MathWorks が MATLAB/Simulink プロダクト ファミリの Release 2016a を発表

MathWorks は本日、MATLAB および Simulink にさまざまな新しい機能を追加した 「Release 2016a (以下 R2016a)」を発表しました。このリリースには、統合された対話型環境でコードを記述し、実行、修正して試行錯誤のプロセスを加速する MATLAB Live Editor と、MATLAB アプリの構築をシンプル化する環境である App Designer が含まれています。また、R2016a には、Simulink のモデル開発やシミュレーションをスピードアップするうえで役立つさまざまな新機能に加え、ほかのすべての製品へのプログラム更新やバグ修正が含まれています。

Live Editor は、 MATLAB コードを作成、編集、および実行する新たな方法を提供します。処理された結果および図表とそのコードを単一の対話型環境で同時に表示できるため、探索的なプログラミングや解析を迅速に実行できます。これにより、科学者やエンジニアは、書式付きテキスト、数学方程式、画像、ハイパーリンクを追加してほかの人と共有可能な対話型の説明を作成することができるようになりました。

App Designer は、MATLAB アプリ構築のための強化された設計環境および UI コンポーネント セットを提供します。App Designer には、対話型アプリケーション作成における 2 つの主要タスクであるビジュアル コンポーネントのレイアウトとアプリ動作のプログラミングが統合されています。生成されるコードはオブジェクト指向型であり、アプリのさまざまな要素間でデータを簡単に共有できるようになります。また、コンパクトな構造であるため、わかりやすく保守が用意です。

MATLAB プロダクト ファミリに追加された機能には以下が含まれます:

• MATLAB: 複数の Y 軸プロット、極座標プロット、および方程式を新たに可視化
• MATLAB: MATLAB コード実行の一次停止、デバッグ、および再開
• Neural Network Toolbox: Parallel Computing Toolbox の GPU 高速化を使用した画像分類タスクに対応する CNN (畳み込み ニューラル ネットワーク) の深層学習
• Symbolic Math Toolbox: MATLAB Live Editor 上にてシンボリック式の編集および結果の可視化を行い、MuPAD ノートブックをLive Editorで読み込める Live Script フォーマットに変換
• Statistics and Machine Learning Toolbox: 複数のモデルを自動的に繋げ、クラス レベル別にビジュアル化し、ロジスティック回帰分類を行う分類学習器アプリのアップデート
• Control System Toolbox: デザイン変更されたSISO コントローラの設計のためのアプリ、 MIMO システムを自動調整、低次元化モデル作成のための新アプリ
• Image Acquisition Toolbox: Kinect for Windows v2 および USB3 Vision のサポート
• Computer Vision System Toolbox: OCR (光学式文字認識) トレーナー アプリ、歩行者検出、および 3D ビジョンからの SfM (Structure from Motion) およびバンドル調整
• Trading Toolbox : トレーディング、センシティビティ、およびポスト トレード実行に対するトランザクション コスト分析

Simulink プロダクト ファミリに追加された機能には以下が含まれます:

• Simulink: テンプレート、新着モデル、およびおすすめ事例にアクセスして作業をより素早く開始あるいは再開するためのスタート ページ
• Simulink: 使用モデルのセットアップおよびシミュレーションをさらに迅速に実行するための自動ソルバー
• Simulink: Xilinx および Altera SoC アーキテクチャーなどの異種デバイスをターゲットとしたシステム モデルのシミュレーション
• Simulink: Simulink、Stateflow、および Simscape コンポーネントのインターフェイスでユニットを指定、ビジュアル化、および検査する Simulink ユニット
• Simulink: Variant SourceブロックおよびVariant Sinkブロック上でバリアント条件を定義し、接続された機能へ継承。コンパイラディレクティブが含まれるようなコードを生成。
• Aerospace Blockset: フライト コンディションを表示するための標準的なコックピット計器
• SimEvents: 新しい離散イベント シミュレーションおよびモデリング エンジンとイベント アクション、MATLAB 離散イベント システム オブジェクト オーサリング、およびSimulinkとStateflow新しい 数式簡略化とシミュレーション技術の導入でシミュレーションの高速化および生成コード内パラメーターの変更を実現
• Simscape: 生成されたコード内でのシミュレーションおよび実行時パラメーター調整を迅速化するための新しい方程式減少およびシミュレーション テクノロジー
• Simscape Fluids: 温度により特性変化する液体系をモデリングするための熱流体ライブラリ
• Simulink Design Optimization: 実験計画法、モンテカルロ シミュレーション、および相関解析を用いた感度解析ツール
• Simulink Report Generator: Simulink プロジェクト内のリビジョン間の矛盾をグラフィカルに解決する 3 方向モデル マージ

信号処理・通信の更新プログラムには以下が含まれます:

• Antenna Toolbox: アンテナおよびアンテナ アレイにおける基板の影響を解析する誘電体モデリング
• RF Toolbox: カスケード につないだRF コンポーネントのゲイン、雑音指数、および IP3 を算出するための RFバジェット解析
• SimRF: 自動 RF テストベンチ生成
• Audio System Toolbox: オーディオ処理システムを設計およびテストするための新製品

コード生成の更新プログラムには以下が含まれます:

• Embedded Coder: シグナル分析コードを #define として実装するためのコンパイラ ディレクティブ生成
• HDL Coder : ギガ サンプル/秒 (GSPS) 設計のフレーム入力をサポートする HDL 生成に最適化された FFT および IFFT
• HDL Verifier: PCI Express インターフェイスを介して Xilinx KC705/VC707 およびAltera Cyclone V GT/Stratix V DSP 開発ボード上でアルゴリズムをシミュレーションするためのPCIe FPGA-in-the-Loop

検証と妥当性確認の更新プログラムには以下が含まれます:

• Polyspace Code Prover: Long-double 型浮動小数点のサポートおよび Infinity と NaN サポートの改善
• Simulink Design Verifier: C コード S-Function の自動テスト生成
• IEC Certification Kit: Simulink Verification and Validation の IEC 62304 医療用規格をサポート
• Simulink Test: Simulink Real-Time でリアルタイム テストをオーサリングおよび実行

R2016a は世界中で今すぐに入手可能です。詳細については、R2016a Highlights をご覧ください。

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