トヨタ自動車/デンソー、MBDの更なる生産性向上を目指して、MATLABをR2015aへ移行
MBD運用コストの削減、モデルベース差分開発への対応といった課題に対応
東京, 日本 - (2015 年 10 月 12 日)
MathWorksは、トヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)と株式会社デンソー(以下デンソー)が、量産開発に適用しているMATLABのバージョンをR2010b からR2015aへ移行することを発表します。
従来から、トヨタおよびデンソーは、ECU量産ソフトの開発において、MathWorksのモデリング・シミュレーションおよびCコード自動生成製品を利用していますが、モデルベースデザインの普及に伴い、MATLAB製品について、次のような課題が浮上してきました。
・生産性の向上:MBDのあらゆる工程における、作業効率、ツールの使い勝手の改善により、運用時の生産性を向上させる
・差分開発への対応:日常のMBD業務の90%以上である、既存モデルからの差分開発をサポートする
・継続的な機能改善:Embedded Coder(Cコード自動生成)、Simulink Design Verifier™(モデル検証)などMBDの鍵となるツールの機能改善
一方、MathWorksは、過去5年間の間、モデルベースデザインの生産性向上を目指して、Simulink/Stateflow製品のエディタを刷新するなど、製品の日常の使い勝手の改善に努めてきました。
R2015aのMATLAB/Simulinkプロダクトファミリでは、エディタの刷新による使い勝手の大幅な向上、シミュレーション高速再開機能などによるパフォーマンス改善、Simulink TestやSimulink Design Verifierが提供するモデルスライサなどによる、モデルベース差分開発対応機能の強化が図られています。
R2015aの量産適用は、トヨタ、デンソーが将来にわたっての量産車両開発に、より生産性の高い、モデルベース差分開発を適用することを可能にします。
今回の移行にあたり、トヨタ自動車 制御システム基盤開発部部長である畔柳 滋氏は次のように述べています。『2003年に始まったトヨタ、デンソー、MathWorksの協調開発活動により、自動車業界のニーズがツール開発に直結し、現場の声に即した機能向上が図られてきました。第三世代のR2010bでは、量産開発で自動コード生成可能なレベルに達し、さらに今回のR2015aでは、差分開発と設計検証のし易さが改善。車両開発に対応した機能が織込まれたことで、生産性の向上に大きな効果が出ることを期待しています。』
『トヨタとデンソーのモデルベースデザイン適用は、世界中の自動車産業によりMathWorksのソフトウェアが製品設計・開発に継続的に使用されるということを示しています。我々は、自動車産業で必要なエンジニアリングツールの開発を行うため、20年近くトヨタ、デンソーとの緊密な関係を築いてきました。過去12年間では、トヨタとデンソーの量産適用に向けた特別な要求へ応えることに注力してきました。量産用の高品質なソフトウェアを開発することに対する弊社の取り組みがトヨタとデンソーから認められたことを嬉しく思います』と、MathWorksの技術部門担当バイスプレジデントであるアンディ・グレースは述べています。
MathWorks について
MathWorks(マスワークス)は、数学的計算で業界をリードする世界的なソフトウェア 開発会社です。MATLAB は、Language of Technical Computing(技術計算言語 ) として、アルゴリズム開発、データ解析、視覚化、数値計算のためのプログラミング環境を提供します。Simulink は、マルチドメイン シミュレーションやダイナミック システム、および組込みシステムのモデルベース デザインのためのグラフィカル環境です。 世界中のエンジニアや科学者が、自動車、航空宇宙、エレクトロニクス、金融機関、生命工学、製薬などの産業分野において、発見、革新、開発を加速させるためのツールとしてこれらのプロダクト ファミリを活用しています。また、MathWorksの製品は、教育および研究に欠かせないツールとして、 世界各国の大学や教育機関において活用されています。MathWorksは 1984 年に創業、現在は、マサチューセッツ州ネイティックを本拠地とし、世界の15カ国以上で 3000 名以上の従業員が活躍しています。詳細については jp.mathworks.com をご覧ください。
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