux、sum のブロックを設計に追加した後、学生はサンプリング時間を選択し、フィルター パラメーターを指定して、Scope ブロックでさまざまな点における信号を観察します。さらに、 シミュレーション結果を処理する MATLAB スクリプトを作成して、観察結果について議論します。

French Robotics Cup (la Coupe de France de Robotique) では、Blanchart 氏の学生は MathWorks 製品を活用して自律型ロボットを設計および作成しました。具体的に言うと、MATLAB、Stateflow®、Control System Toolbox™、および Robust Control Toolbox™ を利用して制御アルゴリズムを開発し、Simulink、Stateflow、および Simscape™ でモーターとセンサーをモデリングしました。さらに Simulink 3D Animation™ でロボットの動作が可視化されました。

シミュレーションを実行して設計のデバッグと検証を行った後、Stateflow と Simulink Coder™ を使用して 2000 行の C コードが生成され、このコードはコンパイルされてロボットのオンボード プロセッサーに実装されました。

また Blanchart 氏と同僚は、研究においても頻繁に MathWorks ツールを活用しています。 あるプロジェクトでは、Blanchart 氏は、高齢者が転倒した際に助けを呼ぶことができるブレスレットを開発しました。Blanchart 氏は学生とともに MATLAB、Fuzzy Logic Toolbox™、Partial Differential Equation Toolbox™、および Curve Fitting Toolbox™ を使用して、ブレスレットの加速度計からのデータを処理して転倒を検知するアルゴリズムを開発しました。学生は Image Processing Toolbox™ を使用して、転倒をシミュレーションしたビデオ データを処理することで、システムを検証しました。

また、別のプロジェクトでは、Blanchart 氏は学生および地元のミュージシャンと共同し、MATLAB、Simulink、Signal Processing Toolbox™ を活用して、数値フィルターを開発しました。このフィルターでは、ベース

結果

  • エンジニアリングおよびビジネス分野におけるキャリア支援を学生に提供. Blanchart 氏は次のように述べています。「エコール サントラル ドゥ リヨンでは、次世代のエンジニアやビジネス マネージャーを育成しています。MATLAB や Simulink の実践的な活用方法を学習しておくと、3 年生からのインターンシップや 4 年生からの業界での活動において、学生にとって大きな強みとなります。
  • キャンパス全体で共同体制を促進. Blanchart 氏は次のように述べています。「Campus-Wide License では、学生はキャンパスのどこからでも MathWorks ツールにアクセスできます。これによって、個人で、またはチームの一員としてプロジェクトに参加する能力が養成されます。また、教員も同じツールにアクセスできるため、教材の開発や実際の授業のほかにも、同僚と仕事の内容を共有したり、キャンパス全体で研究を行ったりすることが可能です」
  • 学生がロボット工学競技会に積極的に参加. Blanchart 氏は次のように述べています。「French Robotics Cup では、学生たちは MathWorks ツールを使用して制御設計の自動化を行いました。この競技会に勝つための戦略を見つけるために、ロボットのシミュレーションを行い、自信をもって安定したコードを生成したのです」

謝辞

École Centrale de Lyon では MATLAB Academic Online Training Suite により、全キャンパスでオンライントレーニングを利用できるようになっています。この自己学習形式のオンラインコースは、さまざまなトピックを網羅しており、生産性の向上、分野横断的なプロジェクトのサポート、および学生のスキル向上に活用されています。